Landing  Distance Table (着陸距離表)

[Aircraft Performance : 航空機の性能]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

前回は、

着陸距離の求め方 ②

ということで Chart の読み取り方の

練習をしていただきました。

このタイプの Cart の使い方は

もうばっちり

覚えていただけましたか?

今回は、

違うタイプの情報源として

Landing  Distance Table (着陸距離表)

についてお話しようと思います。

Landing Distance Table (着陸距離表)

今までの

グラフタイプのチャートと違い

各データをまとめた表タイプとなります。

全ての情報がここに集約されています。

はじめに右上のコーナーを

見てください。

フラップ40°まで下げて

パワー・オフとは、

エンジン出力が

アイドリングということです。

それから、舗装された滑走路で

風は無しという条件での

データであることを謳っています。

つまり完全な着陸態勢の

コンディションということですね。

次に下段の注意書きを見てください。

1. 向かい風4ノットごとに着陸距離は10%減少する

2. 標準温度より60°F上がるごとに着陸距離は10%伸びる

3. 50フィートの障害物があれば、地上滑走距離も総着陸距離も20%伸びる

上記のいずれかに該当する場合は

それに則って計算が必要となります。

 

例題を解いてみよう

Landing Distance Chart の代わりに

この Table をつかって

着陸距離を求めてみましょう。

条件は、

気圧高度・・・7,500フィート

向かい風・・・8ノット

温度華氏・・・32°

滑走路・・・硬い表面

Pressure altitude・・・7,500 ft.

Headwind・・・8 kts.

Temperature・・・32°F

Runway ・・・Hard surface

 

この条件に 50フィートの障害物を

越える必要がある総着陸距離を

求めなさいということです。

 

では、Table を見ていきましょう。

海面上で 59°Fですね。

ということは標準大気ですね。

隣は、2,500フィートで 50°Fです。

その隣は、5,000フィートで 41°Fです。

その又隣は、7,500フィートで 32°Fです。

これは、ちょうど条件と

一致している表示になっていますね。

ですので、換算する必要がありません。

この欄のデータをそのまま

使えるということです。

50フィートの障害物を

越える必要がある総着陸距離は

1,255フィートですね。

 

あ!でも、ちょっと待ってください!

条件の中に

向かい風 8ノットとありました。

これについてまだ考慮してませんでしたね。

注意書き 1. は、

「向かい風4ノットごとに 10%の距離が減少する」

でしたね。

今回の条件は、8ノットですから

4ノットの2倍です。

ということは、20%短くなります。

1,255 × 20% = 251 ft.

1,255 − 251 = 1,004 ft.

 

総着陸距離は、1,004フィート

ということです。

はい。どうってことないですね。

今回は、これだけですので

早速、練習問題に挑戦してみましょう。

練習問題にトライしてみよう!

Q  :  (Refer to figure) Determine the approximate ground roll distance.

 

Pressure altitude・・・Sea Level

Headwind・・・4 kts.

Temperature・・・STD

 

A  :  356 feet.

B  :  401 feet.

C  :  490 feet.

(Refer to figure)

図を参照してください

Determine the approximate ground roll distance.

:割り出しなさい およその地上滑走距離を

Pressure altitude・・・Sea Level

:気圧高度 海面上

Headwind・・・4 kts.

:向かい風 4ノット

Temperature・・・STD

:温度 標準

356 feet.

:356フィート

401 feet.

:401フィート

490 feet.

:490フィート

参照図を使っての解答・解説を

「あとがき」の次に記載してあります。

自力で回答してから確認してください。

あとがき

はい。どうでしたか?

今までたくさん練習してきた

離陸距離と着陸距離の求め方は

グラフタイプの Chart を使用してきました。

しかし、

今回のようなデータ表からも

算出できるんだということが分かりましたね。

テスト対策ということではなく、

両方とも使いこなせるように

しておきましょう。

ひとりのパイロットとしてです。

 

ということで、今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただきまして

ありがとうございます!

ではまた!

問題の解答・解説

この問題は、

「Pressure altitude・・・Sea Level

Headwind・・・4 kts.

Temperature・・・STD」

上記の条件下での

着陸地上滑走距離を

求めるということです。

気圧高度が、海面上で

温度が、標準ということは

ここを見ればいいということです。

今回求めるのは、

地上滑走距離ですから

Ground roll のデータとなります。

ここでは、

445フィートとなっていますね。

ここで終わりではないですね。

もう一つの条件である

向かい風を考慮した計算が必要です。

4ノットの向かい風ですから

距離にして10%の減少が

見込まれるので

データの 445フィートから

10%引いてあげれば OK ですね。

445 × 10% = 44.5 ft.

445 - 44.5 = 400.5 ft.

選択肢は、

A  :  356 feet.

B  :  401 feet.

C  :  490 feet.

ですので、

正解は、

一番近い

B  :  401 feet.

ということです。

お疲れさまでした。

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