Clouds and Moisture(雲と水蒸気)

Weather

[Weather : 気象]

 

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

 

前回は、

Air Mass (気団) について

お話しさせていただきました。

 

全ての気象現象の源は

太陽による地球表面の

不均一加熱によるものであること。

 

異なるエリアで

異なるタイプの気団が形成され

違う気団が接する境界線は前線と呼ばれ

様々な気象状態が作られるという

大まかな全体像を

捉えることができましたか?

 

 

 

今回は、

Clouds and Moisture (雲と水蒸気)

についてお話したいと思います。

 

雲は形成される高さによって

4つの群に分類されます。

 

低い高度の下層雲、

中高度の中層雲、

高い高度の上層雲、

それから縦に発達する対流雲の

4つです。

 

それらは更に細かく分類されていますよ。

 

下層雲:

層雲 (Stratus)

層積雲 (Stratocumulus)

乱層雲 (Nimbostratus)

 

中層雲:

高層雲 (Altostratus)

高積雲 (Altocumulus)

 

上層雲:

巻層雲 (Cirrostratus)

巻積雲 (Cirrocumulus)

巻雲 (Cirrus)

 

対流雲:

積雲 (Cumulus)

積乱雲 (Cumulonimbus)

 

以上の10種の雲形です。

 

CLOUDS ARE DIVIDED INTO FOUR FAMILIES

according to height range

 

CLOUDS ARE DIVIDED INTO FOUR FAMILIES

:雲 分類される 4つの群に

according to height range

:によって 高度範囲

 

 

 

今後 NIMBUS という言葉を

見たり聞いたりするようになりますが、

意味は雨雲です。

 

Cumulonimbus (積乱雲) は、

Cumulus (積雲) の中に

大量の雨を抱えている雲だということですね。

 

 

 

ところで、雲って

どのように発生するのでしょうか?

 

理科の教科書にも載っていた

三態変化を覚えていますか?

 

気体・液体・個体の状態が

熱の吸収や放出によって変化するやつです。

 

この状態変化をすることで雲は

発生するんですね。

 

 

States of Matter (物質の三態)

 

水 (液体・Liquid) は、温度が上がっていくと

水蒸気 (気体・Gas) になり、

温度が下がっていくと氷 (固体・Solid) になります。

 

気体である水蒸気から

液体である水への変化を

Condensation (凝結) といいます。

 

液体である水から

固体である氷への変化は

Freezing (凍結) です。

(日本語では凝固という表現ですね)

 

固体である氷から

一気に気体である水蒸気への変化は

Sublimation (昇華) ですね。

 

逆に気体である水蒸気から一気に

固体である氷への変化を

Deposition (気体から固体への凝結・相転移)

といいます。

 

固体である氷から

液体である水への変化は

Melting (融解) で、

液体である水から

固体である氷への変化を

Evaporation (蒸発) でしたね。

 

以上のことから分かるように

空気に水分が加えられるのは

Evaporation (蒸発) と Sublimation (昇華) の

2つであるということですね。

 

MOISTURE IS ADDED TO AIR BY

evaporation and sublimation

 

MOISTURE IS ADDED TO AIR BY

:水分 加えられる 空気に ~によって

evaporation and sublimation

:蒸発と昇華

 

 

 

次に押さえておいて欲しい

温度があります。

 

それは、Dewpoint (露点温度) です。

 

Dewpoint というのは、

水蒸気を含む空気を冷却したとき

凝結が始まる温度をいいます。

 

温度が低下することで

空気中に含まれる水蒸気の一部が水滴となり

目に見えるようになるポイントのことです。

 

その温度では、その空気内に

これ以上水分は

抱えていることができない

飽和状態になる温度ということです。

 

DEWPOINT

Temperature to which air must be cooled to become saturated

 

DEWPOINT

:露点温度

Temperature to which air must be cooled

:温度 冷やされたに違いない

to become saturated

:飽和するまで

 

 

 

さて、水蒸気が凝結したときに

雲、霧、露が発生するのですが、

必ずしも相対湿度が

100%である必要はありませんよ。

 

なぜなら温度によって

条件が変わるからなんです。

 

そのときの温度条件によっては

Deposition のように液体のステージを

スキップして固体 (氷) になる

場合があるからなんですね。

 

CLOUDS, FOG, OR DEW

will always form when water vapor condenses

 

