あなたの行く手にある危険物とは?

[Sectional Charts:区分航空図]

こんにちは!

パイロット免許への水先案内人・須永です!

前回は、飛行場の種類や特徴によって

航空図上のシンボルマークの表示の

違いや各飛行場の情報などについて

お話させていただきました。

airport 一つとっても航空図から

様々な情報を与えてくれることが

分かっていただけたんじゃないでしょうか?

その他にはどんな情報が記されているのでしょう?

その中には、あなたの安全を守ってくれる

内容のものもあるんですよ。

一つには、障害物についてです。

英語では

Obstacle 又は Obstruction です。

例えば、低空で飛行している場合、

高いビル、高いアンテナ、などなど

それらに衝突したい人なんていませんよね?

そんな高い障害物を

表すシンボルマークがこれです。

アルファベットの「V」を逆さにして

下にドットを加えたような形ですね。

近くには二つの数字がありますね。

上の数字が海抜高度(MSL)で

カッコ内の数字が地上からの高さ(AGL)を

表していますよ。

因みにこれは送電線のタワーで

この一帯で一番高い障害物なんでしょうね。

海抜高度が5,789フィートで

地上高度が243フィートです。

連邦航空局(FAA)はどんなことを

聞いてくるのでしょう?

Elevation of obstacle と聞かれたら

海抜高度なので上の数字が答えになります。

または Height of obstacle なら

その障害物の地上高度のことなので

下の( )内の数字ということになりますね。

下の例は、障害物同士が近いときに

このようなシンボルになりますよ。

英語では、Group Obstruction

と呼ばれていますね。

次にこのシンボルは何に見えますか?

なんとなく形が

エッフェル塔に似てますよね。

これは障害物の地上高が

1,000フィート以上の場合のシンボルなんです。

さらに、このシンボルの頭には

雷マークのようなものが付いていますね。

これは、高輝度ライトが設置されていることを

意味しています。

さて、これらの障害物の上空を通過するとき

どれくらいの高度が必要だと思いますか?

それは、一番高い障害物の上端から

少なくとも500フィート以上の

距離が必要とされていますよ。

では、下図のような住宅密集地の場合では

どうなのでしょうか?

答えは一番高い障害物の上端から

少なくとも1,000フィートの距離を

保たなくてはいけません。

これらの数字は航空法で定められているのですが、

詳しくはもう少し先にいってから

お話しようと思います。

さて、筆記テストでは

どのような問題が出るのでしょう?

例えば、○○空港から北西に

約○○マイルの所にある障害物の

高さは次のうちどれですか?

こんな感じです。

航空図上で、きちっとその障害物を

探せるかどうかが問われる内容が多いですね。

障害物を特定できれば、あとは

海抜高度で答えるのか

地上高度で答えるだけなので

問題はないですよね。

一つやってみましょう。

ツーソン国際空港 TUCSON INTL(TUS)の

VORTAC から090°に約11マイルの位置にある

障害物の地上高度は何フィートですか?

VORTAC とは、方位や距離などの情報を

提供する航法施設の一つです。

詳しくは、航法のところでお話しますね。

この VORTAC が下図の中で見つかりましたか?

並行滑走路の長い方の手前端に

あるのですが、分かりましたか?

その VORTAC マークから

090°に11NM(Nautical Miles)です。

プロッターを使って測ってみましょう。

約11NM付近にある障害物は・・・

これですね。

この障害物の地上高度は

205フィートということになりますね。

ここで練習問題にトライ!

といきたいところなんですが、

以前にもお話しましたが、

紙面上の都合できちっとした

練習問題が提供できませんので

今回も割愛させていただきます。

ただ、今やった作業を

英文の問題にしてみると

こんな感じになります。

雰囲気だけ味わってみてください。

Q:What is the height of the obstacle

approximately 11 nautical miles

from the TUCSON VORTAC

on the 090° radial ?

やはり、練習問題を沢山こなして

慣れてほしいところなんですが、

何かいい方法を考えたいと思います。

今後の課題ですね。

はい。ということで今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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