付近に別の航空機の情報が・・・どこを探せばいいの?

[Radar Services : レーダー・サービス]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

前回は、

トランスポンダーの通常のものと

特別なコードについてお話させていただきました。

 

まあ、特別なコードに関しては

できれば、入力が迫られる状況には

遭遇しないで済ませたいものですね。

さて、今回のお話はというと

管制官から他の航空機の存在を

知らせてくることがあるのですが、

この場合パイロットは、

他機を探して目視による確認ができたら

そのことを下記のように

管制官に報告する必要があります。

“SKYHAWK 4110T, TRAFFIC IN SIGHT”

「スカイホーク4110T、トラフィック 視認した」

こういったケースの際

どの方角を探せばいいのか

分かりやすいシステムがあるんですよ。

イメージして欲しいのはデジタルではなく

アナログ時計の時計盤です。

この時計盤の中心に自分の機体が

あるんだと想像してくだい。

進行方向に対して真っ直ぐ前に当たるのが

12時の方向ということです。

3時の方角といったら

ライト・ウイングの延長線上の方向です。

6時の方角は真後ろで、

9時の方角は

レフト・ウイングの延長線上の方向

ということですね。

ミリタリーでは、

“Check your 6 !”

「背後に気をつけろ!」

が常識なんですね。

このように管制官は

時計盤の配置を使って

あなたに見るべき方向を伝えてくるのです。

管制官はレーダーのモニターに

映し出される航跡をもとに

他機のと位置関係を伝えてくるんですね。

ここで映し出される航跡は、

地上に対して航空機が移動している軌跡です。

ATC  TRAFFIC  GIVEN  IN  REFERENCE  TO

Aircraft’s ground track

ATC  TRAFFIC  GIVEN  

:航空交通管制トラフィック 提供される

IN  REFERENCE  TO

:…と関連して

Aircraft’s ground track

:航空機の地上軌跡

針路に対して風の影響を考えて

偏流修正角を取っている場合は

これを加味して方向を考えなくては

いけませんよ。

※ 偏流修正角については

先にいってからお話します。

こういうものがあるということだけ

覚えておいてください。

今回は基礎的な内容を

理解していただきたいので、

以後の説明では無風の場合の条件で

お話を進めていきますので

ご了承ください。

では、いくつか例を見ていきましょう。

すぐに慣れてしまうと思いますよ。

注)参考の図は上部を北で

下部を南として考えてください。

状況1

あなたの機体は北へ向かって飛行しています。

その時、管制官から

“2 O’CLOCK, 5 MILES, NORTHBOUND”

「2時の方向、距離5マイル、北へ向かう」

2時の方角に5マイル離れた位置に

同方向に進んでいる機体がいますということですね。

状況2

あなたの機体は東へ向かって飛行しています。

その時、管制官から

“3 O’CLOCK, 2 MILES, WESTBOUND”

「3時の方向、距離2マイル、西へ向かう」

東に向かって飛行中、

3時の方角に2マイル離れた位置を

西に向かって飛行する機体ありということですね。

方角的には南の方角のエリアに

正反対に向かって飛行する機体があると

いう言い方もできるということです。

状況3

あなたの機体は北へ向かって飛行しています。

その時、管制官から

“9 O’CLOCK, 2 MILES, SOUTHBOUND”

「9時の方向、距離2マイル、南へ向かう」

北へ向かって飛行中、

9時の方角に2マイル離れた位置に

南に向かって飛行する機体ありということですね。

状況4

あなたの機体は北へ向かって飛行しています。

その時、管制官から

“10 O’CLOCK, 2 MILES, SOUTHBOUND”

「10時の方向、距離2マイル、南へ向かう」

これも同様に北へ向かって飛行中、

10時の方角に2マイル離れた位置に

南に向かって飛行する機体ありということですね。

時計盤の方向は、もう完璧だと思います。

では、少し発展的な質問をしてみますよ。

この10時の方向というのは

機首方位から左に何度ずれた

方向になりますか?

まず、9時の方向というのは

機首方位から左に90度傾けた方向ですよね。

この90度を三等分した位置に

10時と11時が割り振られています。

ということは

9時から10時の角度は、

90度の三分の一なので30度ですね。

すなわち、

機首(12時)から10時の角度は

30度が二つ分となるので

左に60度ずれた位置ということになります。

説明するまでもなく簡単でしたね。

<まとめ>

注意を促すために

管制官から他機の位置情報が伝えらる

その方向は時計盤を使った方向で示される

位置情報の内訳は

方角・他機までの距離・他機の進行方向

(時には他機の高度情報も含む場合もある)

ということで、

練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q  :  An ATC radar facility issues the following advisory

to a pilot flying on a heading of 090° :

“TRAFFIC 3 O’CLOCK, 2 MILES, WESTBOUND・・・”

Where should the pilot look for this traffic ?

A  :  East.

B  :  South.

C  :  West.

An ATC radar facility issues

:航空交通管制レーダー施設 出す

the following advisory

:以下の助言

to a pilot

:パイロットに対して

flying on a heading of 090°

:飛行している 針路090°

TRAFFIC 3 O’CLOCK, 2 MILES, WESTBOUND

:トラフィック 3時の方角 距離2マイル 西へ向かう

Where

:どこ

should the pilot look for

:パイロット探すべき

this traffic

:このトラフィック

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

次の問題も頑張ってください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q  :  An ATC radar facility issues the following advisory

to a pilot during a local flight :

“TRAFFIC 2 O’CLOCK, 5 MILES, NORTHBOUND・・・”

Where should the pilot look for this traffic ?

A  :  Between directly ahead and 90° to the left.

B  :  Between directly behind and 90° to the right.

C  :  Between directly ahead and 90° to the right.

during a local flight

:の間 局地飛行

TRAFFIC 2 O’CLOCK, 5 MILES, NORTHBOUND

:トラフィック 2時の方角 距離5マイル 北へ向かう

Between directly ahead and 90° to the left

:真っ直ぐ前方と左に90°の間

Between directly behind and 90° to the right

:真っ直ぐ後方と右に90°の間

Between directly ahead and 90° to the right

:真っ直ぐ前方と右に90°の間

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

はい。どうでしたか?

方角を時計盤に例える言い方は

いかにもパイロットらしくないですか?

また一歩大空を駆け巡る夢に

近づいた感じですね!

この調子で継続していきましょう!

ということで、

今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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