[Airspace:空域]
こんにちは!
パイロット免許への水先案内人・須永です!
前回は、空域クラスC(Charlie) の
横と縦のサイズについてお話させていただきました。
横(水平方向)の範囲は様々な形があるということで、
まずは、スタンダードな形とサイズの説明でしたが、
頭に残っていますか?
Inner Circle と Outer Circle
更に、Procedural Outer Area
から構成されていましたね。
Inner Circle は地表から 4,000 feet AGL までの空間で
Outer Circle は1,200 feet AGL から 4,000 feet AGL
までの空間です。
このスタンダードな形とサイズのクラスC(Charlie)は
ウエディングケーキを逆さにしたような形の
空域ということがイメージできていれば大丈夫ですよ。
さて、今回はこのクラスC(Charlie)の
Airspace(空域)を飛行するために
必須の機器についてのお話となります。
CLASS C AIRSPACE EQUIPMENT
いきなり質問しますけど、
どんな機器が必要だと思いますか?
ひとつはすぐ答えて欲しいものなんですが・・・
はい。その通り!
ひとつは、無線通信機ですね。
クラスD(Delta)から管制官との交信が
必要となりますから、
当然クラスC(Charlie) も必須アイテムですね。
クラスC(Charlie)に進入するために
クリアランス(許可)は必要ではありません。
しかし、クラスC(Charlie)に進入するには
前もってアプローチ・コントロールとの無線による
交信が確立されていなければならないのです。
本日最初の英文フレーズにいってみましょう!
TWO-WAY COMMUNICATIONS ESTABLISHED
Controller reads back full N number
TWO-WAY COMMUNICATIONS ESTABLISHED
:送受信 コミュニケーション 確立される
Controller reads back full N number
:管制官 復唱する フル登録番号
クラスC(Charlie) 内の空港に着陸
またはそのAirspace(空域)を通過するために
接近していく途中で
Procedural Outer Area に入ってから
アプローチ・コントロールに
ファースト・コンタクトを試みるわけですね。
その際、あなたの送信に対して管制官から
あなたの操縦している機体の登録番号が
しっかりと復唱された時点で
相互の交信が確立されたことになります。
しかし、もしも、管制官から
「Cessna1234 Stanby(スタンバイ)」と
言われたなら、
あなたはクラスC(Charlie)の外で
待機しなければなりません。
クラスC(Charlie)のAirspace(空域)は
そもそも非常に忙しいのです。
IFR(計器飛行方式)で飛んでいる機体の
レーダー誘導で混雑しているのです。
そこにVFR(有視界飛行)の私たちが
入っていくのですから
「ちょっと待ってください」ということは
結構あるんですね。
先程も述べましたが、航空法上は
クラスC(Charlie)に進入するために
クリアランス(許可)は必要ではありません。
しかし、管制官にスタンバイと言われた場合は
クラスC(Charlie)の外側で待機しなければなりませんよ。
次に、クラスC(Charlie)内の第2空港から
離陸をする場合は、地上にいるときから
アプローチ・コントロールとコンタクトを
取っておく必要があります。
もし、それが無理な場合は
離陸後できるだけ早くコンタクトを
とらなければいけません。
クラスC(Charlie)内の主要空港ではなく
第2空港からの場合の一例。
では、2つ目の英文フレーズですよ。
TO TAKEOFF FROM SECONDARY AIRPORT
Establish comm. on the ground
If not able, then as soon as practicable
TO TAKEOFF:離陸するため
FROM SECONDARY AIRPORT:から 第2空港
Establish comm. :確立させる コミュニケーション
on the ground:地上で
If not able:もしできないなら
then as soon as practicable:それなら できるだけ速やかに
さあ、無線通信機の他には何が必要でしょう?
