[FAR : 連邦航空規則]
パイロット免許への水先案内人
須永です!
前回は、
Flying the Proper Altitude
(適切な高度で飛行する)
についてお話しさせていただきました。
航空機の進む方向
(マグネティックコース) によって
巡航高度が決まっていること、
それによって衝突を
回避しているということを
理解していただけましたか?
今回は、
Setting Your Altimeter
(あなたの高度計を規正する)
についてお話したいと思います。
飛行中、あなたの航空機の
高度計が正しくセッティング
されていないと問題が
生じてしまいます。
セッティングの方法は、
出発前にそのエリアの
規正値を適切に
セットするということです。
規正値は ATIS や
AWOS から得ることができます。
LOCAL ALTIMETER SETTING
ATIS
AWOS
LOCAL ALTIMETER SETTING
:地元の 高度計規正
ATIS
:エイティス
AWOS
:自動気象観測システム
ATIS は
Automatic Terminal Information Service
の略で、以前取りあげました。
記憶が抜けているようでしたら
下記を参照してください。
AWOS は
Automated Weather Observing System
の略で、(自動気象観測システム)
というものです。
こちらも以前言葉だけですが、
下記の回で登場しています。
もしも、何らかの理由で
規正値が出発空港で
得られなかった場合は、
どうしたら良いでしょう?
簡単です。
迷うことはありませんよ。
Chart に記載されている
空港の標高になるように
高度計をセットしてあげれば良いのです。
ところで、
空港以外のフィールドから
出発する場合であれば、
そのエリアの標高は
知っておく必要がありますけどね。
ELEVATION OF DEPARTURE
Airport
Area
ELEVATION OF DEPARTURE
:出発の標高
Airport
:空港
Area
:エリア
各パイロットが
この高度計規正をすることにより、
航空機同士の高度の
指示誤差が無くなります。
その上で巡航高度を
それぞれが守ることで
出会い頭の衝突を
防げることになるのです。
長距離に渡る
クロスカントリーフライトにおいては、
移動するにつれて
規正値も変動しますので、
必要に応じて管制官から
そのエリアの適切な規正値を
得ることが出来ますので、
その都度修正をしながらの
飛行となるわけですね。
もし管制官と交信をしていない場合は、
上空で ATIS や AWOS を
ゲットすることになります。
ただし、あなたの現在地と
情報を得ようとしている空港との
距離が100マイル以内でなければ、
信頼性に欠きますので
注意してください。
より近いエリアの情報を
得るべきだということですね。
さて、ここで知っておいて欲しいのは、
規正値 29.92 です。
いつ如何なる場合でも飛行高度が
海抜 18,000フィート以上であれば、
全ての航空機は
高度計規正を 29.92 にセット
することに決まっています。
AT/ABOVE 18,000’ MSL
29.92 (standard altimeter setting)
これは、
Standard altimeter setting
と呼ばれるもので、
海抜 18,000フィート以上
つまり、クラス A の空域を
飛行する際のセッティング
ということですね。
クラス A の空域は、
IFR のみの飛行となりますので
当然パイロットは IFR の
有資格者になり IFR の
飛行計画によるものとなりますよ。
AT/ABOVE 18,000’ MSL
Class A airspace
Instrument rated
IFR flight plan
AT/ABOVE 18,000’ MSL
:海抜18,000フィート以上
Class A airspace
:クラス A 空域
Instrument rated
:計器飛行資格
IFR flight plan
:計器飛行方式のフライトプラン
そこで、
海抜 18,000フィート以上の
空域を飛行する際は、
altimeter setting は
いくつにするべきですか?
と質問されても
あなたはもう答えられます。
29.92 とね。
<まとめ>
Setting Your Altimeter
(あなたの高度計を規正する)
Local Altimeter Setting
◎ATIS・AWOS を利用
(無理なら出発地の標高にセット)
Standard altimeter setting
◎29.92
◎At/Above 18,000’ MSL
◎Class A airspace
◎Instrument rated
◎IFR flight plan
では、練習問題にトライしてみましょう!
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Q1 : If an altimeter setting is not available before flight, to which altitude should the pilot adjust the altimeter?
A : The elevation of the nearest airport corrected to mean sea level.
B : The elevation of the departure area.
C : Pressure altitude corrected for non-standard temperature.
If an altimeter setting is not available before flight,
:もし高度計規正が利用できない場合 飛行前に
to which altitude should the pilot adjust the altimeter?
:どの高度にパイロットは高度計を調整すべきですか
The elevation of the nearest airport corrected to mean sea level.
:海抜高度に補正された一番近い空港の標高
The elevation of the departure area.
:出発エリアの標高
Pressure altitude corrected for non-standard temperature.
:非標準温度に補正された気圧高度
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
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Q2 : Prior to takeoff, the altimeter should be set to which altitude or altimeter setting?
A : The corrent local altimeter setting, if available, or the departure airport elevation.
B : The corrected density altitude of the departure airport.
C : The corrected pressure altitude for the departure airport.
Prior to takeoff, the altimeter
:離陸前、高度計は
should be set to which altitude or altimeter setting?
:どの高度又は高度計規正にセットされるべきですか
The corrent local altimeter setting, if available, or the departure airport elevation.
:今現在の地元の高度計規正、もし利用可能なら 又は出発空港の標高
The corrected density altitude of the departure airport.
:補正された密度高度 出発空港の
The corrected pressure altitude for the departure airport.
:補正された気圧高度 出発空港の
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
・・・・・・・・・・・・・・・
Q3 : At what altitude shall the altimeter be set to 29.92, when climbing to cruising flight level?
A : 14,500 feet MSL.
B : 18,000 feet MSL.
C : 24,000 feet MSL.
At what altitude shall the altimeter be set to 29.92,
:どの高度で高度計は29.92にセットされますか
when climbing to cruising flight level?
:巡行高度まで上昇中
14,500 feet MSL.
:海抜14,500フィート
18,000 feet MSL.
:海抜18,000フィート
24,000 feet MSL.
:海抜24,000フィート
・
・
・
自力で回答してから音声を聞いてください。
はい。どうでしたか?
前回、
マグネティックコースによって
巡行高度が決定することを
学びましたが、
いくら目の前の高度計が
予定の高度を示していたとしても
肝心の高度計規正が
正しくなければ
なんの意味もありません。
他の航空機と安全な
高度差を保てている保証がない
ということになりますので
しっかりとセッティングを
するようにしましょう。
命に関わることですから
肝に銘じておきましょうね。
ということで、今回は以上となります。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます!
ではまた!
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