そもそも飛行機はなぜ浮くの?

[Aerodynamics:空気力学]

こんにちは! 須永です!

お仕事お疲れさまです。

あなたの空を飛びたいという夢

応援しています!

やはりパイロットにとって

ファーストソロ(初単独飛行)ほど

感激的なことはありません。

もう30年近く前のことになりますが、

私も昨日のことのように覚えています。

飛行訓練が始まると基本的な科目を

くり返しくり返し練習していくのですが、

とにかく初めはタッチ&ゴーを何度も

やった記憶が残っています。

離陸は意外に簡単なんですね。

滑走路に入ったら機体をセンターラインに合わせ

スロットルを全開

機体は徐々に加速しながら

滑走していきます。

滑走中はラダーペダルでセンターラインから

外れないようにコントロールをして

離陸速度に達したら操縦桿を引いてあげれば

空中に浮いてくれます。

大変なのは着陸です。

これができないことには

ファースソロの許可はもらえません。

そりゃそうですよね!?

安全に着陸できる技量がない者に

GOサインが出るわけがありません。

待っているのは大参事ですから。

私はとにかく接地するときに

「ドーン!」てのが多かったですね。

なかなか優しく接地できませんでした。

インストラクターのビルの

「もっと遠くを見なさい」の言葉に

コツをつかむことができました。

今まで手前を見過ぎていたんですね。

そこで、滑走路の末端くらいに

目線を合わせるようにしてから

スムーズな接地ができようになってきたのです。

なんとなく掴めてきたぞと思っていたら

彼から信じられない言葉が・・・

「じゃ、次は一人で行ってきて!」

マジか!? もう少し練習してからじゃなくていいの?

と思っていると、ビルはさっさと降りてしまいました。

うわ! これはやるっきゃないな。

これまで通りの手順で離陸・・・

練習機は2人乗りのパイパー・トマホークでした。

さすが小型機、1人降りただけで

上昇率が今までとは全く違いビビりましたが、

うおー!

今、俺がこの俺がこの飛行機を

飛ばしてるんだと思いながら

眼下に広がる風景を目にしたとき

天下取っちゃったくらいの

大きな気持ちになりましたよ。

恥ずかしいんですけど。

いやー、でも最高の気分でしたね。

この気分をあなたにも

早く味わっていただきたいと思います。

では、今日も航空力学について

お話ししていきますので

よろしくお願いします!

今日の単語

Bernoulli’s Principles  :  ベルヌーイの定理

Airfoil                              :  翼

Lower Pressure             : より低い気圧

Surface                            : 表面

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そもそも飛行機は何で空中に浮かぶのか?

少し小難しい話になりますが、

お付き合いくださいね。

スイスの数学・物理学者

ダニエル・ベルヌーイ(1700~1782)

「空気や水の流れが速くなると、

その速くなった部分は圧力が低くなる。

早く流れるほど圧力は下がる」

というベルヌーイの定理は

今日の流体力学の基礎を築きました。

下の図1はベンチュリ管といいます。

空気が左の太い方から入って右の細い方へ

流れているとします。

図1

先のベルヌーイの定理によって

太い部分を流れる空気よりも

細い部分を流れる空気の方が速度は

早くなります。

その速くなった部分は圧力が低くなります。

図1は空気が流れているので

気圧という言葉を使いますね。

つまり、太い部分と細い部分の間に

気圧差が生じます。

よって、下部のU字管にある液体は

気圧の高い方から低い方へ押され

図1のような位置になるということです。

図2のような断面の管を空気が通過する場合も

細い部分の流れは速くなり気圧は低くなります。

図2

上の図を上下を分解したのが図3になりますが、

翼の断面と考えてください。

図3

左から流れてきた空気は翼の前縁で

上下に分かれて後縁に流れていくのですが、

上表面を流れる空気は下表面を流れる空気よりも

長い距離を移動しなければなりません。

つまり、上表面の空気の移動の方が

下表面のそれよりも速いのです。

よって、上表面の方が気圧は低くなります。

翼の上表面と下表面の気圧差によって

揚力が発生するために

飛行機は空中に浮かんでくれるということです。

ちょっと面倒くさい話でしたね。

飛行機が飛ぶ原理を簡単にいうと

地上滑走して前進することで

翼に空気の流れが与えられます。

翼の上側を通る空気は下側よりも

速く流れます。

そのことで上側の気圧が下がります。

気圧の高い下側から低い上側に

押し上げようとする力(揚力)が生まれて

機体は空中に浮き上がるわけなんですね。

気圧差で浮くということを

しっかりと押さえておいてくださいね。

・・・・・

さあ、練習問題にトライしてみましょう!

Which statement relates to Bernoulli’s principle ?

A :  For every action there is an equal and opposite reaction.

B :  An additional upward force is generated as

the lower surface of the wing deflects air downward.

C :  Air traveling faster over the curved upper surface

of an airfoil causes lower pressure on the top surface.

ベルヌーイの定理について述べられているのはどれですか?

ってことですね。

正解は?

Cです。

どうでしたか?

ちょっと難しかったですか?

それとも楽勝でしたか?

難しかったというあなた、

決して分からなかったわけではありませんよ。

英文に慣れていないだけです。

知らない単語があったというだけです。

日本語で内容は理解しているあなたに

求められるのは

その日本語と英単語を合致させることだけです。

分からない単語が出てきたら

少しずつでもいいので覚えていってください。

これだけはご本人でやっていただくしかないのです。

当然ですが、飛行において無線通信は英語なのです。

憧れの空を飛ぶためには必要最低限の英語が要るのです。

頑張っていきましょう!

あなたならできます!

ということで今日はここまで。

最後まで読んでくださって

ありがとうございます!

ではまた!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする