[FAR : 連邦航空規則]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Pilot Documents Required (必要とされるパイロットの証明書)
についてお話しさせていただきました。
必要な書類は、3つありましたね。
それぞれの頭文字をとった
キーワード PPM は、
もう覚えてしまいましたか?
今回は、
Medical Certificates (健康診断書)
についてお話したいと思います。
近年 FAA は、新しい Basic Med という
プログラムを用いて従来の航空身体検査を
受けずに飛ぶことが出来る方式の
運用を行っているようです。
プログラムの要件を満たしていれば、
Basic Med では、有効な州発行の
運転免許証とパイロット証明書を所持して
飛行することができるようなのですが、
基本的にこのブログを読んでいる
あなたは (私も含めて)
アメリカの運転免許証は持っていせんので、
従来の健康診断書について
説明していくことにしますね。
当然プライベートパイロットとして
飛ぶためには健康診断書が必要です。
この健康診断書には
3つのクラスがあるんですね。
MEDICAL CERTIFICATE
First Class
Second Class
Third Class
MEDICAL CERTIFICATE
:健康診断書
First Class
:ファーストクラス
Second Class
:セカンドクラス
Third Class
:サードクラス
このうち
ファーストクラスとセカンドクラスの
健康診断書は商業運航向けに
必要とされているんです。
1st or 2nd
CLASS MEDICAL
Required for commercial operations
1st or 2nd
:ファースト又はセカンド
CLASS MEDICAL
:クラスの健康診断書
Required for commercial operations
:必要とされる 商業運航のため
例えば、
1stクラスの健康診断書が
必要とされるのはラインパイロットです。
1st CLASS MEDICAL
Pilot of an airliner
1st CLASS MEDICAL
:ファーストクラス健康診断書
Pilot of an airliner
:ラインパイロット
ラインパイロット以外の
コマーシャルパイロットは
セカンドクラスの診断書が必要となりますよ。
2nd CLASS MEDICAL
Other commercial operations
2nd CLASS MEDICAL
:セカンドクラス健康診断書
Other commercial operations
:その他の商業運航
さて、
ファーストクラスの有効期間はというと
40歳未満であれば 12ヶ月
40歳を超ていれば 6ヶ月となっています。
First CLASS
Under 40 : valid 12 months
Over 40 : valid 6 months
First CLASS
:ファーストクラス
Under 40 : valid 12 months
:40歳未満 有効12ヶ月
Over 40 : valid 6 months
:40歳以上 有効6ヵ月
有効期間満了までに
メディカルチェックを受けて更新しなければ
満了時と同時にセカンドクラスに格下げとなります。
First Class
Downgrade to second class after expiration
First Class
:ファーストクラス
Downgrade to second class after expiration
:格下げ セカンドクラスへ 有効期限満了後
このセカンドクラスですが、
実は年齢に関わらず、
有効期間は12ヶ月なんです。
Second Class
Valid for 12 months
Any age
Second Class
:セカンドクラス
Valid for 12 months
:有効12ヶ月
Any age
:何歳でも
こちらも
有効期間満了までに
メディカルチェックを受けて更新しなければ
満了時と同時にサードクラスに格下げとなります。
Second Class
Downgrades to third class after expiration
Second Class
:セカンドクラス
Downgrades to third class after expiration
:格下げ サードクラスへ 有効期限満了後
さて、一番下のクラスがサードクラスで
プライベートパイロットの運航に
必要な健康診断書ということです。
3rd CLASS
Private pilot operations
3rd CLASS
:サードクラス
Private pilot operations
