ワシントンD.C.周辺の飛行について・・・

Airspace

[Airspace:空域]

 

こんにちは!

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

 

前回は、

NATIONAL  WILDLIFE  REFUGES

(国立野生動物保護区)

についてお話させていただきました。

 

法的に規制されているのでは

ありませんが、

野生動物を保護する目的のために

そのエリアの上空を飛行する際

地上高度 2000 feet より低空は

避けることをリクエストされている

ということでしたね。

 

 

今回は、

ワシントンD.C. 周辺の飛び方

についてのお話となります。

 

Flying  Around  Washing D.C.

 

Flying:飛ぶこと

Around  Washing D.C.:周辺 ワシントンD.C.

 

 

アメリカ合衆国内で

一番規制が厳しい空域は、どこなのか?

というと・・・

 

ワシントンD.C. なんですね。

 

 

では、とても複雑な Airspace について

お話していきますね。

 

 

まず、初めに

ワシントン国際空港を中心とする

直径60NM 以内のエリアを

VFR(有視界飛行)で飛ぶためには、

事前に特別な認識訓練を

受けなければなりません。

 

そのコース修了証を携帯していなければ

飛ぶことはできません。

 

コースはどこで探せばいいのかというと

ここにアクセスしてください。

Safer Skies Through Education - FAA - FAASTeam - FAASafety.gov

 

まず、ワシントンD.C.周辺の

Chart(航空図)を見てください。

とても複雑に

組み合っている感じがしますね。

 

 

 

さて、ワシントン国際空港から

半径30NMのサークルの

エリアが設定されています。

 

その境界線は西洋のお城の壁のような形をしています。

 

分かりやすいようにマーカーで

なぞってみたのが下です。

この中のエリアを

SPECIAL  FLIGHT  RULE  AREA (SFRA)

(特別飛行ルールエリア)

といいます。

 

地上からスタートして上限は

クラスA(Alfa) の空域までです。

 

つまり、18,000フィートMSL(海抜高度)

未満ということですね。

 

今回1つ目のフレーズです。

 

SPECIAL  FLIGHT  RULE  AREA (SFRA)

Surface up to but not including 18,000’ MSL

 

Surface up to but not including 18,000’ MSL

(地上から18,000フィートMSL(海抜高度)未満)

 

 

この SFRA 内を飛行するために

必要なこととは・・・

 

まず、特別認識訓練を

修了していることが前提になります。

 

その上で、

IFR で申請されたフライト

または

SFRA の飛行計画を持っている VFR

であるということが必要となっています。

 

それから、モードCトランスポンダーです。

もちろん割り当てられたコードを

入力されていることは

言うまでもありません。

 

当然、2way の無線通信機も必要ですよ。

 

このエリアに進入する前に

コミュニケーションが確立されて

識別されてからでないと

入ることはできません。

 

では、2つ目のフレーズはこれです。

 

WASHINGTON  D.C.  SFRA  REQUIREMENTS

File IFR or

SFRA flight plan for VFR

Mode C transponder with assigned code

Two-way radio communications

 

WASHINGTON  D.C.:ワシントンD.C.

 

SFRA  REQUIREMENTS

:スペシャル・フライト・ルール・エリア 必要条件

 

File IFR or

:IFR(計器飛行方式)で申請 または

 

SFRA flight plan for VFR

:SFRA に則った飛行計画 のため VFR(有視界飛行)

 

Mode C transponder with assigned code

:モードCトランスポンダー 共に 割り当てられたコード

 

Two-way radio communications

:送受信可能な無線通信機

 

 

SFRA から内側にもう一つ別のエリアが

設けられているんです。

 

ワシントン国際空港から半径15NMの範囲です。

ここは空域が複雑に組み合っているので

真円の形ではありませんが、

半径15NMのサークルがベースと

なっていると考えてください。

 

境界線は Restricted Area のような

クシ状のラインです。

 

ただし、色はマジェンタではなく

ブルーですよ。

 

例によって分かりやすくするために

マーカーでなぞってみたのが下です。

このエリアを

FLIGHT  RESTRICTED  ZONE (FRZ)

(飛行制限ゾーン)

といいます。

 

FRZ は半径15NMの範囲で

SFRA と同様に地上からスタートして

上限は、18,000フィートMSL(海抜高度)未満

までの空域となっています。

 

3つ目のフレーズいってみましょう。

 

FRZ  

Radius of 15NM

Surface up to but not including 18,000’ MSL

 

FRZ:Flight Restricted Zone(飛行制限ゾーン)

