[Cross-Country Planning : 野外飛行計画]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Magnetic courseの求め方②
についてお話しさせていただきました。
手順
1)Chartにコースのラインを引く
2)経線又は緯線を利用して
True course を割り出す
3)そのエリアの
Magnetic Variation (VAR) は?
4)True course と VAR から
Magnetic course を割り出す
この順序をしっかり
覚えいただけましたか?
今回は、
風を考慮した計算 ステップ1
風の条件を踏まえた計算ということで
段階を追って求め方を
お伝えしようと思います。
今回はステップ1として
求め方の手順と例題の
True Course を割り出すところまでを
一緒にやってみましょう。
風の条件が加わると・・・
Wind の条件が加わった上で
正しい答えを得るには
Course, Heading, Wind
について関連して表示される
必要があります。
例えば、
True direction を基準にした
それぞれの数値や
Magnetic direction を基準にした
各数値というようにです。
ごちゃ混ぜになってしまったら
わけが分からなくなってしまうので
まずは True Course を基準に
全てを決定してしまうと
整理しやすいと思います。
それにはいくつかの理由があります。
まず、初めに
風の情報は
常に True North を基準にした風向で
提供されるからです。
(離着陸時に提供されるもの以外)
それから、
出発地点から目的地まで
コースを決定する際
Sectional Chart 上に
ラインを引きますね。
Chart 上に引かれたコース (ライン) は
True Course でしたね。
その True Course に対して
True North を基準にした Wind 情報を
考慮することで
True Heading が割り出されるのです。
ここまで分かってから、
Magnetic Variation を加味していけば
流れはスムーズです。
くり返しになりますが、
まず、True Course (TC)に
Wind Correction Angle
(偏流修正角/WCA) を加味します。
それによって
True Heading (TH) が決まります。
そこから
Magnetic Variation (VAR) を考慮して
Magnetic Heading (MH) が割り出されます。
さらに
Compass Deviation
(コンパス誤差エラー) がある場合は、
修正を加えて
Compass Heading (CH) までが
スムーズに得られるようになります。
TC +- WCA = TH
TH +- VAR = MH
MH +- DEV = CH
通常のフライトでは、
MH まで求めればフライトはできます。
ただ、筆記テストでは
CH まで求められることがあります。
ですから、
問題文を注意深く読んで
MH を求めるのか?
CH まで求めるのか?
をしっかり確認する必要がありますよ。
例題を一緒に解いてみよう!
では、風の問題に取り組んでみましょう。
「ST MARIES 空港 (エリア4) から
PRIEST RIVER 空港 (エリア1) までの
コースにおいて、
Magnetic heading (MH) と
Estimated Time Enroute
(予定所要時間/ETE) を
求めなさい」
という問題です。
追加情報として、
Wind – from 300° at 14 kts.
(風が300°から14ノット)
TAS – 90kts.
(真対気速度が90ノット)
TIME IN CLIMB – add 3 min.
(上昇にかかる時間として3分をプラス)
3つ目の追加条件は
巡航高度に達するまでの
上昇中は巡航速度に比べたら
遅いですよね。
その分を考慮して
算出した所要時間に
3分を加えるということです。
では、作業に入っていきましょう。
1)いつものようにコースにラインを引きましょう。
既に参照図には赤いマーカーが引かれています。
2)大まかな飛行方向を判断します。
北北西といったところでしょうか。
3)風は 300° at 14 kts.ですね。
北西の風の中、あなたの進行方向は北北西です。
ということは
向かい風を受けることになります。
では、対地速度は真対気速度と比べて
どうなると思いますか?
速くなりますか? 遅くなりますか?
そうですね。
遅くなります。
4)北北西に向かう中で
北西の風ですから
コースを外れないようにするには、
機首を右に向けますか? 左ですか?
はい。左ですね。
ここまでで、
このフライトの大体の予想が立ちますね。
・北に向かう
・対地速度は真対気速度よりやや遅くなる
・条件の風に対して偏流修正角は左に取る
以上のことを踏まえて
まずは
True course を割り出しましょう。
Chart を見ると
出発空港のすぐ北に緯線があります。
この緯線とコースの交差ポイントで
True course を出しますよ。
ここで、Plotterの登場です。
今回は簡単な方の
Plotter で説明していきますね。
Compass rose の中心を
緯線とコースの交差ポイントに
セットします。
次に、Compass rose の中心は
交差ポイントを指したまま
目盛りの 270 と 090 が
緯線と一致する位置に調整します。
このフライトコースは
大まかなに北に向かうんでしたね。
なので、
北側の Compass rose の目盛りと
コースが重なっている方位を
読んでみましょう。
344°ですね。
これが True course (TC) です。
とりあえず今日のところは
ステップ1ということで
ここまでにしておきましょう。
まとめ
風を考慮した計算 ステップ1
True North を基準としたものから始める
1)True Course を出す
2)WCA を割り出す
3)2)をもとに True Heading を割り出す
4)VAR から Magnetic Heading を割り出す
練習問題にトライしてみよう!
Q1 : When converting from true course to magnetic heading, a pilot should
A : subtract easterly variation and right wind correction angle.
B : add westerly variation and subtract left wind correction angle.
C : subtract westerly variation and add right wind correction angle.
When converting from true course to magnetic heading,
:変換するとき 真航路から 磁気針路に
a pilot should
:パイロットはするべき
subtract easterly variation and right wind correction angle.
:引き算をする 東偏磁気偏角と右風偏流修正角は
add westerly variation and subtract left wind correction angle.
:足し算をする 西偏磁気偏角は そして 引き算をする 左風偏流修正角は
subtract westerly variation and add right wind correction angle.
:引き算をする 西偏磁気偏角 そして 足し算をする 右風偏流修正角は
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q2 : Which equation is correct?
A : TC + or − WCA = TH.
B : TH + or − DEV = MH.
C : MH + or − VAR = TH.
Which equation is correct?
:どの方程式が正しいですか
TC + or − WCA = TH.
:真航路 + 又は − 偏流修正角 = 真針路
TH + or − DEV = MH.
:真針路 + 又は − コンパス誤差エラー = 磁気針路
MH + or − VAR = TH.
:磁気針路 + 又は − 磁気偏角 = 真針路
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q3 : Once you have determined magnetic heading, compass heading is found by applying
A : wind correction angle.
B : magnetic variation.
C : deviation error.
Once you have determined magnetic heading,
:一度磁気針路を割り出してしまえば
compass heading is found by applying
:コンパス針路は 見つけられる 加えることによって・・・を
wind correction angle.
:偏流修正角
magnetic variation.
:磁気偏角
deviation error.
:誤差エラー
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
あとがき
はい。どうでしたか?
風の条件を踏まえての
フライトプランの作成に入りました。
これを覚えてしまえば、
正確な到着予定時刻を
求めることができるように
なりますからね。
その第一段階として
今回は全体の流れと手順を通して
True course の割り出し方を
おさらいした感じになりました。
もう True course は
いつでも出せるようになりましたよね?
いよいよ次回は
Flight Computer のWind 側の
使い方の内容に入っていきますね。
楽しみにしていてください。
ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただきまして
ありがとうございます!
ではまた!
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