:プライベートパイロットの運航
プライベートパイロットの健康診断書の
有効期間に関しては年齢と発行日によって
決定されますよ。
PRIVATE PILOT
Medical expiration depends on age when certificate issued
PRIVATE PILOT
:プライベートパイロット
Medical expiration depends on age when certificate issued
:健康診断書の満期 年齢と発行日による
40歳未満であれば有効期間は5年です。
月でいうと60ヶ月です。
最終月の月末が満了期日となります。
LESS THAN 40
Valid for 5 years
(60 months)
Valid to end of month
LESS THAN 40
:40歳未満
Valid for 5 years
(60 months)
:有効5年(60ヶ月)
Valid to end of month
:月の最後まで有効
40歳以上の場合、
有効期間は、2年 (24ヶ月) で
発行月の月末が満了期日です。
40 OR OLDER
Valid for 2 years
(24 months)
Valid to end of month
40 OR OLDER
:40歳以上
Valid for 2 years
(24 months)
:有効2年(24ヶ月)
Valid to end of month
:月の最後まで有効
くり返しになりますが、
サードクラスの健康診断書の
有効期限は、
パイロットの年齢によって
期間が決まっています。
40歳未満が、5年で
40歳以上が、2年ということです。
LESS THAN 40
Good for 5 years
40 OR OLDER
Good for 2 years
さて、健康診断書には
3つのクラスがあることは分かりましたね。
そこで覚えて欲しいことは
上のクラスの診断書は
下のクラスをカバーしているということです。
言い方を変えると
サードクラスの診断書では
エアラインの乗務は出来ませんが、
ファースクラスの診断書を持っていれば
エアライン以外の商業フライトや
プライベートのフライトは
問題なく行えるのです。
また、
下のクラスの範囲のフライトであれば
有効期間もそれに合わせて
伸ばすことが許されています。
例えば、
ファーストクラスの健康診断書を
所有しているパイロットが
プライベートの飛行を行う際の
診断書の有効期限はいつになるか?
と問われたら答えられますか?
エアラインの業務を遂行するための
ファーストクラスの健康診断書の有効期間は
12ヶ月 (40歳未満) または
6ヶ月 (40歳以上) と定められていますよね。
しかし、この診断書を用いて
プライベートパイロットとして飛ぶだけなら、
サードクラスの有効期間が適用されるのです。
具体的な例を挙げて見てみましょう。
下記の診断書を持ったパイロットが
プライベートパイロットとしての
フライトを行う場合、
現在所有している診断書の
有効期間は、どうなるのか?
1st CLASS MEDICAL
Age 23
Issued on Oct. 21
考え方として
プライベートパイロットの運航なので
年齢さえ決まれば、有効期間は
5年なのか? 2年なのか?
だけですね。
このケースでは23歳 (40歳未満) なので、
有効期間は5年間となります。
更に10月21日に発行されていますから、
5年後の10月31日 (その月の最終日) が
満了日ということです。
Good for 5 years
Expires Oct. 31, 5 years later
Good for 5 years
:有効5年
Expires Oct. 31, 5 years later
:切れる 10/31、5年後の
次に、7月15日発行の
セカンドクラス健康診断書を
有するパイロットが
プライベートパイロットの
運航を行う場合、この証明書の
有効期間はいつまででしょう?
下記の例を見ると
年齢が42歳なので、有効は2年間です。
満了日は2年後の7月31日になります。
2nd CLASS MEDICAL
Age 42
Issued on July 15
2nd CLASS MEDICAL
:セカンドクラス健康診断書
Age 42
:42歳
Issued on July 15
:7/15 発行
Good for 2 yeas
Expires July 31, 2 years later
Good for 2 yeas
:有効2年
Expires July 31, 2 years later
:切れる 7/31、2年後の
では、もう一つです。
8月10日発行の
サードクラス健康診断書を所有する36歳の者が
プライベートパイロットとして
運航を行う場合の健康診断書の有効期間は?
