[Weather Minimums : 気象限界]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Flying Around Washing D.C.
についてお話させていただきました。
アメリカ合衆国内で
一番規制が厳しい空域の
ワシントンD.C. 周辺を
飛行するためには
たくさんの準備が必要であることを
知っていただけましたか?
今回からは、気象限界についてのお話となります。
WEATHER MINIMUMS (気象限界)
今まで色々な Airspace について
説明してきましたが、
なぜ?
いくつもの Airspace に区切る
必要があるのかというと・・・
全ては IFR機と VFR機の接近・衝突を
回避するために
それぞれの Airspace で適切な
セパレーションを行うためなんですね。
そもそも2者は全く違う方式で
飛んでいるわけです。
IFR(計器飛行方式)は
その名の通り計器を頼りに飛んでいます。
雲の中に入ってしまって
外が見えなくても
安全に飛行できるように
航空管制に守られながら運航しています。
対して、VFR(有視界飛行方式)は
読んで字のごとく、
パイロットが外の景色や目印を確認しながら
かつ他の航空機の接近を監視しながらの
飛行となっています。
パイロットの目だけが頼りなんです。
VFR機が飛んでいるすぐ近くの
雲の中をIFR機が飛んでいるかも
知れないのです。
そう考えると、
むやみに雲に近づくことは
危険だということが分かりますよね。
目の前の雲から突然
別の飛行機が飛び出して来たら
避けられませんよね。
ということで、
VFR(有視界飛行方式)での
運航に対して
他機との遭遇時において
安全に衝突を回避できる
距離を確保するために
Weather Minimums(気象限界)
が規定されているわけなんです。
これらの限界値は
視程:どれくらい先まで見渡せるかの値
と
雲からのどれくらいの距離を保つのかの
2つの値が決められているのです。
それらを一つの表にまとめると
下のようになりますよ。
それぞれのエリアごとに
見ていくことにしましょう。
今回、メインで覚えていただくのは
10,000’ MSL(海抜高度)以上のエリアです。
まず、念のために触れておきますが
18,000’ MSL(海抜高度)以上の高度は
クラス A(Alfa)ですよね。
この Airspace は、
どんな特徴がありますか?
覚えていますか?
はい。
全て IFR(計器飛行方式)によって
運航されているんですよね。
従って、VFR(有視界飛行方式)では
飛べませんので
18,000’ MSL(海抜高度)以上は
気象限界はありませんから
考えなくても大丈夫ですよ。
では、10,000’ MSL(海抜高度)以上
18,000’ MSL(海抜高度)未満の
エリアについて見ていきましょう。
このエリアの特徴は・・・
スピードリミットがありません。
そのため、ほとんどの航空機は
高速で飛行しているんですね。
より高速で飛行している
航空機から安全な距離を
確保するために
視程距離も雲からの距離も
長い距離が必要になるんです。
更に、このエリアでは、
管制されている Airspace 又は
管制されていない Airspace に
関わらず一律に
視程と雲からの距離が
定められています。
もう一度表を見てみましょう。
高度10,000’ MSL(海抜高度)以上
18,000’ MSL(海抜高度)未満のエリアでは
視程:5miles
雲から上:1,000’
雲から下:1,000’
雲から水平に:1mile
上記が最低距離となっています。
つまり、
視程が5miles 未満の場合は
飛ぶことができません。
雲からの距離も
上・下・水平方向に
定められた距離以上を保たなければ
いけないのです。
視程に関しては
今後いかなる場面で登場してきても
単位は Statute miles
で表すということだけ
しっかりと覚えておいてくださいね。
MINIMUM VISIBILITY
5 statute miles
MINIMUM VISIBILITY:最小視程
5 statute miles:5マイル(陸里)
因みに、
1マイルは
statute mile(陸里)約1,609 メートル
nautical mile(海里)約1,852 メートル
です。
同じマイルでも2種類あるなんて
日本人にとっては頭がこんがらがりますよね。
慣れるしかないですね。
ということで、
練習問題にトライしてみましょう!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q:During operations at altitudes
of more than 1,200 feet AGL
and at or above 10,000 feet MSL,
the minimum distance above clouds requirement
for VFR flight is
A : 500 feet.
B : 1,000 feet.
C : 1,500 feet.
During operations:の間 運航
at altitudes:高度で
of more than:より上の
1,200 feet AGL:1,200フィート(地上高度)
and:且つ
at or above:以上
10,000 feet MSL:10,000フィート(海抜高度)
the minimum distance:最小距離
above clouds requirement:の上 雲 必要条件
for VFR flight is:のため VFRフライト は
・
・
・
自力で答えを導き出してから
音声を聞いてください。
はい。
どうでしたか?
今回は、理屈抜きで
暗記するだけの問題でしたね。
エリアごとにまとめた表を
書き写すか
自分なりに分かりやすいように
まとめ直して
いつも目の届く場所に
貼っておくようにしておくと
すぐ覚えられると思いますので
工夫してみてくださいね。
ということで今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
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