Pilot in Command Authority (機長の権限)

[FAR : 連邦航空規則]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

前回は、

Night Currency (夜間の最近の飛行経験)

についてお話しさせていただきました。

夜間、乗客を乗せて飛行するため

90日以内に3回の離着陸の飛行経験の

カウント方法が

日中とは違うことと

夜間の定義について

理解していただけましたか?

 

回は、

Pilot in Command Authority (機長の権限)

についてお話したいと思います。

機長にはその航空機の飛行に関して

直接の責任があり

最終的な権限も与えられているのです。

航空機の機長が背負うものは非常に重要です。

なぜなら,

その航空機がどんな状態で

どこへ向かおうとしているのかを

把握できる唯一の存在だからです。

PILOT IN COMMAND

Operation of the aircraft

Directly responsible

Final authority

PILOT IN COMMAND

:機長

Operation of the aircraft

:運航 航空機の

Directly responsible

:直接の責任

Final authority

:最終目的な権限

航空機は安全な乗り物ですが、

絶対に重大な問題が

発生しないとも限りませんので、

常に対応できるように

準備しておかなければなりません。

仮に問題が発生した場合には

直ちにそれに対応すべき行動を

とらなければいけないのです。

そこで、

飛行中の緊急事態に対処するために

必要であればその範囲内で

どんな規則をも逸脱することが許されています。

IN-FLIGHT EMERGENCY NEEDING IMMEDIATE ACTION

PIC may deviate from any regulation to meet that emergency

IN-FLIGHT EMERGENCY NEEDING IMMEDIATE ACTION

:飛行中の緊急事態 要する 即座の行動

PIC may deviate from any regulation to meet that emergency

:機長は逸脱できる どんな規則も 対処するため 緊急事態に

当然と言えば当然ですよね。

もしもエンジンがストップしてしまったら

安全な飛行続行は不可能ですから

直ちに不時着という行動を

起こさなくてはいけません。

その際、高度やコースの維持

などということは言ってられませんからね。

優先順位を適切に判断することが

何よりも重要だということです。

万が一、

緊急事態が起こってしまった場合ですが、

FAA連邦航空局の管理官からの

要請がなければ報告書の提出の必要もありません。

WRITTEN REPORT NOT REQUIRED

Unless requested

WRITTEN REPORT NOT REQUIRED

:報告書 必要とされない

Unless requested

:要請されない限り

たとえ連邦航空規則を破ったとしても

それはあくまでも緊急事態に

対処するためであったということで

当局からの要請がない限り

報告書提出の義務はないということです。

このような表記ですと

要請される事は稀だと思います。

しかし、もしもの時に慌てないように

記憶が鮮明なうちに

自発的にまとめておくのも

良いかも知れませんね。

さて、機長の別の責任についても

お伝えしておきましょう。

機長は全てのフライトの前に

乗客に対して

プリフライトブリーフィングを

行わなくてはいけません。

シートベルトなどの機内の安全装備や

緊急事態の際の航空機からの

脱出手順などについてです。

エアラインでは、

出発前に客室乗務員からの説明や

手順や操作の説明動画を観せられますよね。

小型機では、機長であるあなたが

乗客に説明しなくてはいけませんよ。

PRE-FLIGHT BRIEFING OF PASSENGERS

Safety equipment

How to exit aircraft in emergency

PRE-FLIGHT BRIEFING OF PASSENGERS

:プリフライトブリーフィング 乗客の

Safety equipment

:安全装備

How to exit aircraft in emergency

:緊急時脱出方法(手順)

<まとめ>

Pilot in Command Authority (機長の権限)

Pilot in Command (PIC)

◎運航の最高責任者で最終的な権限を持つ

◎緊急時にはどんな規則も逸脱できる

緊急事態の報告書

◎要請されない限り提出義務はなし

出発前のブリーフィング

◎機長は機内の安全装備や

 緊急時脱出手順など

 乗客に説明しなくてはいけない

では、早速ですが

練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・

Q1  :  The final authority as to the operation of an aircraft is the

A  :  Federal Aviation Administration.