36歳なので5年間ですね。
5年後の8月31日が満了日となります。
3rd CLASS MEDICAL
Age 36
Issued on August 10
3rd CLASS MEDICAL
:サードクラス健康診断書
Age 36
:36歳
Issued on August 10
:8/10 発行
Good for 5 years
Expires August 31, 5 years later
Good for 5 years
:有効5年
Expires August 31, 5 years later
:切れる 8/31、5年後の
以上のことから
プライベートパイロットとして
空を飛ぶのであれば、
上級クラスの健康診断書を持っていても
クラスごとに定められた有効期間に
縛られることはありません。
単純に年齢と発行日よって
有効期間が決定するということです。
MEDICAL EXPIRATION DATE
FOR PRIVATE OPERATIONS
Based only on age when certificate is issued
MEDICAL EXPIRATION DATE
:健康診断書 満了日
FOR PRIVATE OPERATIONS
:プライベートパイロットの運航のための
Based only on age when certificate is issued
:~を基準に 年齢と診断書が発行されたときだけ
さて、これらの健康診断書を手に入れるには
航空身体検査専門の検査官の
チェックを受けなくてなりませんよ。
AVIATION MEDICAL EXAMINER (AME)
:航空医療検査官
あなたがお世話になるフライトスクールで
紹介してもらえるはずので
特に心配することもないと思いますが、
自分で調べたいという方は
FAAのホームページから検索もできますよ。
Licenses & Certificates から入っていってください。
<まとめ>
Medical Certificates (健康診断書)
3つのクラス
◎First Class(エアライン)
◎Second class(エアライン以外の商業飛行)
◎Third Class(プライベートパイロット)
有効期間
◎First
12ヶ月 (40歳未満) または
6ヶ月 (40歳以上)
◎Second
年齢に関わらず、有効期間は12ヶ月
◎Third
40歳未満 5年後の発行月の月末まで
40歳以上 2年後の発行月の月末まで
はい。ということで、
練習問題にトライしてみましょう!
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Q1 : A Third Class Medical Certificate is issued to a 36-year-old Pilot on August 10, this year. To exercise the privileges of a private pilot certificate, the medical certificate will be valid until midnight on
A : August 10, 2 years later.
B : August 31, 5 years later.
C : August 31, 2 years later.
A Third Class Medical Certificate is issued
:サードクラス健康診断書 発行された
to a 36-year-old Pilot on August 10, this year.
:36歳のパイロットに 8/10 今年
To exercise the privileges of a private pilot certificate,
:行使するには プライベートパイロット証明書の特権を
the medical certificate will be valid until midnight on
:健康診断書 有効です ~の24時まで
August 10, 2 years later.
:8/10、2年後の
August 31, 5 years later.
:8/31、5年後の
August 31, 2 years later.
:8/31、2年後の
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q2 : For private pilot operations, a Second Class Medical Certificate issued to a 42-year-old pilot on July 15, this year, will expire at midnight on
A : July 15, 2 years later.
B : July 31, 1 year later.
C : July 31, 2 years later.
For private pilot operations,
:プライベートパイロットの運航のためには
a Second Class Medical Certificate issued to a 42-year-old pilot on July 15, this year,
:セカンドクラス健康診断書 42歳のパイロットに発行された 7/15 今年の
will expire at midnight on
:期限切れになる ~の24時に
July 15, 2 years later.
:7/15、2年後の
July 31, 1 year later.
:7/31、1年後の
July 31, 2 years later.
:7/31、2年後の
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q3 : For private pilot operations, a First Class Medical Certificate issued to a 23-year-old pilot on October 21, this year, will expire at midnight on
A : October 21, 2 years later.
B : October 31, next year.
C : October 31, 5 years later.
For private pilot operations,
:プライベートパイロットの運航のためには
a First Class Medical Certificate issued to a 23-year-old pilot on October 21, this year,
:ファーストクラス健康診断書 23歳のパイロットに発行された 10/21 今年の
will expire at midnight on
:期限切れになる ~の24時に
October 21, 2 years later.
:10/21、2年後の
October 31, next year.
:10/31、来年の
October 31, 5 years later.
:10/31、5年後の
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
はい。どうでしたか?
あなたが当面の目標として
取得を目指している
プライベートパイロットの免許では
ファーストクラスの健康診断書も
セカンドクラスの健康診断書も必要ありません。
ですが、プライベートパイロットの筆記テストでは
ファーストクラスとセカンドクラスの
健康診断書の有効期限が問われます。
特に上のクラスの診断書を用いて
プライベートパイロットの範囲内の
飛行をする場合のケースについてです。
何度も読み返して
出題パターンに慣れてしまいましょう。
はい。ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
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