[Electronic Navigation : 電子航法]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
VOR 等へダイレクトで向かう場合に
セットすべき OBS(Omni Bearing Selector)の
方位の出し方を例題を通して
お話しました。
VOR の Compass rose(羅針図)の
一部が欠けている Chart(航空図)を使用する際、
180° 正反対の方位を使うという考え方を
理解していただけましたか?
今回は、
VOR を使ってあなたのポジションを
割り出す方法を説明していこうと思います。
まずは、下の VOR を見てください。
OBS(Omni Bearing Selector)は
345° ですね。
CDI(Course Deviation Indicator)は
センターを指しています。
TO・FROM Indicator は
TO ですね。
つまり、上図の赤いラインのどこかに
居ますよということになります。
では、もう一度 VOR を見てください。
ここでスーパーパイロットのあなたに
質問です。
VOR が上記の表示のとき
RADIAL は?
と聞かれたら、なんて答えますか?
RADIAL は、放射状のという意味ですので
VOR からのという意味になります。
つまり、
TO で 345° なので
それを FROM にす変換するということは
180° 方向が変わります。
345 - 180 = 165
165° の RADIAL 上に居るということです。
大丈夫ですよね。
このことが理解できてしまうと
もしも、ロストポジションに
なってしまった場合も
2つの VOR を使うことで
現在位置を割り出すことが
簡単にできてしまうのです。
下の例は、
NORFOLK VORTAC から Radial 233° と
ELIZABETH VOR-DME から Radial 340° という
位置情報が VOR から得られれば
2つの Radial の交点が
あなたの現在位置だということが分かる
ということを示しています。
簡単ですよね。
ちなみに、
NORFOLK VORTAC から Radial 233° で
伸びているラインは V1 という Airway ですね。
ところで、その現在位置(交点)は
NORFOLK VORTAC から何マイルですか?
と問われたらどうしますか?
通常でしたら、
Chart(航空図)上にプロッターを合わせて
Nautical Miles のスケールで計ればOKです。
ところが、これが試験中だとしたら
提供される Chart(航空図)は
通常の縮尺ではありませんので
プロッターをそのまま使うことが
できなんですね。
でも、今から伝える方法を知っていれば
何の問題もありませんから
覚えてしまってくださいね。
筆記テストを受験する際、
問題用紙の他に計算等で自由に使える用紙も
配布されますので、
その紙切れを使うんです。
VORTAC から交点までの所に
紙に目印をつけます。
(紙の角を白抜きのドットにきっちりと合わせましょう)
次に提供された Chart(航空図)の
隅々を見渡すと距離の縮尺表があるはずです。
そこに先程の紙を合わせますよ。
(紙の角を Nautical Miles の0に合わせてください)
目印部は大体 20NM 弱という感じですね。
今度は、その紙の目印部を左にスライドさせて
10NM の位置に合わせます。
すると左半分は1NM ずつのスケールになっていますね。
紙の端は、0から数えて8目盛りと少しという所です。
約 8NM といっていいでしょう。
0から右側の 10NM と左側の約 8NM を足したものが
トータルの距離となります。
つまり、VORTAC から交点までの距離は
約 18NM ということになるのです。
これが VOR を使ったポジションの見つけ方の一つです。
何度も繰り返し読んで自分のものにしてくだい。
次回もいくつか例題を一緒に
取り組んでみた後に
練習問題にトライしていただきたいと思いますので、
今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
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