[Aerodynamics:空気力学]
こんにちは!
パイロット免許への水先案内人・須永です!
あと一週間で4月だというのに
朝晩はまだ寒いですね。
須永は群馬県在住なんですね。
都道府県別魅力度ランキング
2016年は45位だったとか。
相変わらず低空飛行の群馬ですねー。
その群馬にある
赤城山って聞いたことありますか?
県内に上毛三山と呼ばれる
赤城山・榛名山・妙義山があるんですよ。
冬場は「からっ風」という
赤城山から吹き下ろされる強風が半端ないんです。
自転車で通学する中高生たちは
風上に向かってチャリを漕ぐのって
めちゃめちゃ大変なんですよ。
部活やってる子はチャリ通学だけで
結構なトレーニングになっちゃったりするんです。
日本の北から湿った寒気が入ってきて
峠の山にぶつかって日本海側に雪を降らせ
水分の無くなった乾いた空気が
からっ風となり吹き下ろしてくるんです。
今シーズンは例年にないくらい
からっ風が強いと思います。
それだけ乾燥しているせいか、
この冬は朝方に車のフロントガラスが
霜で真っ白ということが
ほとんどありませんでしたね。
朝の忙しい時間帯に霜取り作業って
イライラしたりするんですけど、
今年についてはラッキーでした。
さて、この霜が今日のテーマです。
車に霜が降りることは誰でも
容易に想像がつくと思います。
まあ、ガレージに入っているのであれば別ですけどね。
同じように外に駐機している飛行機は
冬の朝、翼に霜が降りていることがあるんですよ。
私もアリゾナで訓練していたときに
そういう状態を何度か見たことがあります。
ここで質問です。
ある朝、出かけようとあなたは車に向かいます。
すると車のフロントガラスが
霜で真っ白になっていました。
あなたはどうしますか?
はい。
普通に霜取りしますよね!?
まさか、そのまま出かけるようなことは
しませんよね!?
目隠しで走るようなもんで
危険極まりないですよね!?
[小型機の画像がなくて申し訳ないですm(__)m]
飛行機も同じように
飛ぶ前には
霜取りが必要なんです。
いや、別にウインドシールドが
クリアで前方が見渡せればいいじゃん。
そう思ってませんか?
※飛行機ではフロントガラスではなく
ウインドシールド(風防)という。
まあ、最初の記事から
読み続けてきてくれたあなたなら
そんなことはないですよね?
Aerodynamics(航空力学)について
お伝えしているわけです。
車の運転でいうと影響されるのが視界。
飛行機では翼を流れる気流が影響を受けます。
霜は、翼をスムーズに流れる気流を乱し
揚力性能を減少させてしまうのです。
どいうことかというと
Stall(ストール)に陥る速度が
速くなってしまうのです。
速度計では失速しないはずのスピードを
示しているのにも関わらず
実は、翼は既にストールしてしまっている。
なんてことが起こってしまうんですよ!
飛行前点検 Preflight Check(プリフライト・チェック)で
翼上の霜を見つけたら、
必ず霜を取り除かなくてはいけません。
命にかかわりますので肝に銘じてくださいね。
また、霜をつけたまま離陸を試みた場合
通常の離陸速度では機体は浮かないこともあり得ます。
さっきの話とほぼ同じことですが、
通常の離陸速度を速度計では示しているものの
霜の影響でその翼が十分な揚力を
発生していないということです。
例えば、
離陸速度55ノットの機体があったとします。
通常では離陸滑走を始めて
55ノットに達したら操縦桿を引きます。
すると機体は陸を離れていくわけですね。
でも、霜が原因で通常の離陸速度で揚力が
得られなくなった状態だと、
「よし!55ノット!ローテーション!」
「・・・?」
「あれ?上がらない!」
滑走路の長さが十分であれば
そのまま離陸滑走をつづけて
60ノットで再トライしたら
飛び立つことは可能かも知れません。
(危険なのでやってはダメですよ!)
でも、55ノットで浮かないということは
異常事態ですから
直ぐに離陸断念の判断をすることが正解です。
上がったものは降ろさなければなりません。
異状を抱えての着陸はリスクが高いんです。
まあ、霜を載せたまま
飛び立つような
バカなパイロットには
ならないでくださいね。
では、練習問題にトライしてみましょう!
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Q : How will frost on the wings of an airplane
ハウ ウィル フロスト オン ザ ウイングズ オブ アン エアプレーン
affect takeoff performance ?
アフェクト テイクオフ パフォーマンス
A : Frost will disrupts the smooth flow of air
フロスト ウィル ディスラプツ ザ スムース フロー オブ エア
over the wing, adversely affect its lifting capability.
オーバー ザ ウイング アドバセリー アフェクト イッツ リフティング キャパビリティ
B : Frost will change the camber of the wing,
フロスト ウィル チェンジ ザ キャンバー オブ ザ ウイング
increasing its lifting capability.
インクリーシング イッツ リフティング キャパビリティ
C : Frost will cause the airplane to become airborne
フロスト ウィル コーズ ザ エアプレーントゥ ビカム エアボーン
with a higher angle of attack, decreasing the stall speed.
ウィズアハイアーアングル・オブ・アタックディクリーシングザストールスピード
問:飛行機の翼の霜は離陸性能にどんな影響を及ぼすのか?
A:霜は翼の上の滑らかな気流を壊して逆に揚力性能に影響を与える
B:霜は翼の上反りを変えて揚力性能を高める
C:霜は離陸時の迎え角が大きくなったりストール速度が下がる原因となる
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正解は Aです。
航空力学と漢字で書くと
なんだか凄く難しそうに思えますが、
プライベートパイロットのテストで
求められるのは
今までやってきたようなことです。
全然いけますよね?
まだこの分野については学ぶことが
たくさんありますが、
力学だけだはありません。
もっと全体的に捉えてほしいので
一旦力学を離れて
次回から別の分野に入っていこうと思います。
全体像を掴むってとても大事なんです。
パイロットに求められる資質は
ズバリ「ながら族」なんですよ。
ひとつのことに集中し過ぎて
他のことに気づけないというのは
マズいんです。
いろんなことに目配り耳配りして
危険を察知する能力を求められるのです。
ある意味、臆病と言われる勇気を持てる人間が
セーフティパイロットとして
一目置かれるようになるのではないかと
私は思っています。
ということで、次回からは
飛行機の装備品である各種計器について
学んでいきましょう!
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
コメント
いつも楽しく拝見させて頂いております。相談があり、このメッセージをご覧になったらメール頂けると幸いです!