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パイロット免許への水先案内人
須永です!
本業の繁忙期が近づき
その準備に追われて
久しぶりの投稿となりました。
4月は、一日18~19時間の
勤務態勢となるため
さらに更新が滞ることになりますが、
予めご了承ください。
では、今日の内容のスタートです。
前回は、
Clouds and Moisture (雲と水蒸気) について
お話しさせていただきました。
一口に雲といっても
色々なタイプの雲があることや
発生する過程であったり
Ceiling (雲底) の高さを求める方法など
理解していただけましたか?
今回は、
Stability (大気の安定度)
についてお話したいと思います。
大気の状態が Stable (安定) しているのか
Unstable (不安定) なのかは
私たちにとって重要ですね。
なぜなら大気の安定度によって
どんな雲が発生したり
どんな天気になるのか
予測できるからです。
では、どのように大気の安定度を
割り出すのかというと
実際の Lapse Rate (温度減率) を
測定した結果で判断するのです。
その結果が標準温度減率よりも
早く減少するのか
それとも遅いのかで
安定度が決まるのです。
ただし、実際の大気は
乾いた空気のところと
湿った空気のところが混在しています。
実は、乾いた空気と湿った空気では
高度の上昇に伴う温度の減り方が違うんですね。
乾燥した空気では、
1,000メートル毎に約10°C減少します。
これを Dry adiabatic rate (乾燥断熱減率) といいます。
一方、水蒸気を含んだ空気は上昇の過程で
水蒸気の凝結が起こり潜熱が放出されるんです。
その熱エネルギーの分、温度減率が
乾燥断熱減率よりも小さくなり
1,000メートル毎に約6℃の減少となります。
これを Moist adiabatic rate (湿潤断熱減率) と
いいます。
※ 潜熱とは、状態変化に伴って吸収または放出される凝結熱、凝固熱、融解熱、蒸発熱 (気化熱)、昇華熱をまとめて潜熱という。
もし、Dry adiabatic rate (乾燥断熱減率) より
温度の減少が早い状態ならば
その大気は Absolutely unstable (絶対不安定) ということです。
逆に、Moist adiabatic rate (湿潤断熱減率) よりも
ゆっくり温度が減少していく状態であれば
その大気は Absolutely stable (絶対安定) ということになりますよ。
それから、Dry adiabatic rate (乾燥断熱減率) と
Moist adiabatic rate (湿潤断熱減率) の間の減率であれば
Conditionally unstable (条件付不安定) となります。
では、水分を含んだ安定した空気が
山の斜面に沿って上昇したとすると
どんなタイプの雲が形成されるのでしょうか?
上昇とともに凝結が起こり
雲が発生するわけなんですが、
空気が安定しているので
その場にとどまろうとする性質を
持っているのです。
そのため、層状の雲が発生する
特徴があるんですね。
この層状の雲からの降水は
継続的な雨となります。
ゲリラ豪雨のように突然
強烈な激しい雨が降り出すようなものとは
正反対の雨ということですね。
ですから風もなく静かな空気ですよ。
ただし、地上の視程は
あまり良くありません。
STABLE AIR
Stratiform clouds
Steady precipitation
Smooth air
Poor surface visibility
STABLE AIR
:安定 空気
Stratiform clouds
:層雲
Steady precipitation
:継続的な降水
Smooth air
:なめらかな空気
Poor surface visibility
:低い 地上視程
ところで、
乾燥した砂漠地帯では
地表が熱せられやすいのですが、
このように低い位置から
熱を帯びる条件下では
空気団の安定度は減少する傾向が強いのです。
安定度が減少するとは
Unstable air になるということですね。
WARMING FROM BELOW
would decrease the stability of an air mass
WARMING FROM BELOW
:熱入れ 下からの
would decrease the stability of an air mass
:減少するだろう 安定 空気塊の
というのは、
太陽の加熱によって
上昇気流が発達します。
この空気の流れが生まれる
= 不安定が生まれる
ということですね。
DEVELOPMENT OF THERMALS
depends upon solar heating
DEVELOPMENT OF THERMALS
:発達 上昇気流の
depends upon solar heating
:による 太陽の加熱
この Unstable air は、
ずばり乱気流を含んでいる傾向があります。
加えて地上視程が良好という傾向が
特徴なんですね。
これは空気中のちりや汚れなどが
上昇気流に乗ってその場所から
無くなってしまうからなんです。
クリーンな空気になるということですね。
UNSTABLE AIR
Turbulence
Good surface visibility
UNSTABLE AIR
:不安定な空気
Turbulence
:乱気流
Good surface visibility
:良い 地上視程
さらに、
不安定な空気塊が
湿っぽい状態であるなら
積雲が発生します。
もし、降水があるとしたら
にわか雨のようなタイプとなるのです。
MOIST UNSTABLE AIR MASS
Cumuliform clouds and showery precipitation
MOIST UNSTABLE AIR MASS
:湿っぽい 不安定な空気塊
Cumuliform clouds and showery precipitation
:上昇し続ける雲と にわか雨のような降水
また、不安定な空気塊は
その場に留まろうせず
上昇し続けるので
条件がそろえば塔状積雲に成長します。
塔状積雲の中は
対流している乱気流が
存在しているので
絶対に突入なんてことは
しないでくださいね。
TOWERING CUMULUS CLOUDS
Indicate convective turbulence
TOWERING CUMULUS CLOUDS
:塔状積雲
Indicate convective turbulence
:示す 対流の乱気流
<まとめ>
Stability (大気の安定度)
Stable (安定)
◎標準温度減率よりゆっくり温度減少
◎雲のタイプ:Stratiform clouds (層雲)
◎降水タイプ:Steady precipitation (継続的な降水)
◎空気:Smooth air (なめらかな空気)
◎視程:Poor surface visibility (低い地上視程)
Unstable (不安定)
◎標準温度減率より早く温度減少
◎雲のタイプ:Cumuliform clouds (積雲)
◎降水タイプ:Showery precipitation (にわか雨のような降水)
◎空気:Turbulence (乱気流)
◎視程:Good surface visibility (良い地上視程)
◎低高度からの加熱で上昇気流が発生することで空気塊は不安定になる
ということで、
練習問題にトライしてみましょう!
