Altimeter Setting って何だろう?

Flight Instruments

[Flight Instruments:航空計器]

 

こんにちは!

パイロット免許への水先案内人・須永です!

 

いや~ゴールデンウィークですね!

あなたはどのようにお過ごしでしょうか?

海外に行かれているかも知れませんね。

 

あなたが近い将来トライする

FAAパイロットライセンスですが、

アメリカという国は本当に

飛行機が身近な存在なので

早く取得して自由に大空を

飛んで欲しいと思います。

 

 

今日はAltimeter Settingについて

お話していきますね。

 

まず、1気圧と水銀柱の関係を

知っていただきたいと思います。

1気圧の下で1メートル位の筒に水銀を詰めて

水銀を満たした皿の上でひっくり返すと

筒の中の水銀は徐々に下がってきて

高さが760㎜になったところで止まります。

 

これは大気圧と水銀がつり合ったために

起こる現象なんですね。

 

760㎜はインチに換算すると

29.92 inchとなりますよ。

 

なんでインチに換算する必要があるかというと

高度計(Altimeter)の

高度計規正(Altimeter Setting)の設定値の

単位がインチになっているからなんですね。

 

アメリカで使われている単位は

フィート、インチ、マイル、ポンドなど

日本人には馴染みのないものが多いので

少しずつ慣れていくしかないので

頑張りましょう。

 

 

さて、高度計規正(Altimeter Setting)とは

一体何なのか?というと、

 

気圧高度計の設定値で

海抜高度ゼロに対応する気圧のことなんです。

 

気圧高度計において

国際標準大気によって気圧を

高さに読み替えたものを

気圧高度(Pressure Altitude)と呼びます。

 

しかし、実際の気圧と高度の関係は

気象条件によって変動するため

正確な高度を得るためには

補正(規正)が必要となるんですね。

 

毎日、天気って変わりますよね?

カンカン照りの日もあれば

曇りも雨の日もありますよね。

 

太陽から得る熱エネルギーの違いによって

海上の水蒸気蒸発が活発な所と

そうでもない所のような差が生まれます。

 

上昇気流が発生する箇所の空気の密度が

やや下がり気圧が低くなることがあったり、

同じ海抜高度でも少しずつ気圧は異なり

気圧の高低は常に変化しているんですよ。

 

だから、Altimeter Settingが必要となるわけなんですね。

 

ある飛行場の海抜高度が756フィートだとしましょう。

適切なAltimeter Settingを行うと

高度計は765フィートを指示するのです。

 

 

次に高気圧のエリアから低気圧のエリアに

向かってフライトをした場合、

出発地点のAltimeter Settingのまま

飛行を続けたとすると

どういう現象が起きるのか?

 

高度計は実際の高度よりも

高い高度を指示するんですよ。

 

逆の言い方だと

高度計の指示より実際の高度は

低いのです!

ヤバイですよね?!

 

なので、高気圧から低気圧へは

HIGH TO LOWということで

Look out below. という言葉を

覚えてしまいましょう!

(下方に注意!)です。

 

 

反対に低気圧エリアから高気圧エリアへの

飛行において出発地点でのAltimeter Settingまま

飛び続けると

高度計は実際の高度よりも低く指示するのです。

つまり、高度計の指示よりも

実際は高い高度を飛行しているということなんですね。

 

ここまで大丈夫ですか?

 

 

次に、Altimeter Settingを行った場合

指針はどちらにどれ位動くのでしょうか?

 

例えば、Altimeter Settingを

29.15から29.85のように

小さい値から大きい値になった場合は

指針も時計回りに動いて大きい数値に

変動します。

 

その割合は1インチにつき1,000フィートです。

上の例では、

29.85 - 29.15 = 0.7インチ

よって、0.7 × 1,000 = 700フィート

指針は高くなるということですね。

 

今度は図を見ながらもう一つ見てみましょう。

Altimeter Settingは29.75を指しています。

指針は480フィートを指していますね。

ここから30.15に規正すると

30.15 - 29.75 = 0.4インチ

なので、0.4 × 1,000 = 400フィート

したがって、400フィート高くなるので

規正後の図の高度計は

880フィートを指示していますね。

 

インチ数が増えれば高度も増えて

インチ数が減れば高度も減るということです。

 

大丈夫ですよね!?

