Alcohol Use (アルコール摂取)

[FAR : 連邦航空規則]

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

前回は、

Oxygen Use (酸素使用) 

についてお話しさせていただきました。

Hypoxia (低酸素症) の

怖いところは

自分で自覚することが

難しい点です。

想像以上に短時間で

脳の機能が低下してしまうのです。

小学生でも簡単に

解けるような問題でさえ

時間をかけても出来なくなったり

判断力も鈍り

全てに投げやりな行動に

なってしまい、

やがては気を失ってしまいますので

適切な酸素補充は

とても重要であることを

理解していただけましたか?

回は、

Alcohol Use (アルコール摂取)

についてお話したいと思います。

お酒好きにとっては、

たまらない光景なんでしょうね。

実は、私はかなりの下戸で

おつき合い程度がやっとなほど

お酒が苦手なんです。

雰囲気は好きなんですが、

自分から飲みたいと思ったことが

一度もないんですよ。

今回は特にお酒好きの方は

しっかりと把握する必要が

ありますからね。

飲み会の席であなたは

アルコールを勧められました。

もし、

8時間後にフライトを

控えているとしたら

飲んだらアウトですからね。

最後にアルコールを口にしてから

最低でも8時間空けなれれば

クルーメンバーの一員として

乗務することは出来ません。

ボトルからスロットルまでは8時間ですよ。

8 HOURS FROM BOTTLE TO THROTTLE

No alcoholic beverages in previous 8 hours

8 HOURS FROM BOTTLE TO THROTTLE

:8時間 ボトルからスロットルまで

No alcoholic beverages in previous 8 hours

:ダメ アルコール飲料 8時間前の

さらに

時間の制限だけではありませんよ。

血液中のアルコール濃度のことを

考えなくてはいけません。

アルコール血中濃度

0.04%以上の場合は

やはり乗務できませんからね。

ALCOHOL RULES

8 hours from bottle to throttle

Less than .04% blood alcohol content

ALCOHOL RULES

:アルコール ルール

8 hours from bottle to throttle

:8時間 ボトルからスロットル

Less than .04% blood alcohol content

:.04%未満 血中アルコール含有量

たとえ

僅かな量であっても

最低でも3時間経過しなければ

血中や呼気からアルコールが

検出されてしまいます。

当たり前ですが、

飲んだら乗るな!ですね。

ALCOHOL DETECTED IN BLOOD AND BREATH

For at least 3 hours

ALCOHOL DETECTED IN BLOOD AND BREATH

:アルコール検出される 血液中と呼気

For at least 3 hours

:少なくとも3時間

では、

一回のアルコール飲料の

定義は次のようになっています。

ONE DRINK

1 ounce liquor

1 bottle beer

4 ounce wine

ONE DRINK

:一回のドリンク

1 ounce liquor

:1オンスの酒

1 bottle beer

:1瓶のビール

4 ounce wine

:4オンスのワイン

ounce (オンス) は、29.6cc の量です。

ところで、

飲みを終えてから

8時間以上経過していても

体内にアルコールが残っていれば

クルーメンバーとして乗務は出来ません。

CANNOT BE FLIGHT CREW

While under the influence of alcohol

CANNOT BE FLIGHT CREW

:フライトクルーになれない

While under the influence of alcohol

:アルコールの影響を受けている間

問題は、

血中に残ったアルコールは

上空に上がれば上がるほど

影響が増すからなんです。

やはり気圧が低くなる分

毛細血管も広がって

アルコールが体内に

回りやすくなることと

空気も薄くなるので

体内に取り込める酸素量も

少なくなります。

アルコールを分解するために

必要な酸素が少ないわけですから

地上にいる時よりも

酔った状態になってしまうんですね。

これでは安全な乗務は望めません。

ところで、

明らかにアルコールや

薬物の影響を受けている人が

航空機に乗りがったとします。

その場合、あなたは

その人を運ぶことが出来るんです。

ただし、

条件がありますよ。

それは、

まず緊急事態のときです。

または

もし、その人が

薬物に対する適切な処置を

受けている患者さんであることが

認められていれば

あなたはその人を

運ぶことが許されるのです。

次に

これは本当に不幸な状況です。

万が一、あなたの体内から

アルコールが検出されてしまったら

大きな問題になります。

有罪が確定した日から

60以内にFAAの民間航空安全局から

書面での報告書の提出が求められます。

CONVICTION FOR ALCOHOL OR DRUG OFFENSE WHILE DRIVING

Requires written report to FAA Civil Aviation Security Division

No later than 60 days after conviction

CONVICTION FOR ALCOHOL OR DRUG OFFENSE WHILE DRIVING

:有罪確定 アルコール又は薬物違反運転の

Requires written report to FAA Civil Aviation Security Division

:求められる 文書の報告書提出を FAAの民間航空安全局へ

No later than 60 days after conviction

