[Aircraft Performance : 航空機の性能]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Pressure Altitude (気圧高度) の求め方
についてお話させていただきました。
Density Altitude Chart (密度高度表) の
Altimeter Setting 変換係数表の
活用法を覚えていただけましたか?
特に筆記テストでは、
表に記載されていない
Altimeter Setting の値が
提供されますので、
計算によって適切な値を
求めることが要求されます。
簡単な計算間違いを
しないように注意してください。
今回は、
Density Altitude Chart (密度高度表) の
左側のグラフを使った
Density Altitude (密度高度) の求め方
についてお話したいと思います。
Density Altitude (密度高度) を求めてみよう
早速ですが、
一緒に例題を解いてみましょう。
Altimeter setting
29.25
Runway temperature
+81°F
Airport elevation
5,250 feet
上の条件の場合
密度高度はいくつになりますか?
最初に Pressure Altitude (気圧高度) を求める
まずは、
Density Altitude Chart の
右側の変換表を使って標高を補正し
気圧高度が求めてみましょう。
その前に、
数値配列のおさらいしておきましょう。
Altimeter setting は
上から下に数値は大きくなります。
変換係数は
上から下に数値は小さくなっています。
これを確認したところで
まずは、
Altimeter setting 29.25の
変換係数を求まていきますよ。
例によって筆記テストでは、
表に記載されている
Altimeter setting の値を
条件として提供してはくれません。
ですから、
計算で求めなくてはなりません。
29.25 は
29.20 と 29.30 の
ちょうど中間点ですね。
29.20 の変換係数は 673 で
29.30 の変換係数は 579 です。
29.25 がちょうど中間ということなので、
2つの変換係数の差を 2で割ります。
その値を小さい方の変換係数 579 に
加えます。
または大きい方の値 673 から引きます。
今回は、前者の方でいきましょう。
673 と 579 の差は 94 です。
これを 2 で割ります。
47 と出ましたね。
小さい方の係数 579 に 47 を加えると
626 ft. になりました。
この変換係数 626 を
標高 5,250 ft. に加えると 5,876 ft.です。
これで気圧高度 5,876 ft.が
求められました。
PRESSURE ALTITUDE
673 − 579 = 94 ft.
94 ÷ 2 = 47 ft.
579 + 47 = 626 ft.
5,250 + 626 = 5,876 ft.
Density altitude chart のグラフ
さあ、気圧高度が算出されたところで
Density altitude chart の
左側のグラフの出番です。
右肩上がりに並んでいる
等圧線がありますね。
その間隔は1,000フィートごとです。
ここで、質問です!
この等圧線に対してあなたは、
5,876フィートを
正確にポイントできますか?
私には無理です。
この狭い幅の中に
ここが、5,876フィートですと
指すことは出来ません。
ですから、
約 5,900フィートとするわけです。
等圧線の 5,000フィートと
6,000フィートの間を
10等分して
約 5,900フィート付近であれば、
見当がつけられますよね。
次に必要なものは温度です。
与えられている温度は 81°F ですね。
グラフ下の温度目盛りの
81°F のポイントから上に登って、
先程求めた気圧高度
約 5,900フィートのラインに
ヒットしたら、
次はそこから左に進んで
縦の目盛りにヒットしたところを
読み取れば、
それが密度高度になるわけです。
これで密度高度は
約 8,500フィートと
割り出すことが出来ました。
DENSITY ALTITUDE
8,500 ft.
まとめ
Density Altitude (密度高度) の求め方
前回の「まとめ」と重複しますが、
密度高度を求める流れ
標高
◎非標準気圧に対して補正
(密度高度表の気圧変換表から気圧高度を求める)
↓
気圧高度
◎非標準温度に対して補正
(密度高度表のグラフで温度補正する)
↓
密度高度
練習問題にトライしてみよう!
Q : (Refer to figure) Determine the density altitude for these conditions:
Altimeter setting 30.35
Runway temperature 25°F
Airport elevation 3,894 ft. MSL
A : 2,000 feet MSL.
B : 2,900 feet MSL.
C : 3,500 feet MSL.
(Refer to figure)
:図を参照してください
Determine the density altitude for these conditions:
:密度高度を割り出しなさい これらの条件の
Altimeter setting 30.35
:高度計規正 30.35
Runway temperature 25°F
:滑走路温度 華氏 25度
Airport elevation 3,894 ft. MSL
:空港の標高 海抜 3,894フィート
2,000 feet MSL.
:海抜 2,000フィート
2,900 feet MSL.
:海抜 2,900フィート
3,500 feet MSL.
:海抜 3,500フィート
・
・
・
参照図を使っての解答・解説を
「あとがき」の次に記載してあります。
自力で回答してから確認してください。
あとがき
はい。どうでしたか?
気圧高度にしても
密度高度にしても
表とグラフの読み取りをするだけですから
特に問題はなかったですよね。
読み違いや計算違いなど
つまらないミスをしないように
注意してください。
ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただきまして
ありがとうございます!
引き続き頑張っていきましょう!
ではまた!
問題の解答・解説
この問題は、
「これらの条件で、密度高度を求めなさい。
・高度計規正 30.35
・滑走路温度 華氏25度
・空港の標高 空港の標高 海抜 3,894フィート
A : 2,000 feet MSL.
B : 2,900 feet MSL.
C : 3,500 feet MSL. 」
ということですね。
気圧高度から求めてみましょう。
まず、高度計規正は 30.35 です。
例によって表に記載ありませんね。
あるのは、30.3 と 30.4 です。
ということは、
30.3 と 30.4 のちょうど中間ですね。
30.3 の変換係数は、-348 ft.
30.4 の変換係数は、-440 ft.
2つの差は、92 ft.
中間の変換係数を求めるので
92 ft. を2で割ると、
46 ft. になりました。
440 から 46 を引いて、394 です。
ただし、この変換係数の
領域はマイナスですから
-記号を忘れないでくださいね。
30.35 の変換係数は
-394 ft. と判明できました。
次は、空港の標高を
非標準気圧に対して補正しますよ。
標高 3,894フィートから
394フィートを引きます。
3,894 - 394 = 3,500 ft.
ということで、
この空港の気圧高度は
3,500フィートと割り出せました。
気圧高度が分かったところで
グラフの 3,500フィートのラインを
マークしましょう。
この気圧高度 3,500フィートを
非標準温度に対して補正します。
滑走路温度は、華氏 25°F でしたね。
グラフ下の温度目盛りの
25°F から上に登って
マークした気圧高度 3,500フィートに
ヒットしたところで左に進み
縦の密度高度の目盛りを
読めばいいんでしたね。
はい。密度高度は、
2,000フィートと判明しました。
答えの選択肢は
A : 2,000 feet MSL.
B : 2,900 feet MSL.
C : 3,500 feet MSL
ですので、
正解は、
A : 2,000 feet MSL. です。
お疲れさまでした。
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