[Electronic Navigation : 電子航法]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
VOR の働きを一口で言うと
VOR からどの方角に航空機が
位置しているのかを示す機能があるという
お話をさせていただきました。
今回は、もう少し具体的に
どう位置を示してくれるのかを
説明していこうと思います。
まず、計器盤内にある
VOR レシーバーに
今から使用する VOR の周波数をセットします。
上の例では、周波数は 110.00 MHz と
いうことですね。
次に VOR indicator の各パーツについて
見ていきましょう。
小さな画像を拡大したら
ピンぼけになってしまいました。
見難いですがお許しください。
まず、適切な周波数をセットすると
CDI(Course Deviation Indicator・コース逸脱指示器)ニードルが
左右どちらかに触れると思います。
次に、OBS(Omni Bearing Selector・全方位選択器)ノブを
回転させた分、
外側の Compass Rose(羅針図)も回転するのです。
回していくうちに CDI ニードルが
真っ直ぐ立つ位置があるので
その位置で OBS の調整は止めますよ。
その時、TO/FROM 表示が
△ TO なのか
▽ FROM なのかを確認します。
ちなみに例に挙げた図は
△ なので TO という意味です。
これらのことをまとめると
あなたの航空機は・・・
選択した VOR に向かって(TO)
磁方位 345° の直線を引いたとしましょう。
あなたは、その直線上(赤い矢印)のどこかに居る
ということになるんです。
仮に、▽ FROM の表示だったとしたら
あなたは、緑の矢印上のどこかに居る
ということですね。
で、もし、選択したステーション局が
VOR-DME ならステーション局までの距離と
到着時間までわかりますので、
ライン上のどこに居るというところまで
分かるんです。
では、英文フレーズいってみましょう。
TO USE A VOR
・Tune frequency on navigation receiver
・Set radial (OBS)
・Observe TO-FROM indicator
・Observe (CDI) needle
TO USE A VOR
:VORを使うこと
Tune frequency on navigation receiver
:同調する 周波数 航法受信機
Set radial (OBS)
:セットする方位
Observe TO-FROM indicator
:観察する TO-FROM 指示
Observe (CDI) needle
:観察する CDI ニードル
では、今回一番覚えて欲しい図を紹介しますよ。
これさえ、頭に入ってしまえば
VOR をほとんど理解できたと言えるほど
重要でしかも役立つものですので、
しっかりと覚えちゃってくださいね。
VOR を中心に直角に交わる縦と横の線を
描くと四つのエリアに分けられましたね。
縦の線の上部に矢印と先端に OBS とつけてください。
それから、各エリアに VOR の略図を描いてみましょう。
次に、CDI ニードルに注目してください。
選択した磁方位コース(OBS)より右側の VOR 表示は
どちらもニードルは左に振れています。
これは、選択した磁方位コースは
現在地よりも左にありますよと
VOR が教えてくれているんですね。
逆にコースよりも左にずれていたら
コースはもっと右だよと
ニードルが伝えてくるわけなんです。
オンコースならニードルは真ん中に
落ち着きますよ。
TO と FROM の関係もこの図を見れば
すんなりと理解できますよね。
VOR に向かっていくコースが TO で
VOR から離れていくコースが FROM です。
この4つのパターンを覚えてしまえば
あなたの機体が VOR に対して
どのエリアに居るのかが分かるということが
理解できたと思います。
上の図が頭に入っていると
こんなに役立つという例を一つ挙げてみますね。
上は ZUNI VORTAC です。
この VORTAC に対して磁方位 030° で
飛行しているとします。
先ほどの図をイメージの中で重ねてみますよ。
OBS は 030° です。
VOR の CDI ニードルの振れ具合によって
自分の居るエリアが特定されるのです。
とりあえず、今回はここまでの内容を
しっかりと整理して覚えてしまってください。
筆記テストでは、どのような問題が
出題されるのかは次回にお伝えしようと思います。
それまでに何度も読み返しておいてくださいね。
ということで、今回の練習問題は
お休みとなります。
次回のお楽しみということで、
今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
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