:有罪確定後 60日以内に

あなたのライセンスに関わるのは

お酒に限ったことではありませんよ。

それらを挙げると

まず

・飲酒運転

・健康を損なっている状態での運転 (主に薬物使用)

・アルコールや薬物の影響を受けている状態での運転

・飲酒や薬物使用の状態での全ての違反運転

DRIVING WHILE

Intoxicated

Impaired

Under the influence of drugs

Motor vehicle offense involving alcohol or drugs

DRIVING WHILE

:・・・の運転

Intoxicated

:飲酒

Impaired

:健康を損なっての

Under the influence of drugs

:薬物の影響を受けての

Motor vehicle offense involving alcohol or drugs

:自動車運転違反 アルコールや薬物を含んだ状態での

さらに

薬物使用による健康の損なわれが

認められない場合でも、

あなたの車から不審な大金や薬物が

出てきたなんてことがあったとしたら

(普通は無いことですが)

大問題であることは

言うまでもないですよね。

あなたのライセンスは

停止または取り消されてしまいます。

新たなライセンス取得も

拒否されることでしょう。

もし、

麻薬の製造、輸送、配布、販売の

過程に関しての有罪判決を受けるならば

ライセンスの停止または

取り消しされることになります。

ここでいう麻薬とは、

どんな種類の麻薬も含んでいますからね。

それから、

アルコールや薬物の

影響を受けている状態で

航空機を運航した場合も

ライセンス停止や取り消しの

措置が取られます。

CERTIFICATE MAY BE SUSPENDED OR REVOKED

If convicted of any violation relating to process, manufacture, transportation, distribution, or sale of narcotics

Operating an aircraft under influence of alcohol or drugs

CERTIFICATE MAY BE SUSPENDED OR REVOKED

:証明書 停止又は取り消される

If convicted of any violation relating to process, manufacture, transportation, distribution, or sale of narcotics

:もし有罪確定されたら 麻薬の製造、輸送、配布、販売の行程に関与すると

Operating an aircraft under influence of alcohol or drugs

:航空機の運航 アルコールや薬物の影響を受けている状態での

せっかく頑張って取得ライセンスを

失ってしまうような

取り返しのつかないことに

なってしまいますから

お酒の飲み方には注意をして

決して薬物には

近寄らないようにしましょうね。

<まとめ>

Alcohol Use (アルコール摂取)

Alcohol Rules

◎ボトルからスロットルまでは8時間

◎血中アルコール濃度0.04%未満

一回のアルコール飲料

◎少なくとも3時間は血中や呼気から検出される

Cannot be Flight Crew

◎アルコールの影響を受けている間

アルコール又は薬物違反運転の有罪確定されると

◎FAA民間航空安全局へ60日以内に報告書提出を求められる

Certificate may be Suspended or Revoked

◎麻薬の製造、輸送、配布、販売等の関わる有罪確定の場合

◎アルコールや薬物の影響を受けての航空機の運航

では、練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・

Q1  :  A person may not act as a crewmember of a civil aircraft if alcoholic beverages have been consumed by that person within the preceding

A  :  8 hours.

B  :  12 hours.

C  :  24 hours.

A person may not act as a crewmember of a civil aircraft

:人は 乗務しません クルーメンバーとして 民間機の

if alcoholic beverages have been consumed by that person within the preceding

:もしアルコール飲料が摂取されていたら その人に ・・・時間遡って

8 hours.

:8時間

12 hours.

:12時間

24 hours.

:24時間

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q2  :  Under what condition, if any, may a pilot allow a person who is obviously under the influence of drugs to be carried aboard an aircraft?

A  :  In an emergency or if the person is a medical patient under proper care.

B  :  Only if the person does not have access to the cockpit or pilot’s compartment.

C  :  Under no condition.

Under what condition, if any,

どんな状況か もしあるなら

may a pilot allow a person who is obviously under the influence of drugs to be carried aboard an aircraft?