B  :  pilot in command.

C  :  aircraft manufacturer.

The final authority as to the operation of an aircraft is the

:最終的な権限を持つのは 航空機の運航で ・・・です

Federal Aviation Administration.

:アメリカ連邦航空局

pilot in command.

:機長

aircraft manufacturer.

:航空機 製造会社

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q2  :  If an in-flight emergency requires immediate action, the pilot in command may

A  :  deviate from any rule of 14 CFR part 91 to the extent required to meet the emergency, but must submit a written report to the administrator within 24 hours.

B  :  deviate from any rule of 14 CFR part 91 to the extent required to meet that emergency.

C  :  not deviate from any rule of 14 CFR part 91 unless prior to the deviation approval is granted by the administrator.

If an in-flight emergency requires immediate action,

:もし飛行中の緊急事態のため 即座の行動が必要な場合

the pilot in command may

:パイロットはしても良い

deviate from any rule of 14 CFR part 91

:逸脱する FARパート91を

to the extent required to meet the emergency,

:範囲内で 緊急事態に対処するための

but must submit a written report to the administrator within 24 hours.

:しかし、管理者に書面での報告書を提出しなくてはいけない 24時間以内に

deviate from any rule of 14 CFR part 91

:逸脱する FARパート91を

to the extent required to meet that emergency.

:範囲内で 緊急事態に対処するための

not deviate from any rule of 14 CFR part 91

:逸脱できない FARパート91を

unless prior to the deviation approval is granted by the administrator.

:逸脱の前に承認が管理者によって与えられない限り

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・

Q3  :  When must a pilot who deviates from a regulation during an emergency send a written report of that deviation to the administrator?

A  :  within 7 days.

B  :  within 10 days.

C  :  upon request.

When must a pilot who deviates from a regulation during an emergency

:いつですか 緊急時に規則を逸脱した パイロットが

send a written report of that deviation to the administrator?

:送らなければならないのは 逸脱の報告書を 管理者に

within 7 days.

:7日以内

within 10 days.

:10日以内

upon request.

:要請され次第

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q4  :  Pre-takeoff briefing of passengers about the use of seatbelts for a flight is the responsibility of

A  :  all passengers.

B  :  the pilot in command.

C  :  a crewmember.

Pre-takeoff briefing of passengers about the use of seatbelts for a flight

:乗客へのプリフライトブリーフィングは シートベルトの使用について 飛行の

is the responsibility of

:責任である ・・・の

all passengers.

:全乗客

the pilot in command.

:機長

a crewmember.

:乗組員

自力で回答してから音声を聞いてください。

はい。どうでしたか?

Q2 の中に

まだ触れていない語句がありましたね。

申し訳ございません。

補足説明しておきますね。

CFR とは、

Cord of Federal Regulations の略で

連邦規則集ということです。

その規則集の中の

タイトル 14 というのが

Aeronautics and Space (航空と宇宙)

の巻になります。

Federal Aviation Regulations

とも呼ばれていてます。

いわゆるこれが FAR (連邦航空規則) 

タイトル 14 にギッシリ詰まっているわけです。

その中の part 91 の 3 項に

機長の責任と権限について

記載されているんですね。

CFR の公式サイトのリンクを貼っておきます。

PC で開けば日本語訳になりますから

必要なところをご自身で

確認してみてください。

http://www.ecfr.gov/cgi-bin/ECFR?page=browse

何度も言いますが

規則に関しては

覚えるしかないのです。

とは言っても

全てを丸暗記しなくて大丈夫です。

プライベートパイロットの筆記テストに

必要な部分だけを取り上げていきますからね。

上記のサイトを上手に活用して

身につけていってください。

ということで、今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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