 

 

それから、Altimeter Settingを

29.92インチにセットした場合の

高度は何高度というんでしたっけ?

覚えていますか?

 

そうです。

気圧高度(Pressure Altitude)でしたね。

 

OK!じゃ、もうひと踏ん張りいってみましょう。

 

Altimeter Settingを怠ると

気圧の高低によって高度計の指示に

誤差が生じることは分かったと思います。

 

 

更にこの高度計は

気温によっても誤差を生じるんですね。

 

気圧の層は一定ではありません。

気温の変化に影響されてしまうのです。

 

暖かい日や場所では、

空気は膨張しますので

空気の層の幅も広がります。

 

層の幅が広がった分

同じ高度を示す気圧の層は

高い位置になってしまいます。

 

下の図でいうと

暖かい日は

左の機体になりますが、

Indicated altitude (指示高度) が

5,000 ft. を表示していても

標準の日と比べたら高いところを

飛んでいるということになります。

 

逆に寒い日は空気の層もギュッと縮まりますので

自分が思っているよりも低い位置を

飛んでいるというわけなのです。

 

 

つまり、標準大気よりも暖かい日は

指示高度は真高度よりも低く表示されます。

 

逆に標準大気よりも寒い日は

指示高度は真高度より高く表示されるんです。

 

要するに、

暖かいときは真高度は高くなり

寒いときは真高度は低くなるということですね。

 

寒い日は、地上の障害物に近づく

ということですから要注意です。

 

 

今日も盛り沢山で大変だったと思います。

何度もくり返し読み直して

自分のものにしていってくださいね!

 

では、今日も練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

Q1:Altimeter setting is the value to which

the barometric pressure scale of the altimeter

is set so the altimeter indicates

 

A :  calibrated altitude at field elevation.

B :  absolute altitude at field elevation.

C :  true altitude at field elevation.

 

 

value:価値がある

the barometric pressure scale of the altimeter

:高度計の気圧の圧力スケール

calibrated altitude:調整された高度

field elevation:標高

 

Q1の音声

 

 

Q2:If a pilot changes the altimeter setting

from 30.11 to 29.96 ,

what is the approximate change in indication ?

 

A :  Altimeter will indicate .15 inches Hg higher.

B :  Altimeter will indicate 150 feet higher.

C :  Altimeter will indicate 150 feet lower.

 

approximate:おおよその

indication:表示

Hg:水銀の化学式、水銀(mercury)

Q2の音声

 

 

Q3  :If a flight is made  from an area of low pressure into

an area of high pressure without the altimeter setting

being adjusted, the altimeter will indicate

 

A  :  the actual altitude above sea level.

B  :  higher than the actual altitude above sea level.

C  :  lower than the actual altitude above sea level.

 

 

low pressure:低気圧

high pressure:高気圧

without:~なしで

being adjusted:調整される

above sea level:海抜

Q3の音声

 

 

はい。いかがでしたでしょうか?

余裕でしたか?

 

それとも英語で問われると

戸惑ってしまいますか?

 

それでも大丈夫ですよ。

少しずつ慣れていきますから。

 

これ不思議なんですけど、

英語の問題に慣れてくると

選択肢のA・B・Cあるじゃないですか?

全部読まなくても、正解の

文章だけが浮き上がって見えてくるような

感覚になってくるんですよ。

 

まあ、そうなるには

くり返し取り組むことが

必要なんですけどね。

 

でも、空を飛ぶ夢を叶えるためです。

一緒にやり遂げましょう!

 

分からないことがあったら

何でも構いませんので

気軽に質問してくださいね。

 

あなたの力になれるブログに

したいと思っていますので

よろしくお願いします!

 

それでは、引き続き

頑張っていきましょう!

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

 

ではまた!

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