SPECIAL VFR って何ですか?

Weather Minimums

[Weather Minimums : 気象限界]

 

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

 

前回は、

Weather Minimums(気象限界)

問題を解く上で、

Chart(航空図)をしっかり理解できていないと

どの Airspace のことを答えるべきか

迷ってしまう問題も出題されるので

このブログの内容をまんべんなく

身につけておきましょうということで

お話させていただきました。

 

前回の練習問題に手こずった方は

さかのぼって

Chart(航空図)や

Airspace(空域)の分野を

読み直しておきましょう。

 

 

さて、

コントロール・タワーのある空港から

離陸する際、

VFR機は、Basic VFR の条件が

必要であることは知りました。

 

もし、Basic VFR の条件よりも

悪い気象条件である場合は、

出発することが出来ないのでしょうか?

 

Basic VFR の条件は何でしたか?

 

 

そうですね。

少なくとも

Visibility(視程)が

3statute miles(陸里)以上で

Ceiling(雲底高度)が

1,000 feet 以上必要

という条件でしたね。

 

この気象条件を満たさないエリアが

広範囲に渡っている場合なら

VFR(有視界飛行方式)で飛行するのは

諦めなくてはなりません。

 

 

しかし、もしも、

気象条件の良くないエリアが

局地的に空港周辺だけで

そのエリアさえ離れてしまえば

VFR(有視界飛行方式)でも

問題はないという場合もあります。

 

例えば、

空港周辺だけ霧が発生していて

Visibility(視程)が

3statute miles 未満ではあるが、

空港を離れてしまえば、

十分な Visibility(視程)が

確保されるなんてときです。

 

そんなときは

まだ、あなたには出発できる

チャンスは残されているんです。

 

スペシャル VFR クリアランス(許可)

という許可を得れば飛べるんですよ。

 

SPECIAL  VFR  CLEARANCE

Allowed in controlled airspace

 

SPECIAL  VFR  CLEARANCE

:特別 VFR 許可

Allowed in controlled airspace

:許される の中 管制されている 空域

 

 

許可の取り方は

パイロットのあなたが

コントロール・タワーに

Special VFR をリクエストするだけです。

 

もし、コントロール・タワーの

運営時間外でタワーが機能していないときは

そのエリアのアプローチ・コントロールや

コントロール・センターにコンタクトを取ります。

 

万が一、それらの管制施設に

無線機による連絡が取れない場合は

電話でも Special VFR の

リクエストをすることは可能です。

 

Special VFR の許可を得ると

あなたは、IFR(計器飛行方式)では

ありませんが、

他の IFR機とのセパレーション・サービスを

受けることになります。

 

これはどういう意味なのかというと

ほとんどIFR機と同じような管制を

受けるということなのです。

 

つまり、管制官の指示通りに

飛行することになりますよ。

 

「離陸後、500フィートまで上昇、

500フィートに達したら、機首方位330°に変針後、

2,000フィートまで上昇したところで報告せよ」

というような指示が出されます。

もちろん英語です。

 

あなたは、それらをメモに取り、

指示された内容をきちっと理解していることを

管制官に伝えるために

指示を復唱するのです。

 

IFR(計器飛行方式)は

指示・復唱、指示・復唱

という交信の連続です。

 

自機に出された指示を

聞き逃してはいけませんし、

英語を母語としていない日本人にとっては

結構大変なことなので、

英語に自信がついたら挑戦しても

いいかも知れません。

 

ただし、Special VFR は

管制官のボランティアで

行っているわけではないんですね。

 

リクエストをすれば、

気象条件次第でクリアランス(許可)は

もらえると思いますが、

管制官のメインの仕事は

IFR(計器飛行方式)の管制ですから

よほどのことが無い限り

無理に割り込むようなことは

しないでくださいね。

 

 

では、Special VFR に

必要なことは何でしょうか?

 

まずは、

コントロール・タワー、アプローチ・コントロール、

コントロール・センターから

適切なクリアランス(許可)を得ることです。

 

それから、最低気象条件は

Visibility(視程)が

1statute mile(陸里)以上

Clear of clouds(離れる 雲)です。

 

SPECIAL  VFR

1 SM visibility

Clear of clouds

 

この条件は

Fixed wing aircraft(固定翼・飛行機)に

適用されるものなんです。

 

ヘリコプターは飛行機よりも

低速飛行が可能ですから

Visibility(視程)が

1 statute mile 未満であっても

OKということなんですね。

 

 

この Special VFR ですが、

夜間の場合は、

必要条件がより厳しくなりますよ。

 

パイロットは IFR(計器飛行方式)の

資格が必要となります。

当然、その飛行機は

IFR(計器飛行方式)用の装備が

されていなければなりません。

 

SVFR  (Special VFR)

REQUIREMENTS  AT  NIGHT

Pilot IFR rated

Plane instrument equipped

 

SVFR  (Special VFR)

:スペシャル VFR

REQUIREMENTS  AT  NIGHT

:必要条件 夜間の

Pilot IFR rated

:パイロット IFR資格

Plane instrument equipped

:飛行機 計器飛行用 装備

 

 

 

もう一つ覚えておいて欲しいことがあります。

下のChart(航空図)を見てください。

これは、DALLAS FT WORTH(ダラス・フォート・ワース)と

DALLAS LOVE(ダラス・ラブ)の2空港がありますね。

それぞれの空港名の上を見てみると

NO SVFR

という記載があるのを確認できますか?

 

これは NO Special VFR という意味なんです。

 

つまり、これらの空港はとても忙しいので

IFR機の管制だけでいっぱいなので

Special VFR を提供するゆとりがないのです。

 

Chart(航空図)に NO SVFR がある空港では

Special VFR をリクエストできないので

覚えておきましょう。

 

 

このように、

Basic VFRの条件よりも

気象条件が良くないときでも

Special VFR で離陸や着陸をすることは

可能です。

 

しかし、経験の浅いうちは

無理せず気象条件が良くなるまで

待った方が賢明だと思いますよ。

 

 

<まとめ>

Basic VFR の条件に満たない

気象条件であっても

Special VFR のクリアランス(許可)を

得れば飛行可能である

 

Special VFR の必要条件(固定翼・飛行機)

1SM visibility

Clear of clouds

 

夜間の必要条件

IFRの資格

(Pilot IFR rated)

計器飛行用に装備された機体

(Plane instrument equipped)

 

NO SVFR と表示されている空港では

Special VFR の利用は不可

 

 

 

 

 

では、練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q  :  What are the minimum requirements

for airplane operations under special VFR

in Class D airspace at night ?

 

 

A  :   The airplane must be under surveillance

at all times while in Class D airspace.

 

B  :  The airplane must be equipped for IFR

with altitude reporting transponder.

 

C  :  The pilot must be instrument rated,

and the airplane must be IFR equipped.

 

 

What are

:何です

the minimum requirements

:最低限の必要条件

for airplane operations

:のため 飛行機の運航

under special VFR

:の下 スペシャルVFR

in Class D airspace at night

:の中 クラスD エアスペース 夜間

must be under surveillance

:置かれなくてはならない 監視下

at all times

:常に

while in Class D airspace

:の間 クラスD エアスペース

must be equipped

:されなくてはならない 装備

for IFR

:のため 計器飛行方式

with altitude reporting transponder

:とともに 高度報告トランスポンダー

must be instrument rated

:でなくてはならない 計器飛行 等級

and the airplane must be IFR equipped

:且つ 飛行機 されなくてはならない IFR装備

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

はい。どうでしか?

 

暗記するだけで答えられる

問題でしたね。

大丈夫でしたよね!?

 

今回で Weather Minimums(気象限界)の

分野は終了ですよ。

 

次回からは、

Aviation Communications(航空コミュニケーション)の

分野に入っていきますので

楽しみにしていてくださいね。

 

では、今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

 

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