[FAR : 連邦航空規則]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Aircraft Documents Required (必要な航空機の文書)
についてお話しさせていただきました。
車の車検証は常に
車載しておくことが
義務づけられていますね。
航空機も同じように
搭載しておかなければいけない
文書があるということで
それぞの頭文字をとった
A R O W は
覚えていただけましたか?
今回は、
High Performance and Complex Airplanes, Glider Towing
(高性能で複雑な飛行機、グライダーけん引)
についてお話したいと思います。
プライベートパイロットには
いくつかの制限があるんです。
High-performance (高性能) の飛行機と
Complex (複雑な) 飛行機を飛行する場合に
関係してくるんですね。
まず、高性能の飛行機とは
200馬力以上の出力を持ったものです。
HIGH-PERFORMANCE AIRPLANE
More than 200 horsepower
HIGH-PERFORMANCE AIRPLANE
:高性能 飛行機
More than 200 horsepower
:以上 200馬力
Beechcraft の Bonanza は
High-performance であり
Complex の
飛行機でもあるんですね。
次に複雑な飛行機とは
引き込み式の着陸装置 (ランディングギア)、
フラップ、制御可能なピッチプロペラを
装備した飛行機と定義されています。
COMPLEX AIRPLANE
Retractable landing gear
Flaps
Controllable propeller
COMPLEX AIRPLANE
:複雑な飛行機
Retractable landing gear
:引き込み式ランディングギア
Flaps
:フラップ
Controllable propeller
:可変式プロペラ
Complex airplane といった場合、
エンジンの馬力は関係ありません。
上記の装置が装備された時点で
複雑な飛行機となるわけです。
さて、これらの機体を操縦するには、
High-performance であれ、Complex であれ
どちらの機体で飛ぶにしても、
事前に在学で知識を学んで
実際のフライトトレーニングをして
インストラクターからの承認を
得てからでなければ
機長として飛ぶことはできません。
ただし、フライトトレーニングに関しては
実機ではなくシミュレータによる
訓練でも OK とされています。
HIGH PERFORMANCE OR COMPLEX ENDORSMENT
Ground training
Flight training
(can be done in simulator)
HIGH PERFORMANCE OR COMPLEX ENDORSMENT
:ハイパフォーマンス 又は コンプレックス 承認(裏書き)
Ground training
:座学
Flight training
(can be done in simulator)
:飛行訓練(シミュレーターも可)
トレーニングを受けて
インストラクターから承認をしてもえると
あなたのログブックに承認 (裏書き) を
してもらうことになります。
ただし High-performance と Complex は
それぞれ別々の承認となっているので
両方の機体に乗りたいのであれば、
2つの裏書きが必要だということです。
LOGBOOK ENDORSEMENT
By flight instructor in your logbook
Separate endorsements for each complex and high performance
LOGBOOK ENDORSEMENT
:ログブック 承認(裏書き)
By flight instructor in your logbook
:フライトインストラクターにより あなたのログブックへ
Separate endorsements for each complex and high performance
:別の 承認(裏書き)それぞれ コンプレックスとハイパフォーマンス
話は変わりますが、
グライダーをけん引する飛行機がありますよね。
もしプライベートパイロットが
そのけん引飛行をしたいと思ったとしても
はい。どうぞ!というわけにはいかないんですね。
通常、けん引する機体を操縦するのは
コマーシャルパイロット以上の
ライセンス所持となっています。
けん引で使用する機体と同じ
カテゴリー・クラス・タイプの機体での
機長としての飛行時間が
少なくとも100時間以上あり、
24ヶ月以内に少なくとも3回以上の
実機またはシミュレーションによる
けん引飛行を実施していなくてはなりません。
ただし、
プライベートパイロットの資格しか
持っていないパイロットがけん引をする場合は
より厳しい条件をクリアする必要があるのです。
その条件とは
グライダーをけん引する飛行機と同じカテゴリー、
同じクラス、同じタイプの機体で
100時間の飛行経験が必要とされているのです。
TO TOW A GLIDER
Need 100 hours in same category, class and type
TO TOW A GLIDER
:けん引するため グライダーを
Need 100 hours in same category, class and type
:必要 100時間 (飛行時間) 同じカテゴリー、クラス、タイプでの
さらに次のことも必要事項として
付け加えられています。
12ケ月以内に要件を満たしている
パイロットと同乗して
グライダーのけん引を
3回経験しているということです。
Make 3 glider tows within last 12 months with qualified pilot
Make 3 glider tows within last 12 months with qualified pilot
:満たす 3回のグライダーけん引 12ヶ月以内 要件を満たしているパイロットと一緒に
<まとめ>
High Performance and Complex Airplanes, Glider Towing
(高性能で複雑な飛行機、グライダーけん引)
HIGH-PERFORMANCE AIRPLANE
◎200馬力以上の出力を有する飛行機
COMPLEX AIRPLANE
◎引き込み式ランディングギア、フラップ、可変ピッチプロペラ
HIGH PERFORMANCE OR COMPLEX ENDORSMENT
◎座学と飛行訓練を受け承認 (裏書き) が必要
(飛行訓練はシミュレーターも可)
◎ハイパフォーマンス・コンプレックス
それぞれ別の承認 (裏書き) が必要
Glider Towing
◎同じカテゴリー、クラス、タイプの機体で
100時間の飛行経験が必要
◎要件を満たしているパイロットと同乗して
12ヶ月以内に3回のけん引飛行の経験を要す
では、練習問題にトライしてみましょう!
