トラフィック・パターンへの進入

[Flight Operations : 運航]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

 

前回は、

Segmented Circle について

お話しさせていただきました。

 

その空港のその滑走路に

設定されている

トラフィック・パターンを

視覚的に示すシステムを

理解していただけましたか?

 

 

 

今回は、

Entering the Traffic Pattern 

についてお話したいと思います。

トラフィック・パターンへの進入ですね。

分かり切っているかと思いますが、

Traffic Pattern (場周経路) を

おさらいしておきましょう。

VFR機の離着陸する標準の飛行経路ですね。

使用滑走路を長辺の一部として

構成された長方形のコースです。

離陸後そのままのヘディングで上昇する

アップウインド・レグ。

90°旋回するクロスウインド・レグ。

そこらか90°旋回するダウンウインド・レグ。

更に90°旋回するベース・レグ。

もう一度90°旋回してファイナル・レグに

入ります。

離着陸を連続で行う

タッチ&ゴーは、この経路に沿って

実施されるわけですね。

図のように左旋回する経路

(レフトハンド・トラフィック)を

標準パターンと呼んでいます。

空港の立地条件等により

右旋回経路

(ライトハンド・トラフィック)を

採用しているところもあることは

ご存知の通りです。

さて、訓練から戻り着陸するときや

他の空港へ着陸する際、

このパターンに入るわけですが、

特にコントロールタワーのない空港の

パターンへの進入方法について

お話したいと思います。

推奨されるやり方は

45°の角度からダウンウインド・レグに

入るということです。

ダウンウインド・レグといっても

長さがあるものですから

どこでも良いというわけではありません。

では一体どこなのか?というと・・・

ランウェイの長さの中間地点に当たる位置から

進入するということなんですね。

そして大事なのは、進入する際の高度は

そのパターンに設定されている高度ということです。

いつも利用しているベース空港であれば、

嫌でもパターン高度は頭に入っていますよね。

他の空港へ飛行する際は、

事前に Chart Supplement 等で

チェックしておきましょう。

なぜ、ダウンウインド・レグ

中間地点45°から

更にパターン高度で進入するのでしょう?

それは、パターン内に

他の航空機が飛行している場合、

いち早くその存在を視認できる

位置関係だからなんですね。

また、この標準的な進入方法を

共通認識していれば、

外から入ってきた貴方の機体を

他のパイロットが発見しやすくなるので

お互いに衝突の危険を避けることにも

繋がるということですね。

ただし、もう一つ考えて欲しいのは

空港へ向かっているのが

ダウンウインド側からなら

推奨されるエントリーのやり方が

スムーズに実行されることは

イメージしやすいと思います。

もし、反対側からのアプローチだとしたら

どうしたら良いと思いますか?

その場合は、

一度滑走路を横切ります。

もちろんトラフィック・パターン高度よりも

高い高度でですよ。

十分な空港との距離を確保した後、

高度を徐々に下げながら

270°のライトターンをしてダウンウインド・レグに

進入するという方法です。

それを表したのが下の図です。

これに対して、

滑走路を横切ったらすぐレフトターンで

直接ダウンウインド・レグに入る方法は

衝突のリスクが高いので

FAAの手順としては存在していません。

気をつけてくださいね。

はい。では、一つだけ

練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・

Q  :  The recommended entry position to an airport traffic pattern is

A  :  45° to the base leg just below traffic pattern altitude.

B  :  to enter 45° at the midpoint of the downwind leg at traffic pattern altitude.

C  :  to cross directly over the airport at traffic pattern altitude and join the downwind leg.

The recommended entry position

:推奨される 進入位置は

to an airport traffic pattern is

:空港 場周経路への  ~です

45° to the base leg just below traffic pattern altitude.

:ベース・レグに45° 少し低い トラフィック・パターン高度より

to enter 45° at the midpoint of the downwind leg at traffic pattern altitude.

:入ること45°で 中間地点に ダウンウインド・レグの トラフィック・パターン高度で

to cross directly over the airport at traffic pattern altitude

:横切ること 空港真上を トラフィック・パターン高度で

and join the downwind leg.

:その後 入る ダウンウインド・レグに

自力で回答してから

音声を聞いてください。

はい。どうでしたか?

特に、ノンタワーの空港における運航は

パイロット同士の位置報告等で

それぞれのポジションと意図することを

確認しながらの飛行ですので

決められた手順や方法で行うことが

とても大切なんだということですね。

命にかかわりますので

自分勝手な飛行は絶対にやめましょうね。

はい。

ということで、今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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コメント

  1. 川畑 三樹 より:

    ダウンウインドとトラフィックパターンの距離(間隔)は空港によって異なるのでしょうか
    例えばセスナは1マイル、JETは2マイル等
    規程はありますか?