Flight Computer ② 時間と距離について

Cross-Country Planning

[Cross-Country Planning : 野外飛行計画]

 

パイロット免許への水先案内人

須永です!

 

 

前回は、

How Fast (どれくらいの速さ)

ということで、

Flight Computer を使って

「速度の求め方」

についてお話しさせていただきました。

 

ある時間内に

どれくらの距離を進むという

条件さえあれば、

Flight Computer を使うことで

簡単に時速が求められることを

理解していただけましたか?

 

 

回は、

How Long (どれくらいの時間) / How Far (どれくらいの距離)

ということで、

かかる時間とそこまでの距離の算出方法

についてお話したいと思います。

 

 

時間の求め方

 

では、引き続き Flight Computer の

使い方を練習していきましょう。

 

速さ距離という条件が与えられたとき、

何が求められるかというと

時間ですね。

 

では、次の例ついて考えてみましょう。

 

与えられた条件は

時速100マイル距離250マイルです。

 

“時速100マイルで飛行している航空機が

250マイル進むのに要する時間を求めなさい”

というケースについて考えていきましょう。

100 mph, 250 miles

How long?

 

Flight Computer の目盛りには

100 はありません。

 

ですので、10 を 100 として

考えることが必要となります。

 

そこで、外側の目盛りの 10 を

100 マイルとします。

 

次に条件の一つである

100 mph (miles per hour) は

時速 100マイルということですから

外側の目盛りの 10 (100として考える) のところに

内側の目盛りの 60 (▲マーク) を合わせます。

これで、60分 (1時間) に

100マイル進む比率に

セットできたことになります。

 

次に、もう一つの条件である

距離 250マイルの箇所を

チェックするわけです。

 

セットされた目盛りがズレないように

そのままの状態で、

外側の目盛りの 250マイルに相当する

25 の箇所を見てください。

 

しつこいようですが、

目盛りには 250 という数字はありません。

 

ですから、25 を 250 に見立てて

考えるということです。

外側の目盛りの 25 に合致している

内側の目盛りの数字は何になっていますか?

 

15 ですね。

 

ということは、15分ですか?

 

ちょっと待ってください。

 

250マイルについて計算しているのですから、

15 も桁を一つ上げなくてはなりません。

 

そうです。

0 をつけて 150分になるわけです。

 

ここまで大丈夫ですか?

 

150分が算出されたわけですが、

これを時間にするには

さらに内側の目盛りを見てください。

 

2:30 とありますね。

 

150分=2時間+30分

だということを意味しています。

 

くり返しになりますが、

目盛りには 250 という数字は

ありませんから

25 を 250 と見立てることが

必要なのです。

 

それから時間の 15 も

単純に 15分と読んではいけない

ということです。

 

 

ちなみに

250 マイルをキロに換算すると

約 400 kmです。

 

東京から北へは盛岡市、

西へは神戸市くらいが

大体 400 kmらしいので

それを考えると15分では無理ですよね。

 

そういった常識的なことも

加味した上で考えれば

大きな間違いはないと思います。

 

 

距離の求め方

では、次の例について見ていきましょう。

 

今回の条件は

時速120マイル2時間です。

 

速度時間が与えられたとなると

求めるのは、

距離ということになりますね。

 

時速 120マイルで 2時間飛行したら

進む距離はどれくらいかということです。

120 mph, 2 hours

How far?

 

これは、Flight Computer を

使うまでもありませんから

ちょっと頭で考えてみましょう。

 

時速 120マイルとは

1時間に 120マイル進む速さ

ということです。

 

その速さで2時間進むのですから

120マイル×2=240マイルとなりますね。

 

では、Flight Computer で

確かめてみましょう。

 

まず、

外側の目盛りには 120 はありませんね。

 

なので、12 を 120 に見立てるわけです。

もうこの辺は慣れてきましたか?

 

この外側の目盛りの 12 に向かって

内側の目盛りの 60分 (▲マーク) を

スライドさせて合わせるわけです。

これで、時速 120マイルで飛行している

比率にセットされたましたね。

 

次に内側の目盛りのどこを

見ればいいかというと、

2時間なので 120分の箇所ですね。

 

もう分かっているかと思いますが、

120 という目盛りはありません。

 

なので、

12 を 120 に見立てるわけですね。

では、

内側の目盛りの 12 の箇所を

見てください。

さらに内側の目盛りは

2:00 となっています。

2時間ということですね。

 

そこに一致している

外側の目盛りはというと、

24 ですね。

 

つまり、

120分に進む距離は

240マイルということです。

 

時間の求め方②

では、ジャンジャンいきましょう。

 

“時速 140マイルで飛行しているとき

75マイル進むのに要する時間は

どれくらいでしょう?”

140 mph, 75 miles

How long?

 

時速 140マイルとは、

1時間 (60分) に 140マイル進むのですから

外側の目盛りの 14 (140が無いので) に

60分 (▲マーク) を合わせます。

これで、時速 140マイルの比率に

セットされたたわけです。

 

この状態で、75マイルの箇所を

チェックするんですが、

距離の目盛りは内側ですか?