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Q1 : What is the definition of a high-performance airplane?
A : An airplane with 180 horsepower, or retractable landing gear, flaps, and a fixed-pitch propeller.
B : An airplane with a normal cruise speed in excess of 200 knots.
C : An airplane with an engine of more than 200 horsepower.
What is the definition of a high-performance airplane?
:何が定義ですか ハイパフォーマンス機の
An airplane with 180 horsepower, or retractable landing gear, flaps, and a fixed-pitch propeller.
:飛行機 180馬力の 又は引き込み式ランディングギア、フラップ、そして固定プロペラを装備した
An airplane with a normal cruise speed in excess of 200 knots.
:飛行機 通常巡行速度 超える 200ノットを
An airplane with an engine of more than 200 horsepower.
:飛行機 エンジンを持つ 200馬力以上の
・
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・
自力で回答してから音声を聞いてください。
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Q2 : Before a person holding a private pilot certificate may act as pilot in command of a high-performance airplane, that person must have
A : passed a flight test in that airplane from an FAA inspector.
B : an endorsement in that person’s logbook that he or she is competent to act as pilot in command.
C : received ground and flight instruction from an authorized flight instructor who then endorses that person’s logbook.
Before a person holding a private pilot certificate may act
:未経験のプライベートパイロット
as pilot in command of a high-performance airplane,
:機長として ハイパフォーマンス機の
that person must have
:その人は 必須です~が
passed a flight test in that airplane from an FAA inspector.
:飛行テスト合格 その飛行機での FAAの検査官による
an endorsement in that person’s logbook
:承認(裏書き) その人のログブックに
that he or she is competent to act as pilot in command.
:彼または彼女が適格であると 機長として
received ground and flight instruction from an authorized flight instructor
:座学と飛行教授を受けて 認定のフライトインストラクターから
who then endorses that person’s logbook.
:そしてインストラクターから承認(裏書き)してもらう その人のログブックに
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
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Q3 : A certificated private pilot may not act as pilot in command of an aircraft towing a glider unless there is entered in the pilot’s logbook a minimum of
A : 100 hours of pilot in command time in the aircraft category, class, and type, if required, that the pilot is using to tow a glider.
B : 200 hours of pilot in command time in the aircraft category, class, and type, if required, that the pilot is using to tow a glider.
C : 100 hours of pilot in command time in any aircraft, that the pilot is using to tow a glider.
A certificated private pilot may not act as pilot in command of an aircraft towing a glider unless
:プライベートパイロットは活動できない機長として グライダーけん引機の ~でない限り
there is entered in the pilot’s logbook a minimum of
:記入されている そのパイロットのログブックに 最低限・・・の
100 hours of pilot in command time in the aircraft category, class, and type, if required, that the pilot is using to tow a glider.
:機長としての100時間 けん引機として使う同じカテゴリー、クラス、タイプの飛行機にて
200 hours of pilot in command time in the aircraft category, class, and type, if required, that the pilot is using to tow a glider.
:機長としての200時間 けん引機として使う同じカテゴリー、クラス、タイプの飛行機にて
100 hours of pilot in command time in any aircraft, that the pilot is using to tow a glider.
:機長としての100時間 けん引機として使うどんな飛行機においての
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
はい。どうでしたか?
同じ陸上単発機ではあっても
馬力のあるハイパフォーマンス機や
引き込み式ランディングギアなどを備えた
コンプレックス機の操縦は
適正な訓練を受けて承認を得てからでないと
単にプライベートパイロット免許取得者
というだけでは機長としては
飛べないということなんですね。
コマーシャルパイロットの課程では、
これらの機体による訓練は必須です。
私が訓練で使用したのは
Piper Arrow Ⅳ という
T字尾翼の機体でした。
それまで乗り慣れていた機体と比べて
パワーも圧倒的ですし、
ランディングギアの上げ下ろしや
可変ピッチプロペラの調整など
操作すべき内容も増えますので
やはりきちんと訓練を受けてからでないと
いきなり一人では飛ばせないなという
印象でしたね。
このブログを読まれているあなたは
当然プライベートパイロット取得を
目指していると思いますが、
その先にコマーシャルや
計器飛行に向かわれる方も
いるかも知れませんね。
夢を実現してくださいね。
応援しています。
これからも頑張っていきましょう。
ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
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