クラスCやクラスBで受けられるサービスとは?

[Radar Services : レーダー・サービス]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

前回は、

目標物に対する方角は

時計盤をイメージして方向を伝える

というお話でしたね。

とてもシンプルで

分かりやすい方法ですよね。

一度聞いただけで

誰もが忘れないという感じじゃないですか?

はい。今回は

クラスC(Charlie)や

クラスB(Bravo)などの

エアスペースでは、

どのようなレーダー・サービスが提供されるのか

お話していこうと思います。

先ずは、下の図を見てください。

主要空港を囲むように

マジェンタのラインで示すエアスペースです。

既にご存知の通りこれは

クラスC(Charlie) です。

内側のエリアと外側のエリアでは

何が違うんでしたかね?

エアスペースの天井(上限)は同じでも

スタートするフロアが違うんでしたよね。

ちなみにこの TUCSON のクラスC(Charlie) の

内側のエリアは SFC(サーフェイス・地上)から

高度6,600フィート(海抜高度)ですね。

外側のフロアは4,200フィート(海抜高度)です。

読み取れていますか?

もしも、自信がない場合は

Airspace の分野を読み返してくださいね。

さて、このクラスC(Charlie) に進入するには

その前に管制官とのコミュニケーションが

確立されていなければならないというのは

覚えていますか?

どこの誰とコンタクトを取るのかというと

上図のクラスC(Charlie) の周りを見ると

白い情報ボックスがいくつかあるのですが、

分かりやすいように拡大したのが下です。

このボックスの中に周波数が記載されていますよ。

主要空港から20NM(Nautical Miles)の範囲内は

TUCSON Approach(ツーソン・アプローチ)と

125.1 MHz でコンタクトを取るということですね。

269.55 はミリタリー専用の周波数なので

私たちは気にする必要はありません。

アプローチとコンタクト後、

クラスC(Charlie) に進入していくと

以下のサービスを受けることになります。

VFR機は

◎基本的なレーダー・サービス

周辺の交通情報や

他機との接近・衝突の回避、

障害物に対する警告、

限定のレーダー誘導など

◎全ての航空機に対する順序づけ

どの航空機から着陸させるのが効率がいいか

それぞれの機体の速度等考慮しながら

順番をつけていく

◎全てのIFR機との分離

これらのことを英文にすると

下のようになります。

頑張って覚えてくださいね。

CLASS C (Charlie)  [VFR AIRCRAFT]

◎Basic Radar Service

・Traffic advisories

・Safety alerts

・Limited radar vectoring

◎Sequencing Of All Aircraft

◎Separation From All IFR Aircraft

CLASS C (Charlie)  [VFR AIRCRAFT]

:クラスC(チャーリー) [VFR機]

◎Basic Radar Service

:基本的なレーダー・サービス

・Traffic advisories

:交通情報

・Safety alerts

:安全のための警告

・Limited radar vectoring

:限定レーダー誘導

◎Sequencing Of All Aircraft

:全ての航空機の配列(順序づけ)

◎Separation From All IFR Aircraft

:全てのIFR機からの分離

このクラスC(Charlie) から

出発するにはクリアランス(許可)が

必要となります。

タキシング(地上移動)の前に

CLEARANCE DELIVERY の専用周波数に

コンタクトを取り

クリアランス(許可)を得ましょう。

場所によっては、グランド・コントロールが

クリアランス・デリバリーも

兼ねている場合もあるので、

その時は、グランド・コントロールに

コンタクトしてくだい。

次に見ていくのは

クラスB(Bravo)エアスペースです。

クラスB(Bravo)エアスペースの

範囲を示すラインはブルーです。

覚えていますか?

下は PHOENIX のクラスB(Bravo)です。

さて、クラスB(Bravo)への進入は

コミュニケーションが確立されただけではダメです。

何が必要だか覚えていますか?

