空域クラスDの範囲を知っていますか?

Airspace

[Airspace:空域]

 

こんにちは!

パイロット免許への水先案内人・須永です!

 

 

前回は空域クラスE(ECHO・エコー)の

範囲についてお話させていただきました。

 

横と縦の範囲を知ることでクラスEの空域を

立体的にイメージすることができましたか?

 

今回はEから一つ上がって

クラスDの範囲について説明していきますね。

 

Airspace Class       Memory Aid

————————————

A                          Altitude

B          Big

C          Crowded

D              Dialogue

E          Elsewhere

G          Go for it

 

 

下の図はユマ国際空港です。

この空港は軍民共用の空港なんですね。

 

空港名を見てみると

YUMA MCAS / YUMA INTL となっています。

ユマ海兵隊航空基地と共用の

国際空港ということですね。

 

空港を囲むようにブルーの破線サークル

あるのですが、確認できますか?

 

この破線内がクラスDの範囲となります。

 

たまたまユマ空港のクラスDの境界線は

綺麗なサークルになっています。

 

実は、クラスDの境界線はそれぞれの

空港の立地や運用面など

色々な条件を考慮して様々な形をしているんです。

例えば、上図はフラッグスタッフ空港ですが、

滑走路とほぼ平行なラインで北西部は

スパッと切られた形になっていますね。

その代わりに南東部は出っ張った形ですよね。

 

このように横のサイズは

大きさも形も決まっていないんですよ。

英文で表すと次のようになりますよ。

 

LATERAL  DIMENSIONS  CLASS D

Based on instrument procedures

established for the airspace

 

LATERAL  DIMENSIONS  CLASS D:横の寸法 クラスD

Based on:に基づく

instrument procedures established:計器飛行の手順 確立された

for the airspace:その空域で

 

 

ただ、一応スタンダードな規定というのはあって、

それを CORE AREA(コア・エリア) と呼んでいます。

 

CORE AREA は半径 5SM(4.4NM) のサークルです。

SM:Statute Miles (陸里)

NM:Nautical Miles (海里)

 

 

クラスDの Memory Aid を見ると

Dialogue (対話) とありますね。

 

このクラスDから管制官との

対話(交信)が必要になってきますよ。

 

ユマ空港もフラッグスタッフ空港も

空港のシンボルマークはブルーですね?

 

つまり、コントロール・タワー(管制塔)

あるということですよね。

 

このことからも

この空域クラスD内の飛行では、

管制官との交信が必要なんだということが

分かりますね。

 

 

さて、このクラスDの横の形(範囲)は

分かりました。

 

では、縦の範囲はどうなのでしょうか?

 

計器飛行の全ての機体のために

離着陸まで面倒を見るために

全てのクラスDは

地面(地表)からスタートしますよ。

 

 

ところで、下の図で示すような

クラスDはどう判断すればいいのでしょうか?

ライアン空港の周りには

CORE AREA(コア・エリア)が見て取れます。

ブルーの破線のサークルです。

 

でも、さらに良く見てみると

北西と西南西方向に延長された部分がありますね。

破線の色はマジェンタです。

 

つまり、クラスEの空域ということです。

ということは、このマジェンタ内の飛行は

管制官との交信は必要とされません。

 

クラスDから初めてDialogue (対話) が

必要になるということを改めて

押さえておきましょう。

 

CLASS  E

No communications required

 

CLASS  E:クラスE

No communications required:通信は要求されない

 

 

CLASS  D

Must establish communications

 

CLASS  D:クラスD

Must establish communications:確立されなければならない 通信

 

 

さて、クラスDの横の形(範囲)は分かりました。

地上からスタートすることも分かりましたよね。

 

では、上限はどうなのでしょうか?

 

それは、地表から2,500フィートです。

空港の海抜高度に2,500フィートを

足してあげればいいんです。

 

CLASS  D  VERTICAL  LIMITS

Normally surface to 2,500′ above airport elevation

 

CLASS  D  VERTICAL  LIMITS:クラスD 縦の上限

Normally:通常

surface to 2,500’:地表から2,500フィート

above airport elevation:の上 空港 海抜

 

 

でも、いちいち計算するのは

面倒くさいですよね?

 

そこでもっと簡単に分かる方法があります。

上はフェニックス・メサ空港です。

3本の滑走路の右に四つのコーナーに

囲まれた「39」という数字が見えますか?

 

これに0を2つ付けてやると

3,900となりますね。

 

つまりこの3,900’ MSL がメサ空港の

クラスD空域の上限ということなんですね。

簡単でしょ?

単位はMSL(海抜)ですよ。

そこだけ押さえてくださいね。

 

 

次にこれを見てください。

チャンドラー空港のクラスDです。

四つのコーナーに囲まれた「30」に

マイナス(-)が付いていますね。

 

これはどういう意味なのかというと・・・

 

上限は3,000’ MSL だけど

3,000’ は含まれないということです。

 

つまり、「未満」ということなんですね。

 

 

クラスDの空域というのは

ブルーの破線の範囲が横のサイズで

地表からスタートして上限は

4つのコーナーに囲まれた内側の数字に

0を2つ付けます。

 

単位はフィート(海抜高度)ということですね。

 

簡単ですよね。

 

 

では、練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q:(Refer to figure)

The airspace directly overlying FLAGSTAFF is

A  :  class B airspace to 10,000 feet MSL.

B  :  class C airspace to 5,000 feet MSL.

C  :  class D airspace to 9,500 feet MSL.

 

 

(Refer to figure):図を参照してください

The airspace:その空域

directly overlying FLAGSTAFF is:直接 上に横たわる フラッグスタッフ

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

 

どうですか?

今回も簡単でしたね。

 

引き続き頑張っていきましょう!

今回は以上となります。

 

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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