さて、時は過ぎ社会人となった私でしたが、
すんなりと仕事が決まったわけではありませんでした。
就職の際も色覚異常が原因で希望した職種の
仕事には就けませんでした。
その当時、かなりの数の業種において
色盲色弱の人はそれだけで制限があったのです。
パイロットのような特殊な仕事以外でもです。
結局、自動車部品を製造している工場の
ライン作業員として社会人の一歩を歩むことになりました。
その当時の気持ちとしては本当に絶望の淵に
立っていたと言っても過言ではありません。
パイロットになれないということよりも以前に
私には職業選択の自由さえも認めてもらえない。
私は社会から必要とされていないのではないか?
「あ~、俺の人生決まってしまったなあ~。」
もうほとんど惰性で生きていたと思います。
そんなつまらない生活が始まり3ヶ月が過ぎたころの
ある日思いもよらない情報を得ました。
よく新聞に書籍の広告が載っていますよね?
目を疑うようなタイトルの本を見つけたのです。
そのタイトルは
「やっぱり治る色盲色弱」でした。
今まで治らないと思い込んでいたものですから
はっきり言って信じられませんでした。
でも、もし本当だとしたら・・・
早速取り寄せてみたのです。
その本に書かれていたことは
初めは信じられませんでした。
それはそうです。
今まで何年も治らないと思っていた色盲が
治るなんて!
しかし、世界で初めて日本人が
その治療を開発して既に2万人以上が
完治しているという内容だったのです。
居ても立っても居られなくなりました。
ダメ元で治療を受けることにしたのです。
それから週末は東京へ通院する生活が始まりました。
その治療法は簡単に言うと
目の周りにある数か所のツボに
電気の刺激を与えてやるというものでした。
初めての施術の前に色々な物の色を
覚えてくださいと言われました。
例えば、部屋に飾られた絵画であったり、
扇風機のファンであったり、
花瓶の花など様々です。
さあ、第一回目の治療開始です。・・・