[Flight Operations : 運航]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
エンジンの点火システムについて
お話しさせていただきました。
一般的な電気系統から完全に独立している
点火システムのマグネトーの仕組みは
覚えていただけましたか?
新しい用語を覚えることは
大変かも知れませんが、
飛ぶためです。
頑張っていきましょう!
今回は、
プロペラについて
お話したいと思います。
プライベートパイロットの
ライセンス取得のため
訓練に使われる機体は
コスト面などを考えて
そのほとんどが、
2人乗りの小型単発機です。
私もパイパー・トマホークという
機体で訓練を受けました。
このような練習機の多くは
Fixed Pitch Propeller (固定ピッチプロペラ) を
採用しています。
Fixed Pitch Propeller (固定ピッチプロペラ) というのは、
読んで字のごとくなんですが、
ピッチが固定されてるタイプなんですね。
このピッチとは、
プロペラのブレードに
付けられている角度のことです。
翼が揚力を生むのと同じように
プロペラは推力を発生します。
プロペラにも迎え角があるんですが、
この角度をピッチと呼んでいるんですね。
このピッチ角を固定されたタイプの
プロペラをFixed Pitch Propeller というのです。
これに対して、ピッチを変えることが
出来るタイプのプロペラもあるんですよ。
これを
Constant-Speed Propeller (定速プロペラ) と
いいます。
この Constant-Speed Propeller は
仕組みが複雑で高価なので、
少し高級な飛行機に搭載されているんです。
こちらのタイプのプロペラは
速度を一定に保てるような仕組みに
なっているんです。
ここでいう速度とは、
プロペラが回転する速度のことです。
飛行機自体の速度ではないですからね。
気をつけてくださいね。
Fixed Pitch Propeller の場合
プロペラの回転速度と機体の速度は
比例しています。
プロペラの回転速度を速くするほど
機体の前進速度も速くなります。
このことは普通に理解できますよね。
ところが、機体速度を増し続けていくと
機体の速度とプロペラの回転速度に
速度差が無くなってくるんですよ。
こうなるとプロペラの迎え角 (ピッチ) が
ほとんど無いことに等しくなってしまい
推力が得られなくなってしまうんですね。
そのため、高速で飛行するには
プロペラのピッチを変化させないと
難しいということになるんです。
Constant-Speed Propeller は
飛行機自体の速度や
エンジンの速度に関係なく
回転速度が一定になるように
プロペラの角度が変わるように
設計されているんです。
そのおかげで、飛行機の速度などに
影響されることなく最も効率の良い
プロペラの角度 (ピッチ) を維持することが
可能となっているんですね。
効率の良いピッチ角というのは、
言葉で伝えるのは少し難しいので
簡単な図をつけ加えておきますね。
この図を見れば、
イメージしやすいのではないでしょうか。
CONSTANT SPEED PROPELLER
Allows pilot to select blade angle
for most efficient performance
CONSTANT SPEED PROPELLER
:定速プロペラ
Allows pilot to select blade angle
:許す パイロットに ブレイド角を選ぶこと
for most efficient performance
:最も効率の良い パフォーマンスのため
Constant-Speed Propeller を搭載した機体の
コックピット内を見てみると
スロットル・レバー (黒) と
ミクスチャー・コントロールレバー (赤) の間に
プロペラ・コントロールレバー (青) が見えますね。
それから、Fixed Pitch Propeller 機には
付いていない計器もあるんです。
Fixed Pitch Propeller 機の場合は
エンジンの出力は RPM を
見ていれば良かったのですが、
Constant-Speed Propeller 機では、
ピッチが変わりますので、
回転数だけでは出力を把握できないのです。
そこで、Manifold Pressure 計 (左) の登場です。
これは、シリンダーに入っていく気圧を
表示するものなんです。
スロットルを開けて沢山の空気が取り込めらると
エンジンの出力が大きくなり、
シリンダー内の気圧も上がります。
反対に出力を下げると
エンジンに流れる空気量も減り
気圧も下がります。
ですので、
スロットルレバーで調整するのが、
Manifold Pressure (マニホールド・プレッシャー) です。
プロペラ・コントロールレバーで調整するのが、
エンジンの回転数 (RPM) です。
エンジンの出力に対して
回転数 (RPM) を一定に保つ役割を
持っていいるのが定速プロペラなのです。
Constant-Speed Propeller と
呼ばれる意味が分かりましたか?
