[FAR : 連邦航空規則]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Collision Avoidance (衝突回避)
についてお話しさせていただきました。
管制塔の無い空港での
離陸や着陸の際は、
自分の好き勝手なパターンで
飛行することなく
FAA が確立してパターンに
従ったり、
全ての
マニューヴァリングの前に
周囲に他の航空機の有無を
目視による確認をしたり、
常に衝突を避けるための
行動が必要であることを
理解していただけましたか?
今回は、
Flying the Proper Altitude
(適切な高度で飛行する)
についてお話したいと思います。
他の航空機と出会い頭の衝突を
避けるための方法の一つに
適切な高度で飛ぶ
ということが挙げられます。
適切な高度とは
どういうものなのでしょう?
地上高度が、
3,000フィートを超える
VFRの巡航では、
決められた高度を維持して
飛行しなければなりません。
それは、
マグネティックコースによって
決定されるんですね。
マグネティックコースが
0° からぐるりと 179° までの範囲
(磁北から右回りで磁南の直前までの)
要するに、東寄りの
マグネティックコースに
向かうのであれば、
千の単位が奇数の高度に
プラス 500 フィートの高度で
飛行することになっているのです。
3,500 フィート
5,500 フィート
7,500 フィート
9,500 フィート
のようにです。
マグネティックコースですよ。
マグネティックヘディング
ではありませんよ。
反対に
磁南 180° から右回りで
359° (磁北直前)までの西寄りの
マグネティックコースに向かう場合は、
千の単位が偶数の高度に
プラス 500 フィートの高度で
飛行します。
4,500 フィート
6,500 フィート
8,500 フィート
のようにです。
これらの高度は
海抜高度であることは
言うまでもありませんよね。
航空機の高度計は
気圧高度計を使用していますからね。
いずれも飛行するエリアにおいて
地上高度が 3,000 フィートを
超える高度からの適用となります。
例えば、西寄りの
マグネティックコースで飛行するので
4,500 フィートで
巡航しようと思っても
そのエリアの地表の標高が
2,000 フィートだとすると、
4,500 フィートで飛んだ場合、
地上から航空機までは
2,500 フィートしかありませんね。
地上高度が
3,000 フィートを超えた
高さからの適用ですので、
最低でも 6,500 フィートの
高度が必要になる
ということです。
では、
これらのことを記憶するための
キーワードを伝授しますよ。
それは ONE です。
Odd (奇数)
North (北を含む)
East (東寄り)
奇数プラス 500 フィートの
高度で飛ぶのは
磁北を含む東寄りのコース
ということで覚えてしまいましょう。
では、IFR の航空機はというと、
プラス 500 フィートしません。
つまり、東寄りのコースでは
5,000 フィート
7,000 フィート
9,000 フィート
になって
西寄りのコースでは
4,000 フィート
6,000 フィート
8,000 フィート
というように決められています。
このような
セパレーションによって
東寄りに進む航空機と
西寄りに進む航空機が
衝突するのを避けている
訳なんですね。
では、一つ考えてみましょう。
もし、あなたの飛行計画が
VFRで 135° の
マグネティックコースであるなら
適切な巡航高度は
いくつになるでしょう?
135° ということは
東寄りですので奇数の高度に
500 フィートを
プラスすればいいんですよね。
MAGNETIC COURSE 135°
Odd altitude plus 500 feet
MAGNETIC COURSE 135°
:マグネティックコース 135°
Odd altitude plus 500 feet
:奇数高度 プラス 500 フィート
ですので、
3,500 フィート
5,500 フィート
7,500 フィート
9,500 フィート
上記の高度の中から
適切なものを選んで
飛行するということですね。
もちろん
10,000 フィート以上でも
同じように奇数高度プラス
500 フィートは変わりませんよ。
(11,500・13,500・・・)
<まとめ>
Flying the Proper Altitude
(適切な高度で飛行する)
Magnetic Course (0°~179°)
◎VFR:Odd plus 500 feet
◎IFR:Odd feet
Magnetic Course (180°~359°)
◎VFR:Even plus 500 feet
◎IFR:Even feet
では、
早速練習問題にトライしてみましょう!
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Q1 : Which cruising altitude is appropriate for a VFR flight on a magnetic course of 135°?
A : Even thousandths.
B : Even thousandths plus 500 feet.
C : Odd thousandths plus 500 feet.
Which cruising altitude is appropriate
:どの巡行高度が適切ですか
for a VFR flight on a magnetic course of 135°?
:VFR飛行で マグネティックコース 135°の
Even thousandths.
:偶数の千番
Even thousandths plus 500 feet.
:偶数の千番 プラス500フィート
Odd thousandths plus 500 feet.
:奇数の千番 プラス500フィート
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
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Q2 : Which VFR cruising altitude is acceptable for a flight on a Victor airway with a magnetic course of 175°? The Terrain is less than 1,000 feet.
A : 4,500 feet.
B : 5,000 feet.
C : 5,500 feet.
Which VFR cruising altitude is acceptable
:どのVFR巡行高度が許容されますか
for a flight on a Victor airway with a magnetic course of 175°?
:航空路の飛行で マグネティックコース 175°の
The Terrain is less than 1,000 feet.
:地勢は1,000フィート未満
4,500 feet.
:4,500フィート
5,000 feet.
:5,000フィート
5,500 feet.
:5,500フィート
・
・
・
あ自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q3 : Which VFR cruising altitude is appropriate when flying above 3,000 feet AGL on a magnetic course of 185°?
A : 4,000 feet.
B : 4,500 feet.
C : 5,000 feet.
Which VFR cruising altitude is appropriate
:どのVFR巡行高度が適切ですか
when flying above 3,000 feet AGL on a magnetic course of 185°?
:地上高度3,000フィートを超える飛行で マグネティックコース 185°の
4,000 feet.
:4,000フィート
4,500 feet.
:4,500フィート
5,000 feet.
:5,000フィート
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q4 : Each person operating an aircraft at a VFR cruising altitude shall maintain an odd-thousand plus 500-foot altitude while on a
A : magnetic heading of 0° through 179°.
B : magnetic course of 0° through 179°.
C : true course of 0° through 179°.
Each person operating an aircraft at a VFR cruising altitude shall maintain
:VFR巡行高度で運航する一人一人は 維持します
an odd-thousand plus 500-foot altitude
:奇数千 プラス500フィートの高度
while on a
:・・・の間
magnetic heading of 0° through 179°.
:マグネティックヘディング 0°~179°の
magnetic course of 0° through 179°.
:マグネティックコース 0°~179°の
true course of 0° through 179°.
:トゥルーコース 0°~179°の
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
はい。どうでしたか?
昔、航空の知識がまるで無かった頃
今回のルールを初めて知ったときは
なるほど!って感じました。
狭い日本とは言っても
旅客機も含めてこれだけの
航空機が毎日飛び交っているのに
どうして正面衝突のようなことが
起こらないんだろう?って
とても不思議に思っていました。
空にも目には見ないけど
飛行機の道があるんだ位のことは
知っていましたが
その空の道を立体的に
捉えていなかったんですね。
このブログで初めて
専門的なことを学ばれている方も
同じような感覚を
持たれているかも知れませんね。
少しずつパイロットに必要な
知識を吸収していってくださいね。
ほんの僅かでも
そのお手伝いが出来たら幸いです。
引き続き頑張っていきましょう。
ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
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