[FAR : 連邦航空規則]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Recency and Flight Reviews (近況とフライトレヴュー)
についてお話しさせていただきました。
プライベートパイロットや
レクレーショナルパイロットは
24ヶ月に一度は
フライトレヴューが必要であることと
乗客を乗せてフライトするは
90日以内に3回の離着陸の実施が
必要であることを
理解していただけましたか?
今回は、
Night Currency (夜間の最近の飛行経験)
についてお話したいと思います。
もし乗客を乗せてフライトしたい場合は、
90日以内に3回の離着陸を
実施していなければならないことは
既にご存知ですよね。
では、これが夜間飛行だとしたら
必要とされる条件は変わるのでしょうか?
そんな尋ね方をしたら変わるんでしょ?って
思いますよね。
はい。その通りです。
変わります。
日中のフライトであれば
3回の離着陸は Touch and Go でも
Full stop どちらでも OK でしたね。
ところが、
夜間飛行の場合は前もって夜間に
Full stop の離着陸を実施しなければなりません。
それ以外は90日以内ということも
同じカテゴリーとクラスの航空機で
行われるという点は同じです。
NIGHT CURRENCY TO CARRY PASSENGERS
3 takeoffs and landings
In last 90 days
At night
To full stop
In same category and class
NIGHT CURRENCY TO CARRY PASSENGERS
:夜間の最近の飛行経験 乗客を運ぶための
3 takeoffs and landings
:3回の離着陸
In last 90 days
:最近の90日内で
At night
:夜間に
To full stop
:フルストップで
In same category and class
:同じカテゴリーとクラスで
ところで、夜間での3回の離着陸を
実施していれば
日中に乗客を乗せるフライトに
必要な条件を満たすことはできるのです。
しかし、逆に日中での離着陸の回数は
夜間飛行で乗客を乗せるための
フライトに必要な条件にはカウントされません。
夜間飛行で乗客を乗せるためには
前もって夜間での離着陸が必須となります。
TAKEOFFS AND LANDINGS
Night currency counts for day also
Day currency does not count for night
TAKEOFFS AND LANDINGS
:離陸と着陸
Night currency counts for day also
:夜間の最近の飛行経験の回数は 日中の必要数にカウントできる
Day currency does not count for night
:日中の最近の飛行経験の回数は 夜間の必要数にカウントできない
ですので
日中も夜間も乗客を乗せたいのであれば
1番早く必要条件を満たせる方法として
夜間に3回の Full stop の離着陸を
実施すれば良いということです。
では、そもそも夜間の定義とは
どうなっているのでしょうか?
実は、目的によって
夜間の定義は変わるのです。
今回の話のように
夜間乗客を乗せてフライトをするため
3回の離着陸の実施回数を
数える場合のための
「夜間」というのは、
日の入りから1時間後から始まり
日の出の1時間前までの時間帯を
夜間と定義しています。
NIGHTTIME FOR NIGHT LANDING CURRENCY
1 hour after sunset
1 hour before sunrise
NIGHTTIME FOR NIGHT LANDING CURRENCY
:「夜間」 夜間の着陸経験としての
1 hour after sunset
:1時間後 日の入り(から)
1 hour before sunrise
:1時間前 日の出(まで)
仮に、
日没時間が 18:30 だとすると
夜間に乗客を乗せる目的で
離着陸の実施回数を数えるための飛行は
19:29 までは
カウントすることが出来ません。
19:30以降
ようやくカウントできる時間帯に
なるということですね。
ただ気をつけて欲しいのは
それ以外の公式な夜間の時間帯
(ログブックに記入するための時間区分)というのは、
夕方が終わる市民薄明から朝が始まる市民薄明の間
と定義されています。
市民薄明とは、
3種類の薄明(市民・航海・天文)のうち
太陽の中心の高さが
日の入り・日の出の際
地平線又は水平線の下6度までの
時間を指し空は十分に明るく、
人工の照明を使わずとも
活動できる時間帯のことです。
おおよそ
日の入りから30分後〜
日の出30分前までの時間帯となります。
OFFICIAL NIGHTTIME
(For logging night time)
From end of evening civil twilight
To start of morning civil twilight
OFFICIAL NIGHTTIME
:公式夜間
(For logging night time)
:記録のための夜間
From end of evening civil twilight
:夕方の市民薄明の終りから
To start of morning civil twilight
:朝方の市民薄明の始まりまで
ややこしいのですが
ここだけはしっかり区別して
覚えてくださいね。
<まとめ>
Recency and Flight Reviews (近況とフライトレヴュー)
Night Currency to Carry Passengers
◎90日以内に夜間での3回のフルストップ離着陸
同じカテゴリー、クラスの航空機で
◎夜間の飛行経験の回数は、日中の必要数にカウントできる
◎日中の飛行経験の回数は、夜間の必要数にカウントできない
Nighttime for Night Landing Currency
◎日の入り1時間後から日の出1時間前まで
Official Nighttime
◎夕方の市民薄明の終りから
朝方の市民薄明の始まりまで
はい。では、練習問題にトライしてみましょう!
・・・・・・・・・・・・・・・
Q1 : The definition of night time is
A : sunset to sunrise.
B : 1 hour after sunset to 1 hour before sunrise.
C : the time between the end of evening civil twilight and the beginning of morning civil twilight.
The definition of night time is
:夜間の定義は ・・・です
sunset to sunrise.
:日の入りから日の出まで
1 hour after sunset to 1 hour before sunrise.
:日の入り1時間後から日の出1時間前まで
the time between the end of evening civil twilight and the beginning of morning civil twilight.
:夕方の市民薄明の終りと朝方の市民薄明の始まりの間
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q2 : The three takeoffs and landings that are required to act as pilot in command at night must be done during the time period from
A : sunset to sunrise.
B : 1 hour after sunset to 1 hour before sunrise.
C : the time between the end of evening civil twilight and the beginning of morning civil twilight.
The three takeoffs and landings that are required
:必要とされる3回の離着陸は
to act as pilot in command at night
:夜間機長として活動するため
must be done during the time period from
:・・・の時間内に行われなければならない
sunset to sunrise.
:日の入りから日の出まで
1 hour after sunset to 1 hour before sunrise.
:日の入り1時間後から日の出1時間前まで
the time between the end of evening civil twilight and the beginning of morning civil twilight.
:夕方の市民薄明の終りと朝方の市民薄明の始まりの間
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q3 : To meet the recency of experience requirements to act as pilot in command carrying passengers at night, a pilot must have at least three takeoffs and three landings to a full stop within the preceding 90 days in
A : the same category and class of aircraft to be used.
B : the same type of aircraft be used.
C : any aircraft.
To meet the recency of experience requirements
:経験条件を満たすため
to act as pilot in command carrying passengers at night,
:機長として乗客を運ぶこと 夜間に
a pilot must have at least three takeoffs and three landings to a full stop
:パイロットは少なくとも3回のフルストップ離着陸を実施しなければならない
within the preceding 90 days in
:遡って90日以内に
the same category and class of aircraft to be used.
:同じカテゴリーとクラスの使用される航空機で
the same type of aircraft be used.
:同じタイプの使用される航空機で
any aircraft.
:どんな航空機でも
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
はい。どうでしたか?
夜間飛行に必要とされる
飛行経験は当然ながら
夜間に実施しなければならない
ということと
離着陸はフルストップで
行われなくてはいけない
ということですね。
その経験を積む際に必要とされる
夜間の定義と
公式の夜間の定義に
違いがあるということを
しっかりと押さえておいてくださいね。
規則って面倒くさいですが、
覚えるしかないので
頑張っていきましょう。
ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
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