管制官のいない空港でのコミュニケーション手順とは?

Aviation Communications

[Aviation Communications : 航空コミュニケーション]

 

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

 

前回は、

FSS の業務内容や

無線機による交信の手順について

お話させていただきました。

 

筆記テスト対策としては

前回の内容を頭に入れてくだされば

大丈夫です。

 

実践的なことは、

実際に経験を積みながら

慣れていってくださいね。

 

 

さて、今回は、

ノン・タワー空港での

コミュニケーションについて

お話させていただきます。

 

ノン・タワー空港に着陸する際を

考えてみましょう。

 

” タワーが無い = 管制官がいない ”

 

ということは、

あなたは無線を使う必要がないのでしょうか?

 

いえいえ、

もし、そこが荒野の真ん中にある飛行場

(舗装された滑走路がないような場所)

であっても、

無線で、あなたの位置と

何をしたいのかを伝えてください。

 

誰にって?

 

その周辺には他の航空機が

いるかも知れないからです。

 

予期せず、別の機体と出合い頭に

危険な状態にならないためなんですね。

 

このように管制官がいない空港で

パイロット間で使用される周波数があります。

 

それを

COMMON  TRAFFIC  ADVISORY  FREQUENCY

(CTAF) といいます。

 

 

タワー空港であっても

24時間営業のタワーでなければ

営業時間外のときは

CTAF を使うことになります。

 

 

では、CTAF の周波数をどこで

知ることができるのかというと

Chart(航空図)です。

 

下は、パワースポットでも有名な

SEDONA 空港です。

 

空港名の下に

空港の海抜高度、滑走路の長さなどの

情報が記されていますが、

白抜きの「C」の文字が見えますか?

 

この「C」の左にある数字が

CTAF の周波数です。

SEDONA 空港の CTAF 周波数は 123.0 MHz ですね。

 

この例のように、ノン・タワー空港では

マジェンタの白抜きの「C」となっていますが、

24時間営業でないタワー空港の場合は

ブルーの白抜きの「C」で記されていますよ。

 

 

では、この CTAF 周波数にスイッチするのは

いつなんでしょうか?

 

それは、その空港まで10マイルの位置に

近づいたときからです。

 

“SEDONA traffic, Cesnna 7599R, 10 miles south for landing,

We’ll be entering left downwind runway 21, SEDONA.”

 

「セドナ・トラフィック、セスナ7599R(ロメオ)、

10マイル南 着陸のため、滑走路21のレフト・ダウンウインドに

入ります、セドナ」

 

このように自分のポジションと意向を伝えます。

 

最後に空港名のセドナをもう一度言うことで

最初の部分を聞き逃した人にも

このセスナはセドナのトラフィックに向けて

発信しているということが分かるからです。

 

ここで、「レフト・ダウンウインド」って何?って

思いましたよね。

 

空港には上から見ると長方形の

トラフィック・パターン(場周経路)

とういうのがあるんです。

 

その長方形の各辺にあたる部分を

レグといいますが、

それぞれに名前がついてますよ。

 

飛行は離陸するにも着陸するにも

向かい風で行うんですね。

 

で、使用される滑走路を

離陸後 Traffic Pattern の設定高度まで

上昇するレグをアップ・ウインド、

その後、90度方向転換されるレグを

クロス・ウインド、

滑走路と正反対の方向のレグを

ダウン・ウインド、

そこから90度方向転換したレグをベース、

最後に滑走路に接地するためのレグを

ファイナルといいます。

この例は、左回りの Traffic Pattern (トラフィック・パターン)です。

というか基本的に左回りの Traffic Pattern が多いですね。

 

それは、飛行機の機長席は左側なので

滑走路が見易いということからですね。

 

 

先程のセドナ空港に南から進入して

着陸する際は、

このような経路をたどることになりますよ。

空港まで10マイルに差し掛かったら

最初のコールです。(くり返しになりますが)

 

“SEDONA traffic, Cesnna 7599R, 10 miles south for landing,

We’ll be entering left downwind runway 21, SEDONA.”

「セドナ・トラフィック、セスナ7599R(ロメオ)、

10マイル南 着陸のため、滑走路21のレフト・ダウンウインドに

入ります、セドナ」

 

レフト・ダウンウインドに入ったら

“SEDONA traffic, Cesnna 7599R, left downwind,

runway 21, SEDONA.”

「セドナ・トラフィック、セスナ7599R(ロメオ)、

滑走路21のレフト・ダウンウインド、セドナ」

 

続いて、ベースに入ったら

“SEDONA traffic, Cesnna 7599R, left base,

runway 21, SEDONA.”

「セドナ・トラフィック、セスナ7599R(ロメオ)、

滑走路21のレフト・ベース、セドナ」

 

次に、ファイナルに入ったら

“SEDONA traffic, Cesnna 7599R, on final,

runway 21, SEDONA.”

