[Weight & Balance : 重量と重心位置]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Weight & Balance の原理
についてお話させていただきました。
基本となる Datum line と
Arm の関係性はバッチリ
覚えていただけましたか?
今回は、
Weight & Balance の公式
ということで、
やや複雑な条件下での
計算練習をしたいと思います。
Weight & Balance の公式
前回の計算式を覚えたあなたは、
既にこれらのことが
求められるようになっている
ということですよ。
これらの公式に関して
筆記テストで問われるであろうこと
について例題を解きながら
マスターしてしまいましょう。
例題1)
下の図のように
X・Y・Zの3つがシーソー上に
配置されています。
Fulcrum (支点) が Datum line になっているので
支点より左をマイナスと考えて
右側をプラスとします。
Datum line から −50インチのところに
50ポンドのXがあります。
Datum line から −25インチのところに
あるYの重量は不明です。
反対側の +100インチの箇所に
100ポンドのZが有ります。
この条件において
重量が不明なYを
どれくらいの重量にすると
このシーソーは釣り合うのか?
と問われるかも知れません。
まず、分かっているものをまとめてみましょう。
Item Weight × Arm = Moment
X 50 × −50 = −2,500
Y ? × −25 = ?
Z 100 × 100 = +10,000
Total ? +7,500
私たちが分からないのは
Yの重量とYのモーメントです。
分かっている範囲で
=の右側の
トータルモーメントは +7,500です。
このままではバランスは取れません。
トータルバランスが
±0でないと釣り合いが取れませんよね。
そこで必要となるのは、
残された枠のYのモーメントを
-7,500にすることです。
Yの Arm は −25と分かっていますから
Moment (-7,500) を
Arm (-25) で割れば
Weight が求められますよね。
Yの重量は 300ポンドと
割り出されました。
一番最初の式に当てはめてみましょう。
Item Weight × Arm = Moment
X 50 × −50 = −2,500
Y 300 × −25 = -7,500
Z 100 × 100 = +10,000
Total 450 ±0
トータルモーメントは
±0となりバランスが取れましたね。
ということで、この問題の答えは
Yの重量を 300ポンドにするです。
例題2)
もう一つ違う例題を解いてみましょう。
まず、CGから左右に 45インチの
長さの Plank (厚板) があります。
厚板自体の重量が 200ポンドあります。
それから
Datum line は
CGから左に15インチのところにありますよ。
ここまで大丈夫ですか?
次に
Datum line から左に15インチのところに
500ポンドの重量がかかっています。
さらに
Datum line から右に20インチのところに
250ポンドの重量がかかっていますよ。
では、
「この条件において、トータルバランスを釣り合わせるために500ポンドのアイテムをどの位置に持って行けばいいですか?」
と問われた場合、
どのように考えればいいのでしょうか。
では、また公式にまとめてみましょう。
Item Weight × Arm = Moment
500 lbs. 500 × −15 = −7,500
250 lbs. 250 × +20 = +5,000
Plank 200 × +15 = +3,000
Total 950 +500
アイテム 500ポンドの
Arm は −15なので
モーメントは −7,500です。
アイテム 250ポンドの
Arm は +20なので
モーメントは +5,000となります。
Plank (厚板) の重量は 200ポンドで
支点で厚板自体の重さを支えています。
Arm は +15となるので、
モーメントは +3,000ですね。
トータルのモーメントは +500です。
よって
このトータルモーメント +500と
釣り合わせるのに必要なのは
−500のモーメントです。
現状から -500のモーメントを
加えるためにアイテム500ポンドの
適切な Arm を求めたいわけです。
釣り合わせるためには
−500のモーメントが必要
というところまで分かりましたね。
ここまで来ればあとは計算式に入れるだけです。
必要となる Arm は -1インチです。
ということは、
アイテム500ポンドの位置を
現ポジションから左に1インチ移動
させることが必要となります。
つまり、Armで表すと
−16インチの位置となります。
Datum line から
左に16インチのところに置いたら
全てのバランスが釣り合うということです。
公式に当てはめてみましょう。
Item Weight × Arm = Moment
500 lbs. 500 × −16 = −8,000
250 lbs. 250 × +20 = +5,000
Plank 200 × +15 = +3,000
Total 950 ±0
トータルモーメントは
±0になりましたね。
これで確かにバランスが
取れたことになりました。
少し複雑な考え方が必要な
問題ではありますが、
落ち着いて取り組めば
FAAの罠にかかることはありません。
あなたにはそれだけの知識は
既にあるのですから
自信を持っていきましょう。
では、このまま練習問題に挑戦しちゃいましょう。
練習問題にトライしてみよう!
Q1 : (Refer to figure) If 50 pounds of weight is located at point X and 100 pounds at point Z, how much weight must be located at point Y to balance the plank?
A : 30 pounds.
B : 50 pounds.
C : 300 pounds.
(Refer to figure)
:図を参照してください
If 50 pounds of weight is located at point X and 100 pounds at point Z,
:もし50ポンドの重量がX点にあり、100ポンドの重量がZ点にある場合
how much weight must be located at point Y to balance the plank?
:どれくらい重量を置く必要があるのか Y点に 厚板のバランスを取るために
30 pounds.
:30ポンド
50 pounds.
:50ポンド
300 pounds.
:300ポンド
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この問題は本文中の例題と全く同じですので
解説は割愛させていただきます。
英文での表現を感じてください。
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Q2 : (Refer to figure) How should the 500-pound weight be shifted to balance the plank on the fulcrum?
A : 1 inch to the left.
B : 1 inch to the right.
C : 4.5 inches to the right.
(Refer to figure)
:図を参照してください
How should the 500-pound weight be shifted
:どのように 500ポンドの重量はシフトされるべきですか
to balance the plank on the fulcrum?
:バランスを取るために 支点の厚板の
1 inch to the left.
:1インチ左へ
1 inch to the right.
:1インチ右へ
4.5 inches to the right.
:4.5インチ右へ
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・
この問題は本文中の例題と全く同じですので
解説は割愛させていただきます。
英文での表現を感じてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q3 : Center of gravity can be found by
A : multiplying weight times arm.
B : dividing total weight by total moment.
C : dividing total moment by total weight.
Center of gravity can be found by
:重心は・・・によって得られる
multiplying weight times arm.
:重量×アームの掛け算
dividing total weight by total moment.
:総重量÷総モーメントの割り算
dividing total moment by total weight.
:総モーメント÷総重量の割り算
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自力で回答してから音声を聞いてください。
あとがき
はい。どうでしたか?
問題によっては
一筋縄ではいかないものも
あったと思いますが、
焦ることなく公式を上手く利用して
分かっているものと
分からないものを明確にして、
求めるべき値を導き出すように
臨みましょう。
ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただきまして
ありがとうございます!
ではまた!
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