・・・・・・・・・・・・・・・
Q1 : What would decrease the stability of an air mass?
A : Warming from below.
B : Cooling from below.
C : Decrease in water vapor.
What would decrease
:何が 減少させるだろう
the stability of an air mass?
:安定度 空気塊の
Warming from below.
:熱入れ 下からの
Cooling from below.
:冷却 下からの
Decrease in water vapor.
:減少 水蒸気の
・
・
・
自力で回答してから
音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q2 : When warm, moist, stable air flows upslope it
A : produces stratus type clouds.
B : causes showers and thunderstorms.
C : develops convective turbulence.
When warm, moist, stable air flows upslope
:の時 暖かく 湿った 安定空気 流れる 上り坂
it
:それは
produces stratus type clouds.
:生む 層雲タイプの雲
causes showers and thunderstorms.
:原因になる にわか雨と雷雨
develops convective turbulence.
:発達する 対流の乱気流
・
・
・
自力で回答してから
音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q3 : If an unstable air mass is forced upward, what type clouds can be expected?
A : Stratus clouds with little vertical development.
B : Stratus clouds with considerable associated turbulence.
C : Clouds with considerable vertical development and associated turbulence.
If an unstable air mass is forced upward,
:もし 不安定な空気塊 追い込まれる 上り坂に
what type clouds can be expected?
:どんなタイプの雲 予想できるか
Stratus clouds with little vertical development.
:層雲 少し縦の発達を伴う
Stratus clouds with considerable associated turbulence.
:層雲 相当な 乱気流を連想させる
Clouds with considerable vertical development and associated turbulence.
:雲 相当な縦の発達を伴う 且つ 乱気流を連想させる
・
・
・
自力で回答してから
音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q4 : A stable air mass is most likely to have which characteristic?
A : showery precipitation.
B : Turbulent air.
C : Smooth air.
A stable air mass is most likely to have
:安定空気塊 最も持っていそうである
which characteristic?
:どんな特性を
Showery precipitation.
:にわか雨のような降水
Turbulent air.
:乱気流
Smooth air.
:なめらかな空気
・
・
・
自力で回答してから
音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q5 : Steady precipitation preceding a front is an indication of
A : stratiform clouds with moderate turbulence.
B : cumuliform clouds with little or no turbulence.
C : stratiform clouds with little or no turbulence.
Steady precipitation preceding a front
:継続的な降水は 前線の前の
is an indication of
:~の表示です
stratiform clouds with moderate turbulence.
:層雲 中程度の乱気流を伴う
cumuliform clouds with little or no turbulence.
:積雲 小さい又は乱気流の無い
stratiform clouds with little or no turbulence.
:層雲 小さい又は乱気流の無い
・
・
・
自力で回答してから
音声を聞いてください。
はい。どうでしたか?
簡単でしたよね。
雲のタイプや
降水のタイプは
空気の安定度で決まります。
それぞれ整理して
覚えてしまえば楽勝です。
実際の筆記テストも
今回の練習問題レベルですよ。
というか、
毎回練習問題として出題している
問題がすらすら解けるようになってしまえば
ゆとりを持って合格ラインを
突破できると思いますので
地道に頑張ってください。
さて、冒頭でもお伝えしましたが、
しばらくは更新が遅れることも
多々あると思います。
予めご理解のほど
よろしくお願いします。
では、お互いに
良い形で新年度をスタートしましょう!
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!