[Aircraft Performance : 航空機の性能]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Landing Distance Table (着陸距離表) ②
についてお話させていただきました。
Landing Distance Table を
使用した着陸距離の算出方法の
パターンを覚えていただけましたか?
筆記テストでは
あのように素直な問題が
出題されますので
何度も繰り返して
基本型をマスターしておいてください。
今回は、
Cruise Power Setting Table (巡航出力設定表)
についてお話したいと思います。
Cruise Power Setting Table (巡航出力設定表)
これは、エンジン出力が65%
または、
フルスロットル時 (濃い網掛け) の
性能と出力設定を表した表です。
ざっくりと3つのコラムになっています。
中央は、国際標準大気でのデータです。
左は、国際標準大気より
−20°C (−36°F) の状況時のものです。
右は、国際標準大気より
+20°C (+36°F) の状況時のものです。
それぞれ、気圧高度における
・温度
・エンジン回転数
・マニフォールドプレッシャー
・燃料流量
・速度
についてのデータが記載されています。
どんな情報が記載されているのかは
言葉で説明するよりも
例題を解きながら
見ていく方が理解が
早いと思いますので
早速取り掛かることにしましょう。
与えられた条件は、
Pressure altitude・・・8,000フィート
Temperature・・・22°C
Manifold pressure・・・20.8”hg.
Wind・・・calm
上記の条件下において
1,000 Nautical Miles (MN)
飛行するために
必要な燃料消費量はどれくらいか?
というものです。
まず、表の一番左の高度の欄を見てください。
条件の8,000フィートがありましたね。
温度を見てみると−19°Cです。
これでは、条件が揃いません。
真ん中のコラムを確認してみましょう。
温度は、2°Cです。
まだ、条件には程遠いですね。
では、一番右のコラムを見てみましょう。
温度は、22°Cです。ドンピシャですね。
ということで、ここの欄を採用しますよ。
Manifold pressure も
20.8”Hg. で条件と一致しています。
燃料流量は、
1時間に 11.5ガロン (GPH) で、
TAS は、164 kts. です。
以上の情報から
所要時間が計算されますね。
Time enroute
1,000 NM ÷ 164 kts. = 6.10 hrs.
TAS 164 kts. で 1,000 NM 進むのに
6.10 hrs. (時間) かかることが分かりました。
燃料消費量を算出するには、
1時間の消費量に
時間をかけてあげればOKですね。
Fuel consumed
11.5 GPH × 6.10 hrs. = 70.1 gallons
ということで、
今回の条件における燃料消費量は
70.1 gallons となります。
シンプルですね。
筆記テストでは、
このような問題が出題されますので
覚えておきましょう。
では、このままの勢いで
練習問題に挑戦してみましょう。
練習問題にトライしてみよう!
Q1 : (Refer to figure) What fuel flow should a pilot expect at 11,000 feet on a standard day with 65% maximum continuous power?
A : 10.6 gallons per hour.
B : 11.2 gallons per hour.
C : 11.8 gallons per hour.
(Refer to figure)
:図を参照してください
What fuel flow should a pilot expect at 11,000 feet on a standard day
:どんな燃料流量を パイロットは予測しますか 11,000フィートで 標準大気の日に
with 65% maximum continuous power?
:65%の最大連続出力で
10.6 gallons per hour.
:10.6ガロン 1時間あたり
11.2 gallons per hour.
:11.2ガロン 1時間あたり
11.8 gallons per hour.
:11.8ガロン 1時間あたり
・
・
・
参照図を使っての解答・解説を
「あとがき」の次に記載してあります。
自力で回答してから確認してください。
あとがき
はい。どうでしたか?
少し前に
Flight Computer で
求めていたような数値が
登場してきましたね。
今回のようにきちっと必要な数値が
提供されていれば普通に計算して
算出できるもですから
問題はなかったはずです。
もし、
腑に落ちない点がありましたら
遠慮なく質問してくださいね。
引き続き頑張っていきましょう。
ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただきまして
ありがとうございます!
ではまた!
問題の解答・解説
この問題は、
標準大気の日に11,000フィートで
65%の出力を継続した場合
どんな燃料流量(燃料消費)を予測しますか?
ということです。
標準大気の日ですから
中央のコラムを参照しますが、
一番左の気圧高度の欄を見てください。
11,000フィートのデータはありません。
ですので、
10,000フィートと
12,000フィートのデータを使って
補間してあげるわけです。
対象となる 11,000フィートは
10,000フィートと
12,000フィートの
ちょうど中間ですので、
それぞれの数値を足して
2で割ればいいということです。
11.5 + 10.9 = 22.4
22.4 ÷ 2 = 11.2 GPH
選択肢は
A : 10.6 gallons per hour.
B : 11.2 gallons per hour.
C : 11.8 gallons per hour.
ですので、
正解は、
B : 11.2 gallons per hour. です。
お疲れさまでした。
コメント
筆記試験と関係のない質問になってしまいます。
FAAライセンス取得にはIACRAというものに登録が必要らしのですが
IACRAとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
takumi 様
ご質問ありがとうございます!
Integrated Airman Certification and Rating Application (IACRA) は、
技能証明や限定変更などの申請を電子フォームで取り扱うサイトのことです。
私の頃は、このようなシステムはありませんでしたので
残念ながら詳しいことはお伝えできません。
勉強不足で申し訳ございません。
代わりに分かりやすく
まとめられたサイトが有りましたので
こちらを参考になさってください。
http://salaryman-pilot.com/%E4%BB%8A%E5%9B%9E%E3%81%AE%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%89%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6-part2-%EF%BC%88%E5%BD%93%E6%97%A5%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%89%8D%E6%BA%96
これからは、最新の情報も会得していきたいと思いますので
今後ともよろしくお願いします。
ありがとうございます。
大変助かります。
良かったです。
また何かありましたら
どんなことでも
ご連絡ください!
引き続き頑張っていきましょう!