「セドナ・トラフィック、セスナ7599R(ロメオ)、

滑走路21のファイナル、セドナ」

 

着陸後安心して忘れないように気をつけたいのが、

“SEDONA traffic, Cesnna 7599R,

clear of runway 21, SEDONA.”

「セドナ・トラフィック、セスナ7599R(ロメオ)、

滑走路21を離れた、セドナ」です。

 

自分が滑走路を出て誘導路に入った時点で

滑走路は空きましたよと周りに周知してくださいね。

 

 

 

では、セドナから離陸する場合はどうでしょう?

 

滑走路に向かう前に CTAF に周波数を合わせて

現在のトラフィック状況を見定めておきましょう。

他機がパターン内、あるいは近いエリアを

飛行中であるなら、その機体が着陸または

衝突の恐れのないエリアまで離れるまで

出発を待つ必要がありますよ。

 

 

安全が確認できたら

“SEDONA traffic, Cesnna 7599R,

straight out departure, runway 21, SEDONA.”

「セドナ・トラフィック、セスナ7599R(ロメオ)、

真っ直ぐ出て離れます、滑走路21、セドナ」

 

その後、10マイル離れた地点で

適切な周波数にスイッチしてくだい。

 

 

もう一度セドナの Chart(航空図)を

参照しながら

空港情報の復習をしてみましょう。

SEDONA:空港名

(SEZ):空港名の略・3文字で表します

AWOS:自動気象観測システム  周波数・118.525 NHz

(最新の気象情報をコンピュータの音声でくり返し放送している)

4830:空港海抜高度 単位はフィートMSL

L:滑走路にライトが設置されている

(ただし、が付いているので夜間ずっと点灯しているタイプではありません。

パイロットが遠隔で点灯操作するタイプなど色々ありますので、詳しくは

Airport Facility Directory を見てください)

51:滑走路の長さ ×100で 5,100フィートの長さということ

C:CTAF の周波数 ここでは 123.0 MHz

 

この C は、もちろん CTAF の周波数 として

使われているんですが、

UNICOM の周波数である場合もあります。

 

UNICOM とは、

ガソリン屋さんなどが運営する周波数です。

色々な情報を提供してくれますよ。

ガソリンを頼むのにもこの周波数を使います。

ガソリン屋さんにとっては、空港情報を提供して

ガソリンやその他のサービスを

パイロットの使ってもらうなどの

ビジネス源になっているようです。

 

UNICOM がある空港とそうではない空港を

どうやって見分けたらいいのかというと

Airport Facility Directory

(現在は Chart Supplement と呼ばれている)

に記載されています。

 

下は、セドナの Chart Supplement です。

コミュニケーションの個所を

拡大してみますよ。

CTAF と UNICOM が同じ周波数であることが

分かりますね。

 

 

 

 

<まとめ>

ノン・タワー空港または

営業時間の終えたタワー空港に

着陸したり、離陸する場合は

CTAF 

(COMMON  TRAFFIC  ADVISORY  FREQUENCY)

を使用する

 

CTAF は、パイロット間でそれぞれの

意向を周知するために使われる周波数である

 

最初の発信は、当該空港の10マイル地点に

差し掛かったときである

 

以後、トラフィック・パターンの

各レグでその都度ポジションと意向を

レポートする

 

CTAF と同じ周波数を使っている

UNICOM という主にガソリン屋さんなどが

使用する周波数がある

 

詳しくは

Airport Facility Directory / Chart Supplement

を参照すること

 

 

ということで、

練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q  :  (Refer to figure)

What is the recommended communication procedure

when inbound to land at Cooperstown Airport ?

 

 

A  :  Broadcast intentions when 10 miles out

on the CTAF frequency, 122.9 MHz.

 

B  :  Contact UNICOM when 10 miles out

on 122.8 MHz.

 

C  :  Circle the airport in a left turn

prior to entering traffic.

 

 

(Refer to figure)

:図を参照してくだい

What is

:何ですか?

the recommended communication procedure

:推奨されるコミュニケーション手順

when inbound to land at Cooperstown Airport

:の時 向かう 着陸のため クーパーズタウンエアポート

Broadcast intentions

:放送する 意向

when 10 miles out

:の時 10マイル地点

on the CTAF frequency, 122.9 MHz

:CTAF 周波数 122.9 MHz で

Contact UNICOM

:連絡する UNICOM

Circle the airport in a left turn

:回る 空港 左旋回で

prior to entering traffic

:の前に 入る トラフィック

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

 

はい。どうでしたか?

 

今回も説明をしっかりと読んで

いただけたえら簡単に答えられる

内容だったと思います。

 

この調子で引き続き

頑張っていきましょう!

 

ということで、

今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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