気象注意報について

[Weather : 気象]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

前回は、

Weather Scenario (天気の起こり得る事象) について

お話しさせていただきました。

実際のフライト時において

積乱雲や雷雨などの気象現象の

基礎的な内容を踏まえた上で

今後予測されるであろうことを

加味しながら判断することが

大切であるということを

理解していただけましたか?

 

 今回は、

 Weather Advisories (気象注意報)

についてお話したいと思います。

あなたが飛行計画を立てている段階

また、既にフライト中の際に

いくつかの気象に関する注意報を

得ることができるのです。

それら情報を総称して

Inflight Aviation Weather Advisories 

と呼ばれていますよ。

その中には

・AIRMET

・SIGMET

・CONVECTIVE SIGMET

などがあります。

今回は簡単に要点だけを

押さえていくことにしましょう。

まずは、

AIRMET です。

これは、Airmen’s Meteorological Information

略した語になります。

これは、単発機のような小型機に

危険な気象状況の警告として発令されるもので

全てのパイロットを対象とするものです。

AIRMET

Warnings of weather conditions hazardous to small single-engine aircraft

Intended for all polots

AIRMET

:エアメット

Warnings of weather conditions hazardous

:警告 危険な気象条件の

to small single-engine aircraft

:小型単発機に向けて

Intended for all pilots

:対象とされる 全てのパイロット

次に

SIGMET です。

これは、Significant Meteorological Information

略したものですね。

これも危険な気象状況の警告として

発令されるものなんですが、

対象は全ての航空機に対してです。

航空機の大小には関わりありませんからね。

つまり、内容はより深刻ということです。

SIGMET

Warnings of weather conditions hazardous to all aircraft

SIGMET

:シグメット

Warnings of weather conditions hazardous

:警告 危険な気象条件の

to all aircraft

:全ての航空機に向けて

危険な気象条件としては

気温が0度になる高度であったり

着氷が起こるエリアなども

含まれています。

これらの着氷に関する情報は 

Weather Forecast (天気予報) や

Weather Depiction Chart (METAR情報を元に作られた天気図) では

得ることが出来ません。

(※ METAR:気象通報式の一種であり、航空気象情報を英数字によって通報するための書式です)

では、どこで得ることが出来るのかというと

その着氷の深刻度によって違うのです。

例えば、

AIRMET から得られるのは

その大気における気温が0度になる高度

中程度の着氷が起こるエリアの情報です。

AIRMET

Freezing levels

Moderate icing

AIRMET

:エアメット

Freezing levels

:氷点高度

Moderate icing

:中程度の着氷(地域)

SIGMET が警告するのは

過酷な着氷のエリアです。

ただし、この場合の着氷は

雷雨とは関連していないものですよ。

SIGMET

Severe icing

SIGMET

:シグメット

Severe icing

:過酷な着氷(地域)

では、もう一つの

CONVECTIVE SIGMET についてです。

これが発令される内容に含まれるものとして

・大きな ひょう/あられ

・見えない雷雨

・竜巻

では、大きな ひょう/あられ って

どれくらいの大きさかというと

直径3/4インチ以上のものです。

それ以外にも

非常に嫌な条件下といういことで

そんなエリアに近づきたくはないですよね。

Convective (対流的) という言葉から

推測できるように

大気の状態が活発に対流していて

強い上昇気流が雷雨を生み出し

ひょう/あられ や竜巻などの問題に

関連した警報ということなんですね。

CONVECTIVE SIGMET

Hail 3/4 inch or more

Embedded thunderstorm

Tornadoes

CONVECTIVE SIGMET

:コンべクティブ シグメット

Hail 3/4 inch or more

ひょう/あられ 3/4インチ以上

Embedded thunderstorm

:見えない 雷雨

Tornadoes

:竜巻

さて、ここで触れておきたいのは

見えない雷雨です。

一般的な雷雨は

極地的に熱せられた湿った空気が

上昇することで発生した積乱雲が

雷を伴うことで形成されるわけです。

つまり、目で確認することが容易なので

パイロットは雷雨を避けて

飛行することが出来るのです。

一方で、前線付近で暖かい空気が

冷たい空気の下にもぐり込むことで

空気は不安定な状態になり対流が起こり

やがて積乱雲や雷雨が発生することもあります。

この場合、前線付近ということで

既に雲がある中での雷雨の出現になるのです。

ですので、

はっきりとした積乱雲や雷雨の雲を

外側からは確認出来ない状態ということです。

とても危険な気象条件ですので

CONVECTIVE SIGMET として

警報が発令されるわけですね。

EMBEDDED THUNDERSTORMS

Obscured by massive cloud layers and cannot be seen

EMBEDDED THUNDERSTORMS

:見えない 雷雨

Obscured by massive cloud layers and cannot be seen

:隠される 大きな層雲に そして 見ることが出来ない

<まとめ>

Inflight Aviation Weather Advisories

(飛行中の航空気象注意報)

◎AIRMET・SIGMET・CONVECTIVE SIGMET などの総称

AIRMET

◎小型機に向けての危険な気象条件の警告

◎対象は全てのパイロット

◎氷点高度や中程度の着氷のエリア

SIGMET

◎全ての航空機に向けての危険な気象条件の警告

◎過酷な着氷のエリア

CONVECTIVE SIGMET

◎直径3/4インチ以上の ひょう/あられ

◎雲に隠れて見えない雷雨

◎竜巻

では、早速練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・

Q1  :  SIGMET’s are issued as a warning of weather conditions hazardous to which aircraft?

A  :  Small aircraft only.

B  :  Large aircraft only.

C  :  All aircraft.

SIGMET’s are issued as a warning

:シグメット 出される 警告として

of weather conditions hazardous

:気象条件の危険の

to which aircraft?

:どの航空機に向けて

Small aircraft only.

:小型機だけ

Large aircraft only.

:大型機だけ

All aircraft.

:全ての航空機

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q2  :  Which in-flight advisory would contain information on severe icing not  associated with thunderstorms?

A  :  Convective SIGMET.

B  :  SIGMET.

C  :  AIRMET.

Which in-flight advisory would contain information

:どの インフライト・アドバイザリー 含む 情報を

on severe icing not  associated with thunderstorms?

:について 過酷な着氷 関連のない 雷雨と

Convective SIGMET.

:コンべクティブ シグメット

SIGMET.

:シグメット

AIRMET.

:エアメット

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q3  :  What is indicated when a current CONVECTIVE SIGMET forecasts thunderstorms?

A  :  Moderate thunderstorms covering 30 percent of the area.

B  :  Moderate or severe turbulence.

C  :  Thunderstorms obscured by massive cloud layers.

What is indicated

:何 示される

when a current CONVECTIVE SIGMET forecasts thunderstorms?

:現行の コンべクティブ シグメット 予報するとき 雷雨を

Moderate thunderstorms covering 30 percent of the area.

:中程度の雷雨 覆っている 30% そのエリアの

Moderate or severe turbulence.

:中程度 または 過酷な乱気流

Thunderstorms obscured 

:隠された雷雨 大きな雲の層によって

by massive cloud layers.

:大きな雲の層によって

自力で回答してから音声を聞いてください。

はい。どうでしたか?

気象条件の注意報についての

概要ということで

お話させていただきました。

具体的な電文の読み方に関しては

もう少し先にいってから

触れてみたいと思います。

引き続き頑張っていきましょう。

ということで、今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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