クラスC(Charlie) の Airspace(空域)は
とても混雑しているんでしたよね。
そのほとんどが定期便などの航空機で
IFR(計器飛行方式)で飛んでいるんです。
なので、航空機同士が衝突しないように
レーダーによって管制されているんです。
そのレーダー・サービスを受けるために必要な機器が
Transponder(トランスポンダー)というものなんですね。
TRANSmitter(送信機)と
resPONDER(応答機)を
組み合わせた造語なんですよ。
この装置はレーダー信号を受信すると
それに反応して情報を含んだ信号を発信します。
その信号を今度はレーダー側が受信して
より詳しい情報を管制官に
伝えられることになるんですね。
では、今日の英文フレーズ3つ目です。
REQUIRED FOR CLASS C
Two-way radio
Mode C transponder / altitude encoding
REQUIRED FOR CLASS C:必須の のため クラスC
Two-way radio:送受信兼用の無線機
Mode C transponder:モードC トランスポンダー
※「モードC」は高度計と連動している機能を備えているタイプ
altitude encoding:高度 コード化する
レーダーは基本的に電波を出して
その電波が物体に反射して帰ってきた電波を受信して、
航空機の存在を判断するものなんですね。
しかし、多くの機体があると
区別ができなくなってしまいます。
それらを一機ずつきちんと区別するために
トランスポンダーが搭載されるわけなんです。
下はトランスポンダーの一例です。
中央に「1200」と4桁の数字がありますよね。
0~7までの数字を使って
4桁の数値をセットするんですけど、
0~7ということは8つの選択肢があります。
それが4桁ということは、
8×8×8×8=4,096 通りの信号を
作れるということなんですね。
なので、
4096 Cord Transponder
と呼ばれることもありますよ。
レーダー・サービスが行われる機体に対して
管制官から4桁の数値が指定されるので
その通りに入力してくだいね。
4桁の数値をSquawk(スクォーク)と呼びます。
管制官:「Cessna1234 Squawk(スクォーク)2152」
と言われたら
パイロット:「Cessna1234 Squawk(スクォーク)2152」
とリードバック(Read Back・復唱)して
トランスポンダーに2152のコードを入力します。
管制官:「Cessna1234 レーダー・コンタクト(Radar Contact)」
と帰ってきたら、
あなたの機体はレーダー上で認識されたということです。
引き続き管制官の指示に従って飛行してください。
Mode C のトランスポンダーであると
管制官のモニター内に
全ての航空機の高度も表示されるので
より安全にセパレーションできるということなんです。
では、おさらいです。
クラスC(Charlie)の Airspace(空域)を
飛行するために必要なことは
管制官との無線交信です。
なので、まず必要とされるものは
Two-way radio
ですね。
それから、クラスC(Charlie)の Airspace(空域)は
レーダー・サービスを行っているので
そのレーダー・サービスを受けるために
必要とされる機器が
Mode C Transponder
ということですね。
クラスC(Charlie)内の主要空港以外の
空港から離陸する場合は
離陸前からアプローチ・コントロールと
コンタクトを取る必要があります。
それが無理ならば、
離陸後できるだけ早くコンタクトを取る
ということですね。
では、練習問題にトライしてみましょう!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q:What minimum radio equipment
is required for operation within class C airspace?
A : Two-way radio communications equipment
and a 4096-code transponder.
B : Two-way radio communications equipment,
a 4096-code transponder and DME.
C : Two-way radio communications equipment,
a 4096-code transponder and an encoding altimeter.
What:何
minimum radio equipment:最低限の無線機器
is required:必要とされる
for operation:のため 運行
within class C airspace:の中 クラスC エアスペース
Two-way radio communications equipment:送受信無線通信機
4096-code transponder:4096コードのトランスポンダー
DME:距離計測機
encoding altimeter:コード化する高度計
・
・
・
自力で答えを導き出してから
音声を聞いてください。
はい。どうでしたか?
少し応用問題的な内容でしたね。
でも、あなたならしっかりと正解できたと
思っていますよ。
もし、間違ってしまったとしても
くり返し内容を読んでいただければ
必ずクリアできるはずです。
大丈夫ですよ。
一歩一歩進んでいきましょう!
腑に落ちない点がありましたら
何でも構いませんので
お気軽に質問してくだいね。
大歓迎ですよ。
はい。ということで今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
コメント
「離陸前からアプローチ・コントロールとコンタクトを取る必要があります。それが無理ならば、離陸後できるだけ早くコンタクトを取るということですね。」というのはつまり,離陸前のコンタクトは必須ではないということですか??