CLOUDS, FOG, OR DEW

:雲、霧、また露

will always form when water vapor condenses

:いつも形成する 水蒸気が凝結するときから

 

 

 

ところで、

Dewpoint (露点温度) を利用して

Ceiling (雲底) の高さを

求めることができるんです。

 

Dewpoint (露点温度) って

その空気がこれ以上

水蒸気を抱えられなくなり

水分が目に見える状態になる

温度ということでしたね。

 

もし、Dewpoint (露点温度) と

地上の温度がとても近い値で

温度が 60°F 位の条件で

Fog (霧) や Low clouds (低い雲) が発生するのです。

 

このとき温度は高いですので

凍ったタイプの降水は起こりません。

 

さて、雲底を求める話に戻しましょう。

 

温度は高度が上昇するに従って

低下ていきますよね。

 

そこで、

Dewpoint (露点温度) の温度に

到達するまで上昇したとすると、

その地点で雲が発生している可能性が

高いという考え方です。

上の図の横軸→を温度とし、

縦軸↑を高度とするグラフと考えてみてください。

 

 実際には、エマグラム (Energy per unit mass diagram) という

グラフのことなんですが、プライベートパイロットの筆記テストでは、細かい読み取りまでは問われませんのでエマグラム自体の説明は割愛させていただきます。

 

では、例を挙げながら考えていきましょう。

 

地上では、温度と Dewpoint (露点温度) に

大きな温度差があったとしても

高度が上昇するにつれて

温度は下がりますから

その差は段々と近づいていきます。

 

温度と Dewpoint (露点温度) が

近づく気温減率は

1,000フィート毎に

4.4°F です。

 

では、例題ですよ。

 

「地上温度が 82°F で、Dewpoint (露点温度) が 38°F である場合、雲が発生する高度を求めなさい」

 

 

まず、

地上温度から Dewpoint (露点温度) を引きます。

82° - 38° = 44°F

 

次に、

地上温度と Dewpoint (露点温度) は

1,000フィート毎に 4.4°F ずつ近づくので

先に求めた温度差 44° を 4.4° で割ると

1,000フィートの単位で

いくつ上昇すると

地上温度と Dewpoint (露点温度) が合致する

ということが分かるわけですね。

44° ÷ 4.4 = 10

 

きっちり割り切れて良かったですね。

これは、10個の1,000フィートということですから

10 × 1,000 = 10,000 で

 

地上10,000フィートの高度から

雲が発生するということが

割り出せるわけです。

 

正解は、

10,000 feet AGL です。

 

どうでしたか?

簡単ですよね。

 

では、今回の内容をまとめていきますね。

 

<まとめ>

Clouds and Moisture (雲と水蒸気)

 

◎雲は発生する高さによって4つの群に分類される

(下層雲・中層雲・上層雲・対流雲)

Clouds are divided into four families according to height range.

 

◎4つの群はさらに細分される

下層雲:

層雲 (Stratus)

層積雲 (Stratocumulus)

乱層雲 (Nimbostratus)

 

中層雲:

高層雲 (Altostratus)

高積雲 (Altocumulus)

 

上層雲:

巻層雲 (Cirrostratus)

巻積雲 (Cirrocumulus)

巻雲 (Cirrus)

 

対流雲:

積雲 (Cumulus)

積乱雲 (Cumulonimbus)

 

NIMBUS = 雨雲

 

◎状態変化

Condensation (凝結)

Freezing (凍結)

Sublimation (昇華)

Deposition (気体から固体への凝結・相転移)

Melting (融解)

Evaporation (蒸発)

 

空気に水分が加える過程は

Evaporation (蒸発) と Sublimation (昇華) の2つ

Moisture is added to air by evaporation and sublimation.

 

水蒸気を含む空気を冷却したとき凝結が始まる温度

Dewpoint (露点温度)

Temperature to which air must be cooled to become saturated.

 

◎雲、霧、露は水蒸気の凝結により形成

CLOUDS, FOG, OR DEW will always form when water vapor condenses.