外側ですか?

 

もう分かり切ってますよね。

 

距離は常に外側の目盛りです。

 

では、

外側の目盛りの

75マイルの箇所を見てください。

75 という数字はありませんね。

ですので、

70 と 80 の中間のやや長い目盛りが

75 ということです。

 

75マイルの箇所が分かれば、

後はそこに一致した

内側の目盛りを読めば

要する時間になるわけです。

 

30 と 35 の間を数えると

2目盛りが 1分なので、

75マイルの箇所まで追っていくと

32分と少し (32分30秒まではいかない)

と読み取れます。

 

“時速140マイルで飛行しているとき

75マイル進むのに要する時間は

どれくらいでしょう?”

の答えは、

32分+α (約32分)になります。

 

距離の求め方②

では、次にいきますよ。

 

“時速140マイルで

1時間30分飛行した場合の進む距離は?”

140 mph, 1 hour 30 min.

How far?

 

時速 140マイルの比率は

直前の問題でセット済ですから

そのままでOKです。

 

私たちがすべきことは、

内側の目盛りの 1時間30分の箇所を

チェックするだけでいいのです。

 

つまり、90分のところですね。

90分のさらに内側の目盛りには

1:30 とありますね。

 

90分=1時間+30分

ということは言うまでありませんね。

 

では、

90分に対する外側の目盛りは

21 となっています。

 

この 21 は、

このケースにおいて

210 に当たるわけです。

 

ということは、

時速 140マイルで

90分 (1時間30分) 飛行すると、

210マイル進むということが

示されているわけです。

 

ここで、

21 がどうして

210 になるのかというところで、

つまずいてしまう人が

いるかも知れません。

 

もし、

そんな時は少し冷静に考えてみましょう。

 

このケースでは、

私たちは既に

時速 140マイル

という条件は知っています。

 

つまり、

1時間で 140マイル進む速さ

ということですね。

 

その速さで

1時間以上 (このケースでは1時間30分)

飛行するんですから

21 マイルは有り得ないですよね。

常識的に無いなという桁は

省くということです。

 

こういったことを考慮しながら

目盛り数字をそのまま読むのか、

0 をつけるのか、

00 をつけるのかを

判断していくということです。

 

 

まとめ

How Long (どれくらいの時間) / How Far (どれくらいの距離)

時間の求め方

◎速度と距離の条件があれば時間を算出できる

①与えられた時速をセット

②与えられた距離の目盛りに一致する分(時間)の目盛りを読む

 

距離の求め方

◎速度と時間の条件があれば距離を算出できる

①与えられた時速をセット

②与えられた分(時間)の目盛りに一致する距離の目盛りを読む

 

明確な時速が与えられていない場合

◎”何分(時間)で何マイル移動する速さ”などの条件から時速を割り出す

◎与えられた時間の目盛りと移動距離の目盛りを合わせた時点で時速設定は完了

 

 

練習問題にトライしてみよう!

 

Q1  :  How far will an aircraft travel in 2-½ minutes with a groundspeed of 98 knots?

 

A  :  2.45 NM.

B  :  3.35 NM.

C  :  4.08 NM.

 

 

How far will an aircraft travel in 2-½ minutes

:どれくらいの距離を移動するでしょうか 航空機は 2分半で

with a groundspeed of 98 knots?

:対地速度98ノットで

2.45 NM.

:2.45 NM (ノーティカルマイル)

3.35 NM.

:3.35 NM (ノーティカルマイル)

4.08 NM.

:4.08 NM (ノーティカルマイル)

自力で回答してから音声を聞いてください。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

Q2  :  How long will it take you to fly 300 miles at 120 miles per hour?

 

A  :  15 minutes.

B  :  150 minutes.

C  :  230 minutes.

 

 

How long will it take you to fly 300 miles

:どれくらいの時間がかかりますか 飛ぶのに 300マイルを

at 120 miles per hour?

:時速120マイルで

15 minutes.

:15分

150 minutes.

:150分

230 minutes.

:230分

自力で回答してから音声を聞いてください。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

Q3  :  How far will you travel if you fly at 100 miles per hour for 2 hours and 30 minutes?

 

A  :  150 miles.

B  :  230 miles.

C  :  250 miles.

 

 

How far will you travel

:どのくらいの距離を移動しますか

if you fly at 100 miles per hour for 2 hours and 30 minutes?

:もしあなたが時速100マイルで2時間30分飛行すれば

150 miles.

:150マイル

230 miles.

:230マイル

250 miles.

:250マイル

自力で回答してから音声を聞いてください。

 

 

あとがき

はい。どうでしたか?

 

初めて Flight Computer を

手にしたときと比べたら

かなり扱いにも

慣れてきたんじゃないですか?

 

この手の物は

習うより慣れろですから

数をこなして

マスターしていってください。

 

基本さえ押さえてしまえば

思うままに応用が利きますので

今行っている基本操作は

しっかり身につけてしまいましょうね。

 

ということで、今回は以上となります。

今日も最後まで読んでいただいて

ありがとうございます!

ではまた!

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました