空港情報の放送って何だろう?

[Aviation Communications : 航空コミュニケーション]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

前回は、

Special VFR について

お話させていただきました。

Basic VFRの条件を下回る

気象条件であっても

Special VFR のクリアランス(許可)を

得ることによって

離陸や着陸をすることは

可能であるということでしたね。

ただ、

やはり通常のVFRでの飛行の

最低限を下回る条件ですので

IFRの資格を取るまでは

無理して飛ばない方が良い

というのが私の意見です。

さて、今回からは

航空コミュニケーションの分野に

入っていこうと思います。

空港を離着陸する

パイロットにとって

必要とされる空港の

さまざまな情報を録音して

繰り返して放送されています。

これを

AUTOMATIC TERMINAL INFORMATION SERVICE

(ATIS)

といいます。

ATIS の情報には

・時間、場所

・ceiling(雲底) などの雲の情報

・Visibility(視程) 悪視程の場合の理由など

・気温と露点

・風向、風速

・Altimeter setting(高度計規正)

・使用中のRunway や VFR での進入方法

・Instrument Approach(計器進入)

・周波数、NOTAM、その他の情報

・ATIS code

 

などがあります。

ATIS が運用される理由は

全てのパイロットに上記情報を

管制官が口頭で伝えていては

効率が悪いので、

自動でくり返し放送されています。

各パイロットが周波数を

合わせることで、

全員が情報を共有できるんですね。

気象状態は刻々と変化しているものですので、

情報の内容は約1時間ごと、

又は急激な変化があった場合に更新されますよ。

それぞれの情報には

アルファベットの名前(フォネティック・コード)が

付けられています。

フォネティック・コードは

もう覚えてしまいましたか?

もう一度ここで

書き出してみますね。

A     ALFA(アルファ)

B     BRAVO(ブラヴォー)

C     CHARLIE(チャーリー)

D     DELTA(デルタ)

E     ECHO(エコー)

F     FOXTROT(フォックストロット)

G     GOLF(ゴルフ)

H     HOTEL(ホテル)

I      INDIA(インディア)

J      JULIETT(ジュリエット)

K     KILO(キロ)

L     LIMA(リマ)

M     MIKE(マイク)

N     NOVENBER(ノベンバー)

O     OSCAR(オスカー)

P     PAPA(パパ)

Q     QUEBEC(ケベック)

R     ROMEO(ロメオ)

S     SIERRA(シエラ)

T     TANGO(タンゴ)

U     UNIFORM(ユニフォーム)

V     VICTOR(ヴィクター)

W    WHISKEY(ウィスキー)

X     X-RAY(エクスレイ)

Y     YANKEE(ヤンキー)

Z     ZULU(ズール)

タワーやアプローチと

最初のコンタクトを取る前に

ATIS を聞きます。

それから、

「○○タワー、セスナ1234 オーバー◇◇、

at 3,500、inbound for landing、

with information Y (Yankee)

とその情報のコード名を付けることで、

管制官に最新の情報を共有してますと

伝える意味もあるのです。

さて、ATIS を聞いても聞いても

雲の情報と Visibility の情報が

抜けてるぞ!

おや???って

思うことがあるかも知れません。

でも心配することはありませんよ。

何故かというと・・・

Ceiling が少なくとも 5000 フィート以上あって

Visibility も少なくとも5statute miles 以上

ある場合は、録音に含まれません。

VFR の飛行に支障とならない

気象条件(雲と視程)は、省かれるんです。

これは、航空コミュニケーションは、

できるだけ簡潔に短く行うというのが

基本的にあるからです。

言わなくていいことは、省き

時間短縮するわけなんです。

と同時に間違いのもとも減ることに

つながりますからね。

では、今回のフレーズですよ。

ABSENCE  OF  SKY  CONDITION

AND  VISIBILITY  ON  AN  ATIS

Ceiling at least 5,000′

Visibility at least 5 miles or more

ABSENCE  OF

:無いこと

SKY  CONDITION AND  VISIBILITY

:空(雲)の状態と視程

ON  AN  ATIS

:ATIS で

Ceiling at least 5,000′

:雲底 少なくとも 5,000フィート

Visibility at least 5 miles or more

:視程 少なくとも 5マイル以上

上記の内容プラス

筆記テストで問われる知識としては

大まかに下記のことを押さえておいてくださいね。

◎くり返し放送される録音された情報であること

◎その内容は管制に関しての情報ではないこと

◎選ばれた忙しい地域に設置されていること

英文にするとこんな感じです。

ATIS

Continuous broadcast of recorded information

Non-control information

Selected high activity terminals

 ただし、今は多くのタワー空港で

利用されています。

ここで Chart(航空図)を見てください。

空港名の下にいくつかの情報が

記載されていますが、 

ATIS の右に数字がありますね。

これが ATIS を聞くための周波数です。

CHANDLER 空港の

ATIS 周波数は 128.325 MHz(メガヘルツ)

ということですね。

<まとめ>

空港周辺の気象状態や

高度計規正(Altimeter  Setting) など

様々な情報(管制に関するものではない)を録音して

くり返し放送しているサービスがある

そのサービスを ATIS という

ATIS は

AUTOMATIC TERMINAL INFORMATION SERVICE

の略である

ATIS に雲や視程の情報が含まれていないときは

雲底:少なくとも5,000フィート以上

視程:少なくとも5マイル以上

である

では、練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q  :  Absence of the sky condition and visibility

on an ATIS broadcast indicates that

A  :  weather conditions are at or above

VFR minimums.

B  :  the sky condition is clear

ans visibility is unrestricted.

C  :  the ceiling is at least 5,000 feet

and visibility is 5 miles or more.

Absence of 

:無いこと

the sky condition and visibility

:空の状態と視程

on an ATIS broadcast

:ATIS 放送で

indicates that

:表している それ

weather conditions are

:気象状態は

at or above

:同等 又は 良好

VFR minimums

:VFR 最低条件

the sky condition is clear

:空の条件は晴れ

ans visibility is unrestricted

:且つ 視程は無制限

the ceiling is at least 5,000 feet

:雲底は少なくとも5,000フィート

and visibility is 5 miles or more

:且つ 視程は5マイル以上

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

はい。どうでしたか?

筆記テストで必要となる

ATIS に関する知識はこの程度で十分です。

引き続き頑張っていきましょう!

ということで今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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