止まっていた時計が動き出す!

若かりし日の須永

治療室に入ると想像していたものとは

全く違っていました。

 

一人一人に対してドクターが治療を

施していくというのではありませんでした。

 

一度に何十人もの患者さんが

同時に治療を受けられるシステムになっていました。

 

イメージとしては学校のパソコン教室のように

それぞれの席に治療器が設置されている感じです。

 

もちろん最初は器具の取り扱いのレクチャーはあります。

しかし、とても簡単なため後はセルフで時間ごとに

ツボの位置を変えていくという感じです。

 

治療前に当然ですが色覚検査をやりました。

色盲色弱にも個人差というかランクがあり、

私は一番重度のレベルと診断されました。

 

一回の治療時間は約40分です。

 

治療中でも自分の手元には検査表が置いてあり

その検査表の見え方に変化があるかどうかも

確認しながらの治療となります。

 

10分後、検査表のひとつに何となく

うっすらと今までには見えなかった線が

浮かび上がってきたように感じました。

 

その線が段々とはっきりとしてきて

ついに二桁の数字が見えたのです。

 

まだ目を凝らさなければ認識するのは

難しいレベルではありますが、

そこに数字があるのです。

 

小学生の頃、周りの子がすらすらと読んでいた数字です。

「みんなはこれを見ていたんだあ」

あの時、分からなかった数字とひらがなが・・・

 

初診でこれほど効果が表れる人は

稀と言われるくらいの数の文字を

読めるようになったのです。

 

治療後、初めに覚えさせられた色々なものの

色を再び見せられたときの衝撃は

今でも忘れられません。

 

ほんの40分前に見たものとは全く違う色に見えるのです。

オーバーかも知れませんが、

まるでサングラスを外したような

それくらい全ての色が鮮やかなんです。

 

これが本当に色なんだ!

花が生きてると感じたのも

この時が生まれて初めてでした。

 

表に出て目に飛び込んでくる景色の

それは眩しいこと。

 

よし!俺の目は治るぞ!

そう確信した私はその後、

完治を目指して通院生活を始めたのです。

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