来たぜ!アメリカ!

若かりし日の須永

子供のころ描いた夢。

空を飛びたいという夢。

諦めていた夢。

色盲という壁を乗り越え

やっとたどり着いたこの場所。

 

不安も確かにある。

それは事実だ。

なんといっても初めての海外だから。

そこへ単身で乗り込む。

やはり怖くないと言えば嘘になる。

でも、それよりも遥かに大きな希望がある。

 

よっしゃ、一丁やってやるかー!

 

成田を発った機はホノルル経由でロスへ。

ロスまでは機内にも日本語が飛び交っていましたが、

そこから目的地であるアリゾナ州フェニックスまでは

当然のことながらアメリカの国内線ということになります。

 

国内線に搭乗後は、完璧に英語の世界です。

少しずつ心細くになっていく私でした。

 

フェニックス・スカイハーバー空港に到着したのは

現地時間の真夜中でした。

 

空港までは、これからお世話になる

フライトスクールの方が迎えに来てくれる手はずに

なっていました。

 

荷物を手にして到着ロビーに出て

辺りを見渡していると

一人の男性と目が合いました。

 

ブラウンのヘアに口ひげ

金縁の眼鏡をかけていた彼は

“Are you Manabu Sunaga?”

と声をかけてきたのです。

 

私:”Yes, I am Manabu.”

彼:”Welcome to America. I am John Walkap.”

 

え!ジョンてことは

なんと校長自ら迎えに来てくださったのだ。

 

車に乗ってから、彼の質問攻めを食らうわけですが、

これが早口過ぎて聞き取れないんですよ。

なんだか、ちぐはぐなやり取りが続き

最後には彼から

「これから不安だなあ・・・」という

空気感が手に取るように分かったのです。

 

それは私も同じですよ。(ため息)

 

訓練のベースとなるチャンドラー空港に

隣接したスクールまでの道のりが

とてつもなく長く感じる道中でした。

 

やっとスクールに到着。

とりあえず住む部屋が決まるまで

ここを使ってくださいということで

スクール所有のハンガー(格納庫)の

2Fの部屋に案内されました。

 

ワンベッドルームになっていて

シャワー、トイレも付いていました。

 

ジョンは、また明日ゆっくりと話しましょうと

ここで分かれました。

 

日本を発ってかれこれ十数時間。

緊張と不安の連続と時差ボケなど

様々な要因が絡み合って疲れました。

 

今日のところは眠ることにしよう。

明日からが本当のスタートだ。

おやすみなさい。

 

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