Rectangular Patterns (長方形経路) について

Flight Operations

[Flight Operations : 運航]

 

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

 

前回は、

S-Turns (Sターン) の注意点について

お話しさせていただきました。

 

風を考慮しなくては

左右の半円の半径が

揃わなくなってしまうことは

理解していただけましたか?

 

 

今回は、

Rectangular Patterns

(長方形経路)について

お話したいと思います。

 

 

航空機の全ての Maneuver (機動) は

4つの基本的な動作で構成されています。

 

直進水平飛行

ターン

上昇

下降

 

これら4つの基本動作の組合せで

全てのManeuver (機動) が

行われているんです。

 

FUNDAMENTALS  OF  MANEUVERING

Straight and level flight

Turns

Climbs

Descent

 

FUNDAMENTALS  OF  MANEUVERING

:機動の基本

Straight and level flight

:直進水平飛行

Turns

:ターン

Climbs

:上昇

Descent

:下降

 

 

ところで、上の4つの

機動の基本は

機体に作用する4つの力と

混同してはいけませんよ。

 

推力

抗力

揚力

重力

 

覚えていますか?

もし、記憶が怪しいときは

Aerodynamics のカテゴリーを

読み直してくださいね。

 

 

さて、基本的な操縦ということで

地上の目標物を使って綺麗な四角形を

描く練習はとても重要です。

 

というのは各空港の滑走路には

それぞれの Traffic Pattern (場周経路) が

設けられていることは既に

ご存知のはずです。

 

この Traffic Pattern (場周経路) に

綺麗に沿って飛ぶための練習になるんですね。

 

下の図は道路を基準にした

長方形のコースを表したものです。

 

4つのコーナーでターンするわけですね。

筆記テストでは

「この4つのターンの中で

機首方位が90°未満のターンになるのは

どのコーナーですか?」

 

という感じに問われると思います。

 

 

では、このコースに沿って

イメージの中で一緒に周回してみましょう。

 

まず、注意すべき点は「風向」です。

 

図の上方を北とした場合

風は北から吹いているということですね。

このことをしっかりと頭に

入れておいてくださいね。

 

さて、

全ての Traffic Pattern に共通しているのは

右回りであっても左回りであっても

外部からの Pattern への進入は基本的に

Downwind からということでしたね。

覚えていますか?

そこで、今回のスタート位置は

コーナーとコーナーの間からとしますよ。

最初のターンは、コーナーで行われますが、

コーナーのに向けて真っ直ぐ進むためには

機首方向は、やや左に Crab (クラブ) を取ります。

 

 Crab (クラブ) とは、

翼を水平にしたまま機首を風上側に向けて飛行する方法

 

なぜなら進行方向に対して

左からの風になるためですね。

ということで、コーナーでのターンは

90°よりも大きなターンになるわけです。

 

では、コーナーでのターンはどうでしょう?

既に風に対して左に Crab (クラブ) を

取っていますので、

コーナーに向かうためのターンは

90°よりも小さいターンとなりますね。

 

次にコーナーでのターンはどうでしょう?

コーナーに真っ直ぐ向かうために

右に Crab (クラブ) を取ることになりますよね。

 

なぜなら進行方向に対して

右からの風を受けるからです。

 

つまり、コーナーでのターンは

90°より小さいものとなるのです。

 

そうです。

コーナーとコーナーのターンは

いずれも90°未満のターンということです。

 

最後にコーナーでのターンは

もうお分かりだと思います。

 

そうですね。

90°より大きなターンです。

 

 

今回の条件下では

コーナーとコーナー

90°未満のターンとなりました。

 

 

 

 

<まとめ>

三次元を移動する航空機は

常に風を考慮する必要があります。

 

そのため長方形のようなコースであっても

ターンはきっちり90°ということにはなりません。

 

それは、風上側に機首を向けて飛行する

Crab (クラブ) と呼ばれる方法

取られているためです。

 

 

 

では、早速ですが、

練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・

Q  :  (Refer to figure) In flying the rectangular course, when would the aircraft be turned less than 90° ?

 

A  :  Corners 1 and 4.

B  :  Corners 1 and 2.

C  :  Corners 2 and 4.

 

 

Refer to figure

:図を参照してください

In flying the rectangular course,

:中で 飛行している 長方形コース

when would the aircraft be turned

:いつ だろう 航空機 ターンさせられる

less than 90° ?

:90°未満

Corners 1 and 4.

:コーナー1と4

Corners 1 and 2.

:コーナー1と2

Corners 2 and 4.

:コーナー2と4

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

 

はい。どうでしたか?

 

空間を移動する航空機を

目標物に対して直進させるには

目に見えない風を常に意識することの

大切さがお分かりになりましたか?

 

機首方向は目標物から

右または左にずれていても

航空機が移動している方向は

目標物に真っ直ぐ向かっている。

 

これは風に流されないように

風上側に機首を向けて (Crab) を

取っているからなんですね。

 

 

ということで、今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

 

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