Radius of 15NM:半径15NM

Surface up to but not including 18,000’ MSL

:地上から18,000フィートMSL(海抜高度)未満

 

この FRZ 内の飛行に当たっては

米国運輸保安局 (TSA) からの必要条件も

満たされないといけません。

 

それは、

身元調査と身分確認番号

必要になるのです。

 

かなり厳しく感じるかも知れませんが、

9.11以降、法改正がされたようですね。

 

※ TSA は

Transportation Security Administration

の略です。

 

 

最後のフレーズです。

頑張って覚えてください。

 

TSA  REQUIREMENTS  FOR  FRZ

Background check

Personal Identification Number

 

TSA:米国運輸保安局 (TSA)

REQUIREMENTS:必要条件

FOR  FRZ:のため 飛行制限ゾーン (FRZ)

Background check:身元調査

Personal Identification Number:身分確認番号

 

 

もし、これらの準備をすることなく

今回のエリアに進入してしまった場合、

ミリタリー機が出動して来ます。

識別不明機に対しては

撃墜してもいいことが

承認されていますので

気をつけてくださいね。

 

まあ、そこまでして飛びたいと思う

民間人はあまりいないと思いますけどね。

 

 

<まとめ>

 

アメリカ国内で一番規制が厳しいエリアは

ワシントンD.C.周辺である。

 

ワシントン国際空港を中心とする

半径30NMの範囲を

SPECIAL  FLIGHT  RULE  AREA (SFRA)

といい、

地上から18,000フィートMSL(海抜高度)未満の

空域である。

 

SFRA 飛行の必要条件

◎特別認識訓練を完了していること(証明書携帯)

◎IFR の申請または、特別飛行ルールの飛行計画のVFR

◎モードCトランスポンダー・割り当てられたコード

◎無線通信機(コミュニケーション確立)

 

ワシントン国際空港を中心とする

半径15NMの範囲を

FLIGHT  RESTRICTED  ZONE (FRZ)

といい、

地上から18,000フィートMSL(海抜高度)未満の

空域である。

 

FRZ 飛行の必要条件

SFRA の飛行条件に加えて2つのことが必要

◎米国運輸保安局 (TSA) からの身元調査

◎身分確認番号の提示

 

 

 

はい。それでは、

練習問題にトライしてみましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q:(Refer to figure)

Under which conditions may a pilot fly

under VFR within 60 nautical miles

of the DCA VOR in Washington D.C ?

 

 

A  :  None.

 

B  :  Only if the pilot has completed

special awareness training and filed a flight plan.

 

C  :  As long as the pilot has completed

special awareness training

and remains clear of the  SFRA.

 

 

(Refer to figure):図を参照してください

Under which conditions:以下の どの条件

may a pilot fly:かもしれない パイロット飛べる

under VFR:のもと VFR

within 60 nautical miles:範囲内 60ノーティカルマイル

of the DCA VOR:の DCA VOR(航法用地上施設のひとつ)

in Washington D.C:の中 ワシントンD.C.

None:なし

Only:のときだけ

if the pilot has completed:もし、パイロット完了した

special awareness training:特別認識訓練

and filed a flight plan:加えて 申請する 飛行計画

As long as:するだけで

and remains:まだ 残る

clear of the  SFRA:外に留まる 特別飛行ルールエリア

 

<補足>

VORについては、まだ説明していません。

航法計器で使う信号を地上から発信している

地上施設のひとつです。

 

Chart(航空図)上では、

VORを中心とた方位を示す目盛りが

記されています。

 

参照の図を分かりやすくするために

マーカーでその目盛りをなぞってみました。

ワシントン国際空港に

DCA VORが設置されていることが

理解できますね。

ワシントン国際空港の東にある

ANDREWS基地にも

ADW VORTAC という施設があるのが

見て取れますか?

 

これら VOR や VORTAC については

航法の分野でお話したいと思います。

 

こういうものがあるということだけ

覚えておいてくださいね。

自力で答えを導き出してから

音声を聞いてください。

 

はい。どうでしたか?

私たち一般のパイロットは

ワシントンD.C.周辺上空を

飛ぶことは恐らくないと思います。

 

ですが、むやみやたらに

進入できないように

このような厳しい規制が

かかっているエリアだということを

筆記テストを通して

理解させているんだと思います。

 

 

はい。ということで

Airspace の分野は

これで終了となります。

 

次回からは、

Weather Minimum (気象限界)

航空機が安全に離着陸できる気象限界の

分野に入っていこうと思います。

楽しみにしていてくださいね。

 

 

ということで今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

 

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