そうですね。 

クリアランス(許可)です。

では、クラスB(Bravo)で得られる

サービスはというと

◎全ての航空機に対する順序づけ

どの航空機から着陸させるのが効率がいいか

それぞれの機体の速度等考慮しながら

順番をつけていく

◎全ての航空機との分離

全ての航空機に対する順序づけは

クラスC(Charlie) と同じですが、

クラスC(Charlie) では、

全てのIFR機との分離されるということから

全ての航空機と分離されるに格上げされます。

VFR機もIFR機と同等に完全に他機と

識別して管制されるわけです。

ただし、

進入のクリアランス(許可)が

得られていることが大前提として必要です。

CLASS B (Bravo)  [VFR AIRCRAFT]

◎Must have clearance

◎Sequencing Of All Aircraft

◎Separation From All Aircraft

◎Must have clearance

:クリアランス(許可)が必須

◎Sequencing Of All Aircraft

:全ての航空機の配列(順序づけ)

◎Separation From All Aircraft

:全ての航空機からの分離

クラスB(Bravo)とクラスC(Charlie)を

並べてみると頭の中が整理されますよね。

クラスB(Bravo)クリアランス(許可)が必要

クラスC(Charlie) コミュニケーションの確立でOK

両クラスとも順序づけは全ての航空機に対して行われる

クラスB(Bravo)全ての航空機から分離

クラスC(Charlie) IFR機から分離

つづいては、

カリフォルニア州のパームスプリングスエリアに

飛んでみますよ。

分かりにくいと思いますが、

グレーのラインで囲まれたエリアが見えますか?

このエリアを

TERMINAL  RADAR  SERVICE  AREA (TRSA)

ターミナル・レーダー・サービス・エリア(ターサ)

といいます。

かつては TRSA は多かったのですが、

今ではその多くが、クラスC(Charlie) または

クラスB(Bravo)に置き換えられてきたので

一部の空港にだけ残っているというのが現状です。

このエリアでは、

全てのVFR機から分離してもらえます。

異常接近や衝突の心配は要らないということです。

ただし、参加している機体だけなんです。

TRSA は法的束縛がないので、クラスE(Echo) と

同じ扱いになります。

なので、進入に際しても管制官との

コミュニケーションは必要とされません。

しかし、自発的に管制官とコミュニケーションを

取ることで他機との接近や衝突する確立も

激減させることができますので

このエリアでは積極的に無線機を

使うことにしましょう。

<まとめ>

VFR機が受けられるレーダー・サービス

クラスC(Charlie)

進入条件:コミュニケーション確立

◎基本的なレーダー・サービス

 ・周辺の交通情報(他機との接近回避)

 ・障害物への警告

 ・限定レーダー誘導

◎着陸の順序づけ

◎全IFR機との分離

クラスB(Bravo)

進入条件:クリアランス(許可)

◎着陸の順序づけ

◎全航空機との分離

TRSA

◎全VFR機との分離

※ ただし、参加している機体だけ

ということで、

練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q  :  Basic radar service in the terminal radar program

is best described as

A  :  safety alerts, traffic advisories,

and limited vectoring to VFR aircraft.

B  :  mandatory radar service provided

by the Automated Radar Terminal System

(ARTS) program.

C  :  wind-shear warning at participating airports.

Basic radar service

:基本的なレーダー・サービス

in the terminal radar program

:の中 ターミナル・レーダー計画

is best described as

:ベストな記述です 以下のような

safety alerts

:安全警報

traffic advisories

:トラフィック勧告

limited vectoring 

:限定誘導

to VFR aircraft

:VFR機に対して

mandatory radar service provided

:義務的なレーダー・サービス 提供される

by the Automated Radar Terminal System program

:によって ターミナル管制情報処理システム

wind-shear warning 

:ウインドシア 警告

at participating airports

:参加している空港の

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

はい。どうでしたか?

今回の問題は選択肢の中に

まだ知らない単語が含まれていて

戸惑ったかも知れません。

学習内容も全分野をまだ終えていないので

こういうことも今後あるかも知れません。

勘のいい人なら

今まで登場していない単語があれば

不正解と考えていいのかな?って

思う方もいたんじゃないですか?

そういう推測も筆記テストでは

大切だと思います。

ですが、何よりも

このブログの内容をしっかりと

理解することが一番大切であることは

間違いありませんので

引き続き頑張っていきましょう!

今回で

Radar Services(レーダー・サービス)

の分野は終了です。

次回からは

Electronic Navigation(電子航法)の

分野に入っていきますね。

ということで、以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

 

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