さて、この Constant-Speed Propeller を
扱う上で注意すべき点が一つあります。
それは、低い回転数 (RPM) のままで
高いマニホールド・プレッシャー (MP) を
与えてはいけません。
なぜかというと
シリンダー内に高圧のストレスを
かけてしまうからです。
エンジンをいじめることになってしまいますから
気をつけましょうね。
Avoid high MP with low RPM
Avoid high MP with low RPM
:避ける 高いマニホールド・プレッシャー 低い回転数で
<まとめ>
飛行機のプロペラには2つのタイプがある
① Fixed Pitch Propeller (固定ピッチプロペラ)
② Constant-Speed Propeller (定速プロペラ)
Constant-Speed Propeller の特徴
プロペラのピッチを変えることで
飛行状況に応じて最も効率の良い
パフォーマンスを引き出せる
スロットルレバーで MP を調整
プロペラ・コントロールレバーで RPM を調整
避けるべき操作
低い RPM での 高い MP
では、練習問題にトライしてみましょう!
・・・・・・・・・・・・・・・
Q1 : How is engine operation controlled on an engine equipped with a constant-speed propeller ?
A : The throttle controls power output as registered on the manifold pressure gauge and the propeller control regulates engine RPM.
B : The throttle controls power output as registered on the manifold pressure gauge and the propeller control regulates a constant blade angle.
C : The throttle controls engine RPM as registered on the tachometer and the mixture control regulates the power output.
How is engine operation controlled
:どのようにエンジンの運転はコントロールされるのか
on an engine equipped with a constant-speed propeller
:定速プロペラが装備されたエンジンで
The throttle controls power output
:スロットルは出力をコントロールする
as registered on the manifold pressure gauge
:マニホールド・プレッシャー・ゲージに記されたように
and the propeller control regulates engine RPM
:それとプロペラ・コントロールレバーはエンジンRPMを調整する
a constant blade angle
:一定のプロペラ・ブレード角
The throttle controls engine RPM
:スロットルはエンジンRPMをコントロールする
as registered on the tachometer
:タコメーターに記されたように
and the mixture control regulates the power output
:それとミクスチャーコントロールは出力を調整する
・
・
・
自力で答えを導き出してから
音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q2 : What is an advantage of a constant-speed propeller ?
A : Permits the pilot to select and maintain a desired cruising speed.
B : Permits the pilot to select the blade angle for the most efficient performance.
C : Provides a smoother operation with stable RPM and eliminates vibrations.
What is an advantage of a constant-speed propeller ?
:定速プロペラの利点は何ですか?
Permits the pilot to select and maintain a desired cruising speed
:パイロットが選んだり望む巡行速度を維持することが可能
Permits the pilot to select the blade angle
:パイロットがブレード角を選ぶことが可能
for the most efficient performance
:最も効率の良いパフォーマンスのため
Provides a smoother operation
:よりスムーズな運転を供給する
with stable RPM and eliminates vibrations
:安定したRPMで 且つ振動を排除しながら
・
・
・
自力で答えを導き出してから
音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q3 : A precaution for the operation of an engine equipped with a constant-speed propeller is to
A : avoid high RPM setting with high manifold pressure.
B : avoid high high manifold pressure setting with low RPM.
C : always use a rich 始動していmixture with high RPM setting.
A precaution for the operation
:運転ための用心する点
of an engine equipped with a constant-speed propeller
:定速プロペラを装備したエンジンの
is to
:は~です
avoid high RPM setting with high manifold pressure
:高いマニホールド・プレッシャーでの高いRPMを避けること
avoid high high manifold pressure setting with low RPM
:低いRPMでの高いマニホールド・プレッシャーを避けること
always use a rich mixture with high RPM setting
:常に高いRPMセッティングでミクスチャーをリッチで使うこと
・
・
・
自力で答えを導き出してから
音声を聞いてください。
はい。どうでしたか?
プロペラ機と一口に言っても
2つのプロペラタイプがあるということを
理解していただけましたか?
また一歩、筆記テスト合格に
近づく知識が増えましたね。
引き続き頑張っていきましょう!
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
コメント