VORのRADIALは?と聞かれたら・・・

[Electronic Navigation : 電子航法]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

前回は、

VOR の4つの指示パターンについて

お話させていただきました。

この4つの指示パターンによって

航空機が VOR に対して

どのエリアに居るのかということは

もう理解できるようになっていますか?

前回の内容に

少し付け足しておきたいことがあります。

これは、VOR に

OBS( Omni Bearing Selector・全方位選択器)を

030° にセットしたときの例です。

この VOR に向かっているときの

OBS は、当然 030° でOKなんですが、

この VOR に向かっているときの

Radial は? と聞かれたら

何て答えますか?

Radial は直訳すると

放射状という意味なので

中心点から外に向かって

放射状に広がるというイメージになります。

ということは、VOR の周りに

表示されている Compass rose(羅針図)の

読みのままということです。

もう一度質問を確認しますよ。

VOR に向かっているということは

TO のエリアです。

つまり、赤を加えたライン上のどこかに

居るということです。

この赤を加えたラインと

Compass rose(羅針図)が交わったところを

読めば、それが Radial ということです。

例に挙げた図をもう一度

見直してみましょう。

TO 側のラインが交差するのは、何度ですか?

はい。そうですね。

210° ですね。

OBS 030° と真逆の方角ということです。

OBS 030° で当該 VOR に向かっているとき

Radial は OBS 030° と正反対の 210° なのです。

(030 + 180 = 210)

同じ OBS 030° のまま当該 VOR を

通り越した場合はFROMのエリアとなるので、

OBS 030° の Radial は 030° となりますよ。

では、上のことを踏まえて

例題を一緒に解いてみましょう。

MERCER CO RGNL 空港から

MINOT VORTAC までダイレクトに向かいます。

MINOT VORTAC は、

MINOT 国際空港に設置されているんですね。

このコースは大まかにいうと

北に向かっていますよね。

ということは OBS もザックリと

北方面であることが分かりますよね?

もし、下のように

MINOT VORTAC の Compass rose(羅針図)が

全て含まれている Chart(航空図)が

参照資料として提供されるのであれば

OBS は簡単に求められますよね。

(青い矢印のところを読むだけです)

しかし、FAA は敢えて

下のような参照資料を出してくるのです。

上部の Compass rose(羅針図)は利用できませんので

下部を使っていくということになりますよ。

針路と Compass rose(羅針図)の

交差するところは 179° です。

ということは、このコースの OBS は、

何度でしょうかね?

179 + 180 = 359° となりますね。

ただ、最初の段階で 179° が割り出されていれば

問題ないのですが、

大まかに北方面へのコースというのも

誰もが分かることです。

ただし、これは意地悪問題の類に入りますよ。

なぜかというと、選択肢の中に

359° は当然あるんですよ。

でも、他に 001° なんてのも含まれているんです。

その誤差たったの 2° です。

確かにたったの 2° の誤差なんですけど、

001° を選んでしまう人もいるんです。

これは一番最初の作業となる部分も

しっかり見られていると思ってください。

つまり、

MERCER CO RGNL 空港から

MINOT VORTAC までキチンと

直線を引くことが出来るかどうかを

見ているということなんです。

空港から空港までダイレクトに

向かうというのであれば

空港のシンボルマークの中心から

空港のシンボルマークの中心までの

直線をプロッターで引けば

問題ないはずです。

しかし、例題は

「MERCER CO RGNL 空港から

MINOT VORTAC まで」です。

空港に VORTAC や VOR などが

設置されている場合のシンボルマークを

覚えていますか?

これですよね。

滑走路の形状の中に白抜きのドットが

あるんでしたよね。

このドットの位置に設置されています。

ということは、このドットに向かって

ラインが引かれなくてはいけないんですね。

MINOT VORTAC の場所を

よく見てみましょう。

空港の全体のシンボルマークに対して

大分左よりにドットがあるのが分かりますか?

このずれが 2° の誤差を生んでしまうんです。

細かいことですが、この辺のことも

しっかりと押さえておきたいところですね。

もういくつか例題を見ていただいてから

練習問題に取り組んで欲しいと思いますので

今回も以上ということにいたします。

何度も何度も読み返すことで

しっかりと自分のものにしてください。

もし、分かり難いところや

腑に落ちないところなど

聞いてみたいことがありましたら

どんな小さなことでも

遠慮せず、質問してくださいね。

大歓迎ですよ。

ということで

引き続き頑張っていきましょう!

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

 

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