機体にかかる力とは・・・?

Aerodynamics

[Aerodynamics:空気力学]

 

こんにちは!

パイロット免許への水先案内人・須永です!

 

今日も暑かったですね。

群馬は真夏日でした。

まだ5月なんですけどね。

体調管理に気をつけて

乗り切っていきましょう。

 

 

前回は飛行機のターンについて解説を

させていただきました。

 

飛行機がターンをするとき

バンク角をとるのは

揚力の水平成分(Horizontal Component)を

使っているということでしたね。

 

さて、この揚力なんですが、

飛行中の飛行機にかかる

主な4つの力のうちの一つですね。

 

もう覚えていますよね。

 

そうです。

推力・抗力・揚力・重力の4つです。

 

等速水平飛行(Unaccelerated Level Flight)中には

機体の重量を支えるだけの揚力を

主翼は常に生み出しているんですね。

 

ちょっと想像してみてください。

大型旅客機が離陸していくとき

重たい機体を空中に浮かせるために

主翼はぐにゅーって撓りますよね。

主翼には胴体の重量を

支える力が上向きにかかります。

 

機体の重量のほとんどは

胴体が占めているので力の作用点が

ずれていることになります。

 

揚力は主翼に対して上向きの

大きく曲げる力が作用するわけですね。

 

一番力が加わるところが翼の付け根です。

 

胴体に視点を移せば

機首付近や後部は揚力の発生源となる

主翼から離れていますし、

胴体は揚力を生みません。

 

ということは機体を横から見た場合

主翼部を支点に機首と後部は重力に沿って

下へ曲がろうとする力、

簡単にいうと胴体はへの字に曲がろうとする

力が働いているんですよ。

 

このように翼や胴体に働いている

これらのストレスに耐えられるように

機体は作られているんですね。

 

 

そこで今回は

「荷重倍数」について

お話させていただきます。

 

荷重倍数(Load Factor)とは

航空機に働く荷重(外から受ける力)と

航空機の重量との比をいいます。

 

飛行機が等速水平飛行(Unaccelerated Level Flight)を

している場合、

翼には飛行機の重量につり合う揚力(荷重になる)が

生まれているので荷重倍数は1になります。

 

これが基準の重力1Gということなんですね。

 

飛行機がターンのためにバンクを取っているとき

揚力も増します。

つまり、荷重も増すということなんです。

バンクが深くなるほど、

このGも大きくなります。

Gが発生する方向も一方向だけではありませんよ。

ノーマル・ターンのに限らず

曲技飛行などで急降下やスピンを行った場合は

あらゆる方向にGがかかることになるのです。

 

さて、この荷重倍数(Load Factor)が増加した際に

注意しなくてはいけないことがありますよ。

 

それは、失速(Stall)に陥る速度が

速くなるということです。

 

1Gの条件ならまだ失速(Stall)しないはずの

速度でも荷重倍数(Load Factor)が大きくなると

失速(Stall)してしまうんですね。

 

そこで今日覚えていただきたい英文はこれです。

 

INCREASE  LOAD  FACTOR

stall occurs at higher airspeed

 

increase:増加する

load factor:荷重倍数

stall:失速

occurs:起こります

at higher airspeed:より高速度で

 

 

荷重倍数が大きくなるということは

その分翼はより大きな荷重を支えなくてはなりません。

たとえ臨界迎え角(Critical Angle of Attack)が

変わらないとしても

速い速度で失速(Stall)してしまうことを

肝に銘じてくださいね。

 

それから、高速時におけるターンなどの

マニューバ(Maneuver/動き・機動)を

行うことも機体には荷重がかかります。

 

翼には相当なストレスがかかります。

 

そこでもう一つ英文を覚えてしまいましょう。

 

SPEED  OF  AIRPLANE

determines excess load put on wing

 

speed of airplane:飛行機の速度

determines:決定する

excess:過多・超過

load:荷重

put on:…に置く

wing:翼

 

 

もし、1Gの条件時における

設計上の失速(Stall)速度よりも

高速時に失速(Stall)してしまったとしたら

荷重が大きいということなので

速やかに速度を落とすようにしてください。

 

そうすることで機体を守もってあげましょう。

 

 

ということで今回は荷重倍数(Load Factor)の

概要についてお話してきました。

 

次回は荷重が実際どれ位かかるものなのか

計算で値を出せるようにしたいと思います。

 

では、今回の練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

Q:During an approach to a stall,

an increase load factor will cause the airplane to

 

 

A : stall at a higher airspeed.

B : have a tendency to spin.

C : be more difficult to control.

 

During an approach:の間 接近

to a stall:失速(Stall)に向かって

an increase:一つの増加

load factor:荷重倍数

will cause:原因となるだろう

the airplane :飛行機

to:そこに向かう

tendency:傾向

difficult:難しい

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

さあ、どうでしたか?

赤字の英文フレーズを覚えてしまえば

なんてことない問題でしたよね!?

 

実際、このレベルの問題も多いですから

自信を持って今後も取り組んでくださいね。

 

間違えてしまったというあなたも

落ち込むことはありません。

 

今回の記事を10回も読み返してみてください。

絶対に知識として定着しちゃいますから。

 

とにかくコツコツが大事なんです。

歩みを止めずに頑張っていきましょう!

 

はい。今回はこれで以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

 

ではまた!

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