:明らかに薬物の影響を受けている人を航空機に乗せて運ぶことをパイロットが認められるのは

In an emergency or if the person is a medical patient under proper care.

:緊急事態 又はもしその人が適切な処置を受けている患者さんなら

Only if the person does not have access to the cockpit or pilot’s compartment.

:その人がコックピットやパイロットの区画に入れないときだけ

Under no condition.

:無条件で

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q3  :  No person may attempt to act as a crewmember of a civil aircraft with

A  :  .008 percent by weight or more alcohol in the blood.

B  :  .004 percent by weight or more alcohol in the blood.

C  :  .04 percent by weight or more alcohol in the blood.

No person may attempt to act as a crewmember of a civil aircraft with

:民間航空機のクルーメンバーとして行動しようとする者はいない ・・・を伴って

.008 percent by weight or more alcohol in the blood.

:血液中の0.008%以上の量のアルコール

.004 percent by weight or more alcohol in the blood.

:血液中の0.004%以上の量のアルコール

.04 percent by weight or more alcohol in the blood.

:血液中の0.04%以上の量のアルコール

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q4  :  How soon after the conviction for driving while intoxicated by alcohol or drugs shall it be reported to the FAA, civil aviation security division?

A  :  No later than 60 days after Motor vehicle action.

B  :  No later than 30 days after Motor vehicle action.

C  :  Required to be reported upon renewal of medical certificate.

How soon after the conviction for driving while intoxicated by alcohol or drugs shall it be reported

:どれくらいで アルコールや薬に酔っての運転の有罪確定後 報告されますか

to the FAA, civil aviation security division?

:FAA民間航空安全局へ

No later than 60 days after Motor vehicle action.

:自動車の行動の60日以内に

No later than 30 days after Motor vehicle action.

:自動車の行動の30日以内に

Required to be reported upon renewal of medical certificate.

:健康診断の更新時に報告する必要がある

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q5  :  One alcoholic drink (one ounce of liquor, one bottle of beer, or four ounce of wine) can be detected in the breath and blood for at least

A  :  1 hour.

B  :  3 hours.

C  :  2 hours.

One alcoholic drink (one ounce of liquor, one bottle of beer, or four ounce of wine)

:一回のアルコール飲料(1オンスの酒、1瓶のビール、4オンスのワイン)

can be detected in the breath and blood for at least

:検出される 呼気と血中から 少なくとも・・・の間

1 hour.

:1時間

3 hours.

:3時間

2 hours.

:2時間

自力で回答してから音声を聞いてください。

・・・・・・・・・・・・・・・

Q6  :  A pilot convicted of operating an aircraft as a crewmember under the influence of alcohol, or using drugs that affect the person’s faculties, is grounds for

A  :  denial of an application for an FAA certificate, rating, or authorization issued under 14 CFR part 61.

B  :  written notification to the FAA Civil Aeromedical Institute (CAMI) within 60 days after conviction.

C  :  written report to be filed with the FAA Civil Aviation Security Division (AMC-700) not than 60 days after conviction.

A pilot convicted

:有罪確定されたパイロットは

of operating an aircraft as a crewmember under the influence of alcohol, or using drugs that affect the person’s faculties,

:操縦することで 航空機をクルーメンバーとして アルコールの影響下で または人の能力に影響を及ぼす薬物を使用して

is grounds for

:・・・するための根拠です

denial of an application for an FAA certificate, rating, or authorization issued under 14 CFR part 61.

:14 CFR part 61に基づいて発行されたFAA証明書、レイティング、または許可の申請を否認

written notification to the FAA Civil Aeromedical Institute (CAMI) within 60 days after conviction.

:有罪確定後60日以内にFAA民間航空研究所(CAMI)に書面で通知

written report to be filed with the FAA Civil Aviation Security Division (AMC-700) not than 60 days after conviction.

:FAA民間航空安全局(AMC-700)に提出される書面による報告書で、有罪判決後60日以内

自力で回答してから音声を聞いてください。

はい。どうでしたか?

自動車の飲酒運転は

当然ご存知の通り違法行為です。

絶対にやってはいけない

ことなんです。

航空機も同じですよ。

少なくともあなたには

そんな心のすきは無いと

信じています。

それにしても

アルコールと同レベルで

薬物についての注意も

筆記テストに問われるわけですから

思っている以上に

身近な問題なのでしょうか。

ちょっと怖いですね。

平和な日本に生まれてくることが

出来て良かったと思います。

ということで、今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

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