 

◎露点温度と地上温度の値が近く且つ60°F位のとき

Fog (霧) や Low clouds (低い雲) が発生

 

◎雲底高度の求め方

地上温度 - 露点温度 = 温度差

温度差 ÷ 気温減率 = 単位1,000 feet の値

単位1,000 feet の値 × 1,000 = 高度 (feet)

 

例)

地上温度 82°F

露点温度 38°F

地上温度と露点温度の気温減率 4.4°F / 1,000 feet

 

82 - 38 = 44

44 ÷ 4.4 = 10

10 × 1,000 = 10,000 feet AGL

 

 

 

 

はい。ということで、

練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・

Q1  :  What is meant by the term “dewpoint” ?

 

A  :  The temperature at which condensation and evaporation are equal.

B  :  The temperature at which dew will always form.

C  :  The temperature to which air must be cooled to become saturated.

 

 

What is meant by the term “dewpoint” ?

:何ですか 意味されるもの dewpointという語で

The temperature at which condensation and evaporation are equal.

:温度 凝結と蒸発が同じ値であるときの

The temperature at which dew will always form.

:温度 露が形成される

The temperature to which air must be cooled to become saturated.

:温度 低下したに違いない 飽和状態になるまで

自力で回答してから

音声を聞いてください。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

Q2  :  What are the processes by which moisture is added to unsaturated air?

 

A  :  Evaporation and sublimation.

B  :  Heating and condensation.

C  :  Supersaturation and evaporation.

 

What are the processes

:何ですか 過程は

by which moisture is added to unsaturated air?

:水蒸気 加えられる 飽和状態でない空気に

Evaporation and sublimation.

:蒸発と昇華

Heating and condensation.

:加熱と凝結

Supersaturation and evaporation.

:過飽和と蒸発

自力で回答してから

音声を聞いてください。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

Q3  :  What is approximate base of the cumulus clouds if the surface air temperature is 70°F and the dewpoint is 48°F?

 

A  :  4,000 feet AGL.

B  :  5,000 feet AGL.

C  :  6,000 feet AGL.

 

What is approximate base of the cumulus clouds

:何ですか おおよその底辺 積雲の

if the surface air temperature is 70°F and the dewpoint is 48°F?

:もし地上温度 華氏70度 且つ 露点温度 華氏48度

4,000 feet AGL.

:4,000フィート地上高度

5,000 feet AGL.

:5,000フィート地上高度

6,000 feet AGL.

:6,000フィート地上高度

自力で回答してから

音声を聞いてください。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

Q4  :  The suffix “nimbus” used in naming clouds means

 

A  :  a cloud with extensive vertical development.

B  :  a rain cloud.

C  :  a middle cloudあああ containing ice pellets.

 

The suffix “nimbus” used in naming clouds means

:接尾語 nimbus 使われる 名前として 雲の~の意味の

a cloud with extensive vertical development.

:雲 広範囲な 垂直に発達した

a rain cloud.

:雨雲

a middle cloud containing ice pellets.

:中層雲 含んでいる 氷の粒

自力で回答してから

音声を聞いてください。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

Q5  :  Giving the following ;

Airport Elevation : 500 feet MSL

Temperature : 23°C

Dewpoint : 15°C

Lapse Rate : 2°C per 1,000 feet

 

Find the approximate base of the cumulus clouds.

 

A  :  4,000 feet MSL.

B  :  4,500 feet MSL.

C  :  2,300 feet MSL.

 

 

Giving the following ;

:以下を与える

Airport Elevation : 500 feet MSL

:空港の標高 500フィート海抜高度

Temperature : 23°C

:温度 摂氏23度

Dewpoint : 15°C

:露点温度 摂氏15度

Lapse Rate : 2°C per 1,000 feet

:気温減率 摂氏2度 1,000フィート毎

Find the approximate base of the cumulus clouds.

:見つけ出しなさい おおよその底辺 積雲の

4,000 feet MSL.

:4,000フィート海抜高度

4,500 feet MSL.

:4,500フィート海抜高度

2,300 feet MSL.

:2,300フィート海抜高度

自力で回答してから

音声を聞いてください。

 

はい。どうでしたか?

 

簡単でしたね。

もし、間違ってしまったとしても

大丈夫です。

 

何度も本文を読み返してください。

日本語で理解してしまえば

後は、少しだけ英語の表現に慣れるだけです。

 

くり返しが何よりも大事です。

コツコツと前進していきましょう。

 

パイロットライセンス取得には

様々な分野をまんべんなく

勉強が必要ですが、

気象は重要度も高いですので

頑張っていきましょうね。

今後ともよろしくお願いします。

 

ということで、

今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

 

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