[Aircraft Performance : 航空機の性能]
パイロット免許への水先案内人
須永です！
前回は、Landing Distance Table (着陸距離表)
についてお話させていただきました。
グラフタイプの
Landing Distance Chart 以外にも
Landing Distance Table の
データをもとに着陸距離を
求めることが出来るということを
覚えていただけましたか？
今回は、
Landing Distance Table (着陸距離表) ②
ということで、
補間を行なって算出する方法に
触れておきましょう。
補間が必要な場合
早速今回の条件から見ていきましょう。
気圧高度・・・1,250フィート
向かい風・・・8ノット
温度・・・標準
Pressure altitude・・・1,250 ft.
Headwind・・・8 kts.
Temperature・・・std.
この条件のとき、
およその Ground roll (地上滑走距離) を
求めないということです。
まず、お尋ねしますが、
Landing Distance Table のコラムには
1,250フィートの欄はありますか？
無いですね。
有るのは、
At sea level & 59°F
At 2,500 feet & 50°F
At 5,000 feet & 41°F
At 7,500 feet & 32°F
の4つです。
今回の条件である
1,250フィートは、
At sea level & 59°F と
At 2,500 feet & 50°F の
ちょうどこの二つの中間ですね。
それから条件の温度は標準ですから、
温度を考慮する必要はありません。
なぜなら、Tanle 内記載のデータは
標準大気によるものだからです。
ということで、
2,500フィートの
Ground roll 470フィートと
海面上の
Ground roll 445フィートを使って
補間してみましょう。
ちょうど中間のデータが欲しいので
補間するには
２つを足してから
二分すればいいんですよね。
Interpolate for altitude
(高度を補間する)
445 + 470 ＝ 915 ft.
915 ÷ 2 = 457.5 ft.
この 457.5 ft. が
気圧高度 1,250フィートでの
着陸に必要な地上滑走距離ということです。
しかし、Table のデータは
無風の場合の数値です。
今取り組んでいる問題を
もう一度確認してみましょう。
条件の中に
Headwind 8 kts. とありましたね。
NOTE 1.には何とありますか？
はい。そうですね。
向かい風 4ノットごとに
10%の距離が減少するんでしたね。
8ノットということは
20%の距離が短くなるということです。
ここまで判断できれば
あとは計算するだけですね。
Decrease for headwind
(減少 向かい風のため)
457.5 × 20% = 91.5 ft.
457.5 − 91.5 = 366 ft.
はい。
この 366 ft. が
地上滑走距離となります。
Ground roll
366 ft.
このまま練習問題に入ってしまいましょう。
練習問題にトライしてみよう！
Q : (Refer to figure) Determined the total distance required to land over a 50-foot obstacle.
Pressure altitude・・・3,750 ft.
Headwind・・・12 kts.
Temperature・・・std.
A : 816 ft.
B : 794 ft.
C : 836 ft.
(Refer to figure)
：図を参照してください
Determined the total distance required to land over a 50-foot obstacle.
：割り出しなさい 総着陸距離を 必要とされる 越えて着陸 50フィートの障害物を
Pressure altitude・・・3,750 ft.
：気圧高度 3,750フィート
Headwind・・・12 kts.
：向かい風 12ノット
Temperature・・・std.
：温度 標準
816 ft.
：816フィート
794 ft.
：794フィート
836 ft.
：836フィート
・
・
・
参照図を使っての解答・解説を
「あとがき」の次に記載してあります。
自力で回答してから確認してください。
あとがき
はい。どうでしたか？
簡単でしたよね。
これであなたは
着陸距離の求めるために
グラフタイプの Chart でも出せますし
データ表の Table からでも
出せるようになりました。
Aircraft performance
(航空機の性能) のカテゴリーも
残すところ 3話です。
この調子で進んでいきましょう。
ということです、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただきまして
ありがとうございます！
ではまた！
問題の解答・解説
この問題は、
「以下の条件をもとに
50フィートの障害物を越える必要がある
総着陸距離を求めなさい。
Pressure altitude・・・3,750 ft.
Headwind・・・12 kts.
Temperature・・・std. 」
ということですね。
まず、
Landing Distance Table のコラムには
3,750フィートの欄はありますか？
無いですよね。
記載の
At 2,500 feet & 50°F と
At 5,000 feet & 41°F の
ちょうど中間ということで
この二つのデータを用いて
補間していきますよ。
今回、求めるのは
50フィートの障害物を
越える必要のある着陸ですから
下のデータを使います。
高度に対する距離を補間しましょう。
1,135 ＋ 1,195 ＝ 2,330 ft.
2,330 ÷ 2 ＝ 1,165 ft.
単純に気圧高度 3,750フィートでの
50フィートの障害物を越える必要のある
総着陸距離は、1,165 ft. となりました。
では、次にもう一つの条件の
Headwind・・・12 kts. について
考えてみますよ。
Table のNOTE (注意書き) にあることを
加味すると
向かい風 4ノットごとに
10％の距離の減少が生じますので、
3倍の 12ノットですから
30％の距離の減少となります。
1,165フィートの 30％
距離が短くなるということですね。
計算してみましょう。
1,165 × 30% ＝ 349.5 ft.
1,165 － 349.5 ＝ 815.5 ft.
となりました。
選択肢は
A : 816 ft.
B : 794 ft.
C : 836 ft.
ですから
一番近い 816 ft. となります。
正解は、
A : 816 ft. です